東芝、野菜をより新鮮に保つ冷蔵庫「VEGETA(ベジータ)」

~水分を自動で補給する“うるおい補給野菜室”を採用
東芝ホームアプライアンス「VEGETA(べジータ)」

 東芝ホームアプライアンスは、野菜の鮮度をキープする冷蔵庫「VEGETA(べジータ)」シリーズの全6機種を11月上旬より順次発売する。

 VEGETAは、同社の冷蔵庫では最上位に当たるシリーズ。同社の冷蔵庫は、室温が高い時でも効率的に冷却運転する「W(ワイドレンジ)-ツイン冷却」機構を採用している点が特徴。W-ツイン冷却とは、冷蔵庫の庫内を冷蔵と冷凍の2つの温度帯に分けて、それぞれ別の冷却器で効率的に冷やす方式のことで、庫内の冷やしすぎを防ぎ、湿度を保つ効果がある。また、霜も付きにくいため、霜取りに必要な消費電力も抑えられる。特に、夏場など室温が高い時に省エネ性を発揮し、室温が35℃の時だと、約25%の消費電力を削減するという。

冷蔵庫は暑い時期ほど電力を消費するW-ツイン冷却では、冷蔵と冷凍で別々の冷却器を使用することで、効率的に運転する東芝独自の機能2つの冷却器を搭載する。冷蔵は-5℃、冷凍は-25℃で冷却する

 また、庫内の雑菌やウイルスの働きを抑えるため、同社独自のイオン技術「ピコイオン」も搭載している。ピコイオンは、微細な水に包まれた酸化力の強い活性酸素「OHラジカル」のことで、野菜を劣化させるエチレンガスを分解して野菜の新鮮さを保ち、野菜の抗酸化作用を利用して、ポリフェノールなどの栄養素を増量させる効果があるとしている。

ピコイオンは、野菜を劣化させるエチレンガスを分解する効果があるという操作パネルの様子
冷蔵室内にはLEDライトを採用。扉はワンプッシュで開くチルドルームや卵ケースもピコイオンで除菌するという冷凍室を開けたところ

野菜の鮮度を長く保つ「うるおい補給野菜室」

 新製品では、野菜の鮮度をより長く維持するため、野菜室の湿度を約95%に保つ「うるおい補給野菜室」を採用した点が最大の特徴となる。同社ではこれを業界初のモイスチャーキープシステムと呼んでいる。

新製品では、野菜室の湿度を常に約95%に保つ「うるおい補給野菜室」を採用湿度約100%の風を室内に送り込む
うるおい補給野菜室のカットモデルうるおい補給野菜室の奥。水色の部分から湿度約100%の風が吹き出す冷蔵庫本体のカットモデル。右側のモイスチャーキープと書かれた部分の上が冷蔵冷却器。まわりについた霜を利用して、湿度の高い風を野菜室に送る

 うるおい補給野菜室では、扉の開け閉めが多いときや、野菜の収納量が少ないときなど、野菜室の湿度が下がった場合に、湿度約100%の冷気を発生させ、野菜室に潤いを補給する。湿度約100%の冷気は、野菜室に隣接する冷蔵用の冷却器に付着した霜に風を当てることで発生させる。

 また、野菜室の乾燥を防ぐため、野菜に直接風が当たらないようにする「間接冷却方式」を採用。野菜室を密閉構造にし、野菜自体の水分を野菜室内に閉じ込めて野菜の鮮度を保つという。

 さらに、野菜室の扉の開閉や、野菜の量と温度を24時間検知する「野菜見張りセンサー」も新たに搭載。センサーで庫内の温度と冷却、そしてピコイオンの発生をコントロールし、扉の開け閉めが多いときや、野菜の収納量が少ない時でも、庫内の湿度を保つ。

 これらの機能により、うるおい補給野菜室では、野菜の鮮度を保つ力は冷却器が1つの場合に比べて、約2.3倍にアップしたという。

野菜室の扉の開閉や、野菜の量と温度を24時間検知する「野菜見張りセンサー」うるおい補給野菜室では、野菜の乾燥を防ぎ、潤いを閉じ込める

白菜やトマトなど、水分の多い野菜も冷凍できる「新・野菜そのまま冷凍」

 VEGETAでは、野菜を低温で時間をかけて冷凍することで、細胞へのダメージを抑えながら冷凍する「野菜そのまま冷凍」機能も搭載する。従来モデルでは、ブロッコリーやにんじん、キャベツ、いも類やきのこなどの冷凍が可能だった。新製品では、野菜の冷凍時に下に敷く冷凍プレートを従来よりも分厚くし、熱伝導率を従来より約15%を抑えたことで、これまでは冷凍できなかった白菜やトマトといった水分量の多い野菜の冷凍ができるようになったという。

