日立、さらにドラムが大きくなった洗濯乾燥機「ビッグドラム」
ビックドラム BD-V7300 |
日立アプライアンスは、直径約63cmのドラム槽を搭載したドラム式洗濯乾燥機「ビッグドラム BD-V7300」を10月16日より発売する。希望小売価格はオープンプライス。店頭予想価格は30万円前後。左開きと右開きがそれぞれ用意される。
洗濯容量10kg、乾燥容量6kgのドラム式洗濯乾燥機。日立では、洗浄力と乾燥性能を維持するために大口径のドラム槽が不可欠として、ドラム槽のサイズが大きいドラム式洗濯乾燥機「ビッグドラム」を従来よりを展開してきた。
BD-V7300では、さらなる洗浄力の向上と、シワの少ない乾燥仕上がりを実現するために、従来より約2cm大きい直径約63cmのドラム槽を新たに搭載した点が特徴。ドラム槽のサイズを大きくすることで、たたき洗いによる洗浄力が向上するほか、ドラム槽の中で、衣類を舞い上げるようにして乾燥することで、シワの少ない仕上がりになるという。洗浄工程や乾燥工程の効率化により省エネにもつながるという。
製品本体。左からパールシャンパン、パールホワイト | 操作パネル部分 | 扉を開けたところ |
ドラム槽のサイズを従来より約2cm大きい63cmとした。左が従来機種のもの、右がBD-V7300のもの | ドラムのサイズを大きくすることでたたき洗いの効果が高くなるという | 衣類を大きなドラムの中で舞い上げるようにして乾燥することでシワの少ない仕上がりになるという |
また、独自の低振動化技術を搭載したことにより、ドラム槽のサイズを大きくしながらも本体幅は従来機種と同サイズとした。同社によると、ドラム槽のサイズを大きくすると、振動量が増える、ドラム槽と側面の板の間の隙間が小さくなることで、騒音が発生しやくなるという問題があるという。
日立では、これらの問題を解決するために、ドラム槽を支えるサスペンションの硬さが振動の大小に応じて変わる「ツインアクションサス」を搭載したほか、ドラム槽の振り幅を軽減する「5重流体バランサー」、前後・左右・上下の複雑な振動を制御する「3D加速度センサー」など独自の技術を搭載。さらに、新モデルではドラムの直径が大きくなったことによる生じる振動を、ツインアクションサスの上下に配置した「高減衰制振ラバー」で吸収することで、運転音を抑え、本体幅を変えることなくドラムの槽を大型化したとする。
本体幅をそのままで、振動を抑えた構造にするために独自の技術を搭載する | カットモデル | 振動を吸収ルする「高減衰制振ラバー」をツインアクションサスの上下に配置した |
運転モードでは、脱水の回数を「しっかり(1,200回転/分)」「ふつう(900回転/分)」「弱め(700回転/分)」の3段階から選択できる機能を新たに搭載した。これは、乾燥工程を使わずに部屋干しをするユーザーが多いことに着目した機能で、脱水回数を通常より多くする「しっかり」モードでは、ふつうモードに比べ、約1L多く、水量を飛ばすため、部屋干し時間の短縮ができるという。
同社では、しっかりコースで脱水した化繊混紡シャツあるいは綿シャツ1枚であれば、15分の乾燥コースで乾かすことができるとしている。また、脱水回転が少ない弱めモードは、ブラウスなどシワが気になる衣類に便利なモードとしている。
購入者アンケートによると全体の約4割が乾燥工程を使用しないと答えたという | 脱水回数を多めにすることで室内干しの乾燥スピードを短縮できる | しっかりコースで脱水したシャツならば15分の乾燥コースで乾かすことができるという |
洗浄工程では、3D加速度センサーと布量センサーが衣類の質や量を検知し、最適な回転速度と水量をコントロールする機能を従来機より継承する。乾燥工程では、乾燥時に時速約300kmの高速風を発生させることで、衣類のシワを伸ばしながら乾燥させる「風アイロン」機能を引き続き搭載する。
3つのセンサーで検知し、回転数や水量をコントロールする | 乾燥工程では高速風で衣類のシワを伸ばす風アイロン機能を搭載。左が風アイロンなしで乾燥させたもの、右が風アイロンありで乾燥させたもの |
節水性では、センサー検知により洗濯時間や使用水量、洗剤量などを調整する「[eco]水センサー」を新たに搭載した。[eco]水センサーは同社の縦型洗濯乾燥機ビートウォッシュの新モデルにも採用された機能で、「水硬度センサー」「水温センサー」「布質センサー」「布量センサー」の4つのセンサーから成る。
布量や布質だけでなく、使用する水の硬度や水温にも着目した点が特徴で、水の硬度が低く、水温が高い時は洗剤量を減らした表示を行ない、洗濯時間を短くして洗うという。同社によると、水の中に含まれるカルシウムイオンやマグネシウムイオンといった硬度成分は、硬度が低いと泡立ちが良くなり、また水温が高いほど洗浄力が高くなるという。さらに、布量や布質に応じて水量を調整することで、洗濯1回当たりのランニングコストを最大で約6%節約できるという。
[eco]水センサー | 水温や硬度に応じて洗剤量や洗濯時間、水量を調整する |
省エネ性では、運転時に本体にこもった熱を回収し、乾燥時に再利用する「ヒートリサイクル乾燥方式」、乾燥効率を上げるためにドラムの角度を変える「ドラム姿勢制御」機能、消費電力量を抑えるためにモーターの回転数を、洗い時と脱水時で切り替える「2ステージDDモーター」などを引き続き継承する。6kg洗濯~乾燥時の消費電力量は約930Wh。
運転回路を切り替えて消費電力量を抑える2ステージDDモーター | 本体内の熱を回収し乾燥工程で再利用するヒートリサイクル乾燥方式を採用 |
本体サイズは、735×620×1,060mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約89kg。本体カラーはパールシャンパンとパールホワイト。
洗濯容量9kg、乾燥容量6kgでスチームアイロン機能を省略した中位機種「BD-V5300」、ドラム槽の直径が約60cmで、乾燥方式などが異なる「BD-V1300」も同時発売する。価格はオープンプライス。BD-V5300の店頭予想価格は26万円前後、BD-V1300は19万円前後。
BD-V5300 | BD-V1300 |
常務取締役 家電事業部長 石井吉太郎氏 |
日立アプライアンス 常務取締役 家電事業部長の石井吉太郎氏は、洗濯機の市場について「一般市場ではドラム式55%、縦型45%となっているが、日立では逆転している状態。縦型、ドラム式のどちらかという選択はお客様に任せるが、どちらの形でもトップシェアを狙う意気込みで頑張っていく」と述べた。
(阿部 夏子)
2010年9月29日 17:31