三洋、GOPANで生活習慣病を予防するレシピを披露

~普段どれだけ塩分を摂りすぎていたかを痛感する「おとなのお米教室」
GOPANを題材とした「おとなのお米教室」

 三洋電機は、同社のライスブレッドクッカー「GOPAN(ゴパン)」を題材としたワークショップ「玄米パンで健康を学ぼう!おとなのお米教室」を9月16日に開催した。

 GOPANは、米からそのまま米パンが作れるライスブレッドクッカー。昨年11月11日に発売して以来、8月末時点で累計出荷台数が15万台を超えるヒット商品になっている。同社では、GOPANを通して、米の消費および食料自給率の向上や地産地消、健康増進のための食育にも積極的に取り組んでいる。

 「おとなのお米教室」は、中高年の食生活の改善と啓発を目的に開かれたもので、三洋では玄米パンをそのツールとして紹介している。参加者の募集は、同社のWEBサイト「sanyo e-club」上で行なわれた。当日は、千代田区六番町の主婦会館に、40代~50代の女性、約20名が集まった。

GOPANのコンセプトは「食料自給率の向上/地産地消/食育」の3本柱地産地消をテーマに、三陸の魚介類を応援。GOPANで作ったパンと組み合わせたメニューも紹介していた発売後9カ月で累計出荷台数が15万台を超えた
独立行政法人国立病院機構東京医療センター管理栄養士 伊藤友香氏

塩分が高いものを食べたら、おかずで調節することが大切

 食イベントでは、講師に管理栄養士の伊藤友香氏を迎え、生活習慣病の予防をテーマに、講義を実施した。

 中高年がかかりやすい、高血圧や糖尿病といった生活習慣病の予防には、食物繊維を多く摂り、塩分を控えるといった「食事療法」が効果的という。伊藤氏は、「ただし、塩分の高いものを食べてはダメではありません。そのぶん、ほかのおかずで塩分を控えればいい。“調節して整える”ことが大切」と語った。

 また、ダイエット中の食事制限については、「痩せようとして、ご飯やパンなどの主食を抜く人がいますが、逆効果。そのぶんお腹を満たそうとして、脂分や塩分の多いおかずを摂ってしまいがちです。味の薄い主食はしっかり食べましょう」と話した。

講義は、中高年がかかりやすい生活習慣病の説明から始まった生活習慣病の中でも疾患者の多い糖尿病
食物繊維は、穀物や野菜、海藻類などに多く含まれるラーメンのスープを飲み干さない、香辛料や香味野菜を活用して味付けする、練り製品や加工品を控える、といった方法が示された

 伊藤氏はまた、生活習慣病の予防には、現在の自分の体の状態を把握することが必要だとし、自分の身長から見た標準体重や、1日に必要なエネルギー量の計算なども紹介した。

身長(m)×身長(m)×22=自分の標準体重となるBMIは、体重(kg)/身長(m)の二乗で求められる
1日に必要なエネルギー量は、個人の基礎代謝によって異なる。運動量の多い生活を送っている人は、それだけ1日に必要なエネルギー量が多くなる自分の年齢や生活に合わせて、1日に必要なエネルギー量を計算することで、自分に合う食事の量がわかる

GOPANで作った玄米パンの朝食は、10分以内に作れるおかずばかり

 続いて参加者に、実際にGOPANで作った玄米パンを含む朝食レシピ「GOPAN玄米パン毎日献立レシピ」が振舞われた。

 「GOPAN玄米パン毎日献立レシピ」は、三洋が医療食の宅配サービス会社「ファンデリー」と共同開発したメニュー。朝食レシピに、食物繊維や鉄分などの栄養素を多く含む玄米パンを採り入れることで、近年日本の食生活で課題となっている「脂質の過剰摂取」や、朝ご飯を食べない「朝食欠食」を改善できるように工夫した。

朝ごはんを抜く人や、脂質の過剰摂取が増えているという日本では、2007年に1人あたりの肉類の摂取量が魚介類の摂取量を上回った「GOPAN玄米パン毎日献立レシピ」を作成

