三洋電機、最大42畳まで対応する大型の空間清浄機

~1時間当たり1,500mlの本格的な加湿機能も搭載
VWP-K150

 三洋電機は、適用床面積42畳の大型空間清浄機「VWP-K150」を発売した。希望小売価格は210,000円。

 保育園や病院など、公共の場での使用を想定した大型の空間清浄機。同社独自の電解水技術「ウイルスウォッシャー」を搭載する。ウイルスウォッシャーとは、塩化物イオンを含む水道水に電気分解を施し、菌やウイルスを抑制する効果のある「次亜鉛素酸」と「OHラジカル」を生成する技術のこと。次亜鉛素酸とOHラジカルが大量に存在する電解水に空気を接触させることで、空気の除菌・脱臭を行なうという。

 VWP-K150では、1時間当たり1,500mlの加湿機能を新たに搭載した点が最大の特徴。同社の空間清浄機は、ウイルスウォッシャー技術のために水道水を補給する必要があり、これまでもある程度の加湿効果はあったとするが、今回はより快適な室内空間を目指すために、本格的な加湿機能を搭載した。

 加湿方法はフィルター気化式を採用。内部でフィルターが回転しながら、加湿を行なう方式で、ヒーターを使わずに加湿するため、消費電力を抑えられるほか、フィルターが水に浸りっぱなしになることがなく、内部を清潔に保つことができるという。

 本体には温湿度センサーを搭載し、室内を55~60%の状態に自動で保つほか、加湿を優先して行なう「湿度モード」も用意する。

本体背面本体上部。操作はここで行なう本体側面部。基本的には床に置いて使う製品だという
加湿方式はフィルター気化式。フィルターが内部を回転する本体背面の「エアーフィルター」。大きなホコリなどはここで取り除く現在の湿度が表示される

 なお、VWP-K150では広い空間をカバーするため、電解水の塩分濃度を安定させる「塩タブレット」を使用する。塩タブレットは1粒あたり0.45gの塩が固形になったもので、給水時に本体底部のトレイにセットする。塩タブレット(1,000錠入り)は本体にあらかじめ付属するほか、5,250円で別売りも用意する。

 使い勝手の面では、より効率的に室内の空気を循環させるため、本体上部に「オートルーバー」(風向きを調整する板)を設ける。また、室内の空気循環の達成度5段階で示す「クリーニングモニター」を用意。これは、風量と時間の経過により達成度を表示するもので、42畳の部屋に置いた場合が基準となっている。そのため、約20畳の部屋に置いた場合はモニターが半分まで付けば、おおよその空気循環が達成された目安となる。

本体に付属する塩タブレットタンク下のトレイに塩タブレットをセットする空気循環の達成度を5段階で表示する「クリーニングモニター」
本体上部のオートルーバー。風向きを自分で設定できるほか、スウィング機能も備える運転中はブルーのランプが付く

 本体の給水タンクの容量は10L。給水後、持ち運びやすいようにハンドル付きのトレイごと取り外せる機構を採用する。

給水タンクは持ち運びしやすいようにハンドル付きのトレイとセットになっているタンクは本体前部から取り出す本体にセットしないとタンクから水がでない構造を採用

 メンテナンスは、基本的に家庭用の製品と同等。給水タンクを給水時に毎回水洗いするほか、本体背面のプレフィルターを掃除機で週に1回程度掃除する。フィルターはメッシュ製で、手洗いに対応する。手入れ頻度は2週間に1回程度。そのほか、電気分解を行なう電極ユニットを2年に1回交換する必要がある。価格は15,750円。

フィルターは簡単に取り外すことができる素材はメッシュで、水洗いに対応電極ユニットを2年に1度交換する必要がある

 なお、ウイルスウォッシャーでは、電解水により空気を除菌する構造のため、除菌後の水を排水する必要がある。排水は、給水タンクとセットになったトレイされる仕組みなので、給水のタイミングで排水も同時に行なう。

 本体サイズは520×340×640mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は17.5kg(タンク空時)。最大消費電力は30W。最大運転音は43dB。

三洋電機コンシューマエレクトロニクス 家電事業部 企画統括部 環境商品企画部 アメニティ企画課 担当課長 井浦嘉和氏

 三洋電機コンシューマエレクトロニクス 家電事業部 企画統括部 環境商品企画部 アメニティ企画課 担当課長 井浦嘉和氏は、今回の製品について「これまでは本体の大きさや運転音がハードルになって、加湿と空間清浄を組み合わせた大型の製品を作るのは難しかった。本格的な加湿機能を搭載したVWP-K150はかなり珍しい製品で、すでにお客様からの問い合わせも多くいただいている」と話した。

 機能の面では「ウイルスウォッシャーの良さを最大限に発揮できる製品。広い面積をカバーしなければいけないということで、塩タブレットを入れたり、電極ユニットを交換しなければならないなどの手間はあるが、日常的なメンテナンスは最小限に抑えた。設置などの工事なども必要なく、家庭でも充分使える製品」と自信を見せた。





(阿部 夏子)

2010年11月26日 13:52