パナソニック、時短でおいしくできあがる調理家電2種

左からIH炊飯器「SR-SX1」、「3つ星ビストロ NE-R3400」

 パナソニックは、2011年度の調理家電2製品を報道陣に公開した。今回取り上げられたのは、スチームオーブンレンジ「3つ星ビストロ NE-R3400」と、IH炊飯器「SR-SX1」シリーズの2つ、いずれも新機構搭載により調理時間が短縮されているほか、調理に便利な機能が追加されている。発売日は両製品とも6月1日。

新グリル皿で調理時間を更に短縮

 スチームオーブンレンジ「3つ星ビストロ NE-R3400」は、発熱効率の良いグリル皿採用により、調理時間を大幅に短縮している点が特徴。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は15万円前後。カラーはルージュブラックとホワイト。

「3つ星ビストロ NE-R3400」ホワイトルージュブラック
扉を開けたところ操作パネル料理を取り出しているところ(チーズカツレツ)

 同社が既婚者を対象に調査したところ、電子レンジを「調理の時間を短縮するもの」を捉えているいる人は全体の78.4%で、電子レンジを調理に欠かせないものと考えている人は多いという。

 3つ星ビストロではこれまでも、マイクロ波と光ヒーターで直接グリル皿を加熱する独自の「光ヒーターシステム」で、“時短調理”を謳ってきたが、新モデルではグリル皿のマイクロ波吸収率を従来の1.5倍としたほか、本体上部の「光ヒーター」に遠赤外線放射率が従来より5%アップした「遠赤ブラックヒーター」を新たに採用し、2分で150℃を超える立ちあがり速度を実現した。

パナソニックが既婚者を対象に行なった調査によると「電子レンジは料理の時間を短縮するもの」と捉えている人が多かったマイクロ波と光ヒーターで直接グリル皿を加熱する独自の「光ヒーターシステム」による、素早い加熱を行なうマイクロ波の吸収率が従来の1.5倍の「新ビストログリル皿」採用により、発熱効率が高くなった
上が従来のグリル皿、下が「新ビストログリル皿」。新素材採用により従来より軽く、薄くなっている新ビストログリル皿で調理した例(チーズカツレツ)

 同社では、ただ調理時間を短くするだけでなく、調理時間を一定にすることで、余裕をもった食卓の用意ができることを提案。調理時間を一律10分としたレシピが100掲載されたレシピブックを同梱する。

ただ調理時間を短くするのではなく、「食事の10分前にセットすれば良い」という調理を提案10分でできるレシピが100紹介されているレシピを同梱する

 さらに発熱効率を活かした機能として「トーストの両面焼き」と「フライあたため」を約5分で仕上げる機能を追加した。これらは従来機種から搭載していた機能だが、いずれも加熱時間が長く、ユーザーからも問い合わせが多かったという。

右が従来機種、左がNE-R3400で焼いたもの裏、表ムラなく焦げ目がついている。さらに加熱時間も従来より短くなっている
パナソニック 商品企画グループ 国内電子レンジ商品企画チーム 主事 井上広美さん

 パナソニック 商品企画グループ 国内電子レンジ商品企画チーム 主事 井上広美さんは「これまで自分でオーブンレンジを開発してきていながら、調理に時間のかかるオーブン機能は自分でも使いこなせていなくて、悩んでいた。NE-R3400は毎日自分で使える、使いたいと思える製品」と語った。


200℃スチームで炊飯時間が短くなったIH炊飯器

 IH炊飯器「SR-SX1」シリーズは、ごはんをふっくらと仕上げる「200℃スチーム」機構を搭載している点が特徴。5合炊きと1升炊きの2機種を用意する。価格はいずれもオープンプライス。市場想定価格は、5合炊きの「SR-SX101」が9万円前後、1升炊きの「SR-SX181」が9万5千円前後。

製品本体蓋を開けたところ操作パネル

 パナソニックの炊飯器では、釜の中に水がなくなった後に、さらに加熱を行なう「追い炊き」工程で、釜内を高温で保つことを重視している。そのため、釜内の水とは別に給水タンクを設け、そこの水を蒸気にして釜内上部から加熱するスチーム機能を搭載している。SR-SX1では、スチーム温度を従来の130℃から200℃にしている点が特徴。

 高温のスチームを発生させるために、「スチームヒーターユニット」を新たに開発。フィンを付けたことにより、表面積は従来の約2倍となり、約200℃のスチームを高速噴射できるという。これより、釜内の熱量は従来の約4.5倍、熱が行き渡るまでの時間は約18倍に向上。効率的な加熱でお米の芯までしっかり熱がいきわたるため、ふっくらと仕上げることができ、ごはんの旨み成分であるアミノ酸の量も従来比で約7%アップしたという。

パナソニックではおいしさのポイントを「高温での追い炊き」にあるとしているフィンを設けたことで表面積が従来の約2倍になった「スチームヒーターユニット」本体カットモデル。炊飯器に搭載するということで、小型化にもこだわったという

 さらに、炊飯時間も従来より約20%短縮した。200℃スチームで充分な米の糖成分を生成できるため、前炊きと言われる浸水工程を10分短縮、さらに最終工程である蒸らしを2分短縮している。通常より時間をかけてじっくりご飯を炊き上げる「銀シャリふつうコース」の場合、炊飯時間は44分で従来より12分短くなっている。

200℃スチーム搭載により炊飯時間が短くなった銀シャリふつうコースで炊き上げたごはん内蓋にも200℃の文字が

 また、選択メニューに合わせてスチーム温度を自動でコントロールする機能も搭載する。調味料や具材の香りを活かす炊きこみ、炊きおこわなどでは約130℃、柔らかく仕上げる雑穀米などは約150℃、米の芯からふっくらと仕上げたい玄米や白米などは約200℃に、自動で調節される。

 本体デザインは、天面をフラットとした「スリムカットデザイン」を採用。「3つ星ビストロ NE-R3400」と並んで置いても違和感のないよう、カラーやデザインに統一感を持たせている。





(阿部 夏子)

2011年4月15日 17:57