三洋、5年後も使える新型eneloop

~繰り返し充電回数も1,800回に

11月14日より発売になる新型エネループ

 三洋電機は、自然放電抑制性能が向上したニッケル水素電池「eneloop(エネループ)」の新モデルを11月14日より発売する。希望小売価格は単三形2本入りの「HR-3UTGB-2」が1,260円、単四形2本入りの「HR-4UTGB-2」が1,050円。

 充電して繰り返し使えるニッケル水素電池「eneloop」の新製品。自然放電抑制性能や繰り返し使用回数などの基本機能を向上させている点が特徴。充電池や電池は使用せずに放置していた場合、自然放電してしまい、数年後には使用できなくなってしまう。

 エネループでは独自の構造により、3年後にも75%の容量を残す低い自然放電性を特徴としてきたが、新製品ではマイナス極に使用している水素吸蔵合金の改良により、自然放電抑制性能がさらに向上。充電から1年後で約90%、5年後でも約70%のエネルギーが維持できるという。

単三形4本パックと、製品パッケージ新型エネループの製品パッケージ(左)では「5年後でもすぐ使える」点を訴求している。旧パッケージ(右)では「くりかえし使える」点をアピールしていた

 また繰り返し使用回数は、電極材料の改良により、従来の1,500回から1,800回に約20%向上した。これにより、単三形における1回あたりの使用コストは、従来の約2.5円から約2.2円になったほか、使用済の電池発生量を削減できるため、環境への配慮性も高まったという。

 容量は従来モデルと変わらず、単三形が1,900mAh(最小)で単四形が750mAh(最小)。なお従来品と同様、製品出荷前にエネループを充電する電力を、太陽光発電でまかなっている。

左下が新型、右上が旧モデル。新型エネループには王冠の下にラインがある

 デザインは、従来モデルを踏襲するが、旧モデルと新モデルで見分けがつくように、表面プリントの一部が変更されている。具体的には、スペック表記部の王冠の下にラインが引かれているものが、新モデルで、旧モデルにはラインがない。また、スペック表記の文字がキラキラと光る仕様となっている。

 今回のリニューアルでは、新型エネループを同梱した急速充電器なども順次発売されるほか、単三形では2個/4個/8個/12個入りが、単四形では2個/4個/8個入りがそれぞれ用意される。

 2個パック以外の価格はオープンプライス。単三形の店頭予想価格は、4個入りが1,580円前後、8個入りが2,780円前後、12個入りパックが3,980円前後。単四形の店頭予想価格は、4個入りが1,380円前後、8個入りが2,480円前後。


新型エネループに合わせて発売されるラインナップの一部単四形4本パック左が単三形12本パック、右は単四形の8本パック
単三形8本パック急速充電器もリニューアル発売される。写真はスライドカバーが付いた2倍速対応充電器。単三4個が付いたセットで価格はオープンプライス。店頭予想価格は2,980円前後

 エネループでは、容量が2,400mAhと大きい「エネループ プロ」や、使用時の本体温度が上がりにくい過昇温防止機能が搭載された「エネループ プラス」、電池容量が950mAhで、繰り返し使用回数が約2,000回の「エネループ ライト」などのラインナップを展開している。今回新たに発売されるのは、主力のレギュラーモデルに当たる。なお「エネループ プラス」は12月1日に発売の予定だが、繰り返し使用回数や自然放電性能などは、新型エネループの基本機能と同じ。

グローバル営業企画部 商品企画課 吉成 章善氏

 三洋電機のエナジーデバイスカンパニー グローバルCRM事業部 市販事業統括部 グローバル営業企画部 商品企画課 吉成 章善氏は、新型エネループについて「常に使い勝手を向上させようとしてきた結果の自信作。繰り返し回数や自然放電抑制性能など電池の基本機能を高めることができた」と話した。

 なお、エネループは東日本大震災後に製品が売り切れになるなどの事態が発生し、電池を使える製品への重要も高まったが、今回のエネループの改良には震災の影響はなく、「地震前から開発を進めてきたもの」だという。





(阿部 夏子)

2011年10月6日 13:00