日立、低温乾燥で衣類の縮みを抑えるドラム式洗濯乾燥機「ビッグドラム」

ビッグドラムBD-V3200

 日立は、低温乾燥で衣類の縮みを抑えるドラム式洗濯乾燥機「ビッグドラムBD-V3200」を10月中旬より発売する。希望小売価格はオープンプライス。店頭予想価格は30万前後。左開き、右開きのモデルが用意される。洗濯容量は10kg、乾燥容量は6kg。

 直径61cmの大型ドラムを備えたドラム式洗濯乾燥機「ビッグドラム」シリーズの新製品。ビックドラムシリーズは高速の風で衣類のシワを伸ばす「風アイロン」機能や、内部機構から発生する廃熱を回収し、乾燥運転に再利用する「ヒートサイクル技