 レシピでは、味付けに香辛料や香味野菜を活用するなど、管理栄養士の伊藤友香氏が提案した減塩の方法が全般的に活用されている。例えば、トマトとエリンギを使ったマリネでは、脂質が多く含まれるドレッシングを使わず、レモン汁とバジルで味付けしている。塩分を一切使っていないため、塩分を多く含むソーセージとそら豆の炒め物を添えても、料理全体の塩分は抑えられるという。

 さらに、レシピはどれも5分10分で作れるものばかり。時間のない朝でも作れるよう配慮されている。

GOPAN玄米パン毎日献立レシピのメニューが振舞われたGOPANで作った玄米パン。見た目は白米のパンと大差ないが、食感はよりもちもちと歯ごたえがあるGOPANで作った白米パンは、玄米パンよりやや白く、歯ごたえは軽め
「ヘルシー朝ごはんディップ」は、4つの味を揃えた。彩り豊富で、見ているだけでも満足感があるおかずを玄米パンに乗せて食べる塩分を多く含むソーセージとそら豆の炒め物だが、隣のトマトのマリネは、塩分を一切使っていないため、料理全体としての塩分は多くならない
アサリの水煮缶を使えば10分で作れるというアサリのスープ。時間のない朝に嬉しいカラフル野菜のミルク味噌汁。野菜がゴロゴロと豊富に入っていて、味噌の味が利いている。パンにつけても美味しい厚揚げの甘辛照り焼きと、切干大根と海苔の和え物。しょうゆ味が香ばしい。パンに挟んで食べることもできる

 記者も食べてみたところ、玄米パンはモチモチとして噛み応えがあり、「よく噛むことで、満腹中枢を刺激し、満足感が得られる」という伊藤氏の言葉に納得した。おかずのメニューは、納豆のネバネバした食感や、切干大根のコリコリとした食感など、食感がさまざまで、食べていて飽きない。

“普段どれだけ塩分を摂りすぎていたか、痛感した”

坂口さんと前芝さん。本日は坂口さんの誘いで参加したという

 参加者は、GOPANを使ったことがなく玄米パンを食べるのも初めてという方がほとんどだった。東京都から来た前芝さんは、玄米パン毎日献立レシピについて「小麦粉を使うホームベーカリーは持っているのですが、お米のパンは初めて。モチモチしていて美味しいですね。おかずは薄味でも美味しい。普段自分がどれだけ塩分を含む食事を摂っていたか、再確認しました」と評価した。食べ盛りの息子さんを持つという坂口さんは、「息子は食べ盛りですが、主人と私はヘルシーな食事をとりたいので、食事の準備はいつも大変です。今日のアサリのスープのレシピは、家ですぐに作れそう」と語った。

三洋電機マーケティング本部事業企画部マーケティング二課 古長亮二氏

 三洋電機マーケティング本部事業企画部の古長亮二氏は、「日本は言わずと知れた長寿国家ですが、大事なのは、『健康寿命』。動けて、長く生きてこその寿命です。病気になる前に予防するため、食事から心がけていきましょう」と参加者に語りかけた。今後、このような大人向けの食育活動は続けていく予定という。

 このほか同社では、2011年4月より、小学校4~6年生を対象とした食育活動にも取り組んでいる。GOPANを題材として、日本の農業や食文化などについて考えるきっかけを作り、米への興味関心を育てることを目指しており、これまでに参加した子供の数は、1,500人を超えるという。

小学生向けの食育授業を20校で実施し、1500人以上が参加している会場では食育の取り組みの様子も紹介されていた病院でもGOPANで作ったパンが食べられている

 なお、9月26日~10月7日の期間限定で、大阪府大阪市中央区のレストラン「Vegeble Kitchen(ベジブルキッチン)」にて、GOPANで作った玄米パンと「玄米パン毎日献立レシピ」メニューを提供する。時間は、11時30分~14時ラストオーダーまで。住所は大阪府大阪市中央区備後町4-2-4。土日、祝日は定休となる。






(小林 樹)

2011年9月16日 18:36