 また、炊き立てのご飯も熱いまま冷凍できる「熱もの冷凍」機能も継続して採用された。新・野菜そのまま冷凍プレートは、野菜を載せる面の裏側に「熱もの冷凍」用のアルミトレイを一体化させ、ひっくり返して使えるようにした。

 このほか、野菜を乾燥させながら冷凍する「ドライモード」も新たに搭載した。野菜を時間をかけて乾燥させることで、風味を濃縮し、料理の下ごしらえができる。煮物の味を染み込みやすくし、揚げ物をカラッと仕上げる効果があるという。なお、野菜の乾燥には、冷凍用の冷却器から出る乾燥した風を利用する。

野菜をそのまま冷凍できるので、下茹での手間が省略できる右側の青いプレートが、「新・野菜そのまま冷凍プレート」会場ではかぼちゃの煮物を試食。ドライモードで保存したかぼちゃのほうが、野菜室で保存したものよりも味が濃かった

 節電面では、昨年モデルよりも約10%節電する「節電モード」を採用した。昨年モデルでは、省エネ機能として、外気温、放熱などの設置環境、扉の開閉、食品収納量を検知し、運転をコントロールする計13個のセンサー「野菜見張りセンサー」を採用していた。新製品の節電モードではさらに、結露防止ヒーターの温度も制御し、食品に影響のない範囲で庫内温度を調節することで、通常運転より消費電力を約10%削減する。節電モードは、操作パネルのボタン1つで選択できる。

2011年の新製品では、省エネ・節電性能をいっそう推進したという来モデルよりも約10%節電する「節電モード」を採用「野菜見張りセンサー」など計13個のセンサーを配備している

 使い勝手の面では、野菜室を中段に設置した同社独自の「まん中野菜室」を採用。野菜室を中段にレイアウトすることで、重い野菜もかがまずに手に取ることができ、さらに奥のほうまで覗きこめるため、快適に使えるとしている。

野菜室を中段に設置した「まん中野菜室」を採用「まん中野菜室」を開けた状態

 容量618Lの「GR-E62FX」の本体サイズは、750×732×1,818mm(幅×奥行き×高さ)。各室の容量は冷蔵室が307L、野菜室は144L、冷凍室が167L。下位モデルとして、フラットタッチパネルや「新・野菜そのまま冷凍」を省略したスタンダードタイプ3機種も用意される。



製品名VEGETA
タイププレミアムスタンダード
型名GR-E62FXGR-E55FXGR-E50FXGR-E55FGR-E50FGR-E47F
ドアタイプ6ドア冷蔵室両開き
容量618L548L501L548L501L471L
本体カラーブリーズ
シャンパン


グラン
ブラウン
シェル
ホワイト

グラン
ブラウン

ブリーズ
シャンパン

シェル
ホワイト

ブリーズ
シャンパン

ブライト
シルバー

ブライト
シャンパン

希望小売価格オープンプライス
発売日2012年
2月中旬
11月上旬11月下旬12月中旬
店頭予想価格32万円前後30万円前後28万円前後26万円前後24万円前後


【お詫びと訂正】初出時に品番に誤記がありました。お詫びして訂正させていただきます。

余った野菜も有効に活用でき、節約効果も

 東芝ホームアプライアンス国内営業本部冷蔵庫営業部冷蔵庫販売企画担当の伊藤詩織氏は、最近野菜の価格が市場で高騰していることについて触れた上で、うるおい野菜室を搭載した理由について「生活者の野菜を食べたいという健康志向と、食品を無駄にしないという節約志向が開発背景にある。野菜の鮮度を長く保つことで、余った野菜も有効に活用できる」と話した。

東芝ホームアプライアンス国内営業本部冷蔵庫営業部冷蔵庫販売企画担当 伊藤詩織氏野菜を食べたいという健康志向が高まっているという

 会場では、同社の家電シリーズ「ママゴコロ家電」のイメージキャラクターを務める女優の天海祐希さんも登場。天海さんは、ステージ上の冷蔵庫から、1日前に野菜室に入れたというセロリを取り出し、「瑞々しい! 」とその新鮮さに驚きを隠せない様子。「東芝の家電はエコ機能が充実していて、我が家でも使っています。さすがに新製品の冷蔵庫は、我が家のものより扉が軽くて、使い勝手も良くなっていますね」と絶賛した。

イメージキャラクターの女優の天海祐希さんうるおい野菜室に入れておいたセロリを見て、その瑞々しさに驚く天海さん同社取締役社長石渡敏郎氏と天海祐希さん





(小林 樹)

2011年9月30日 00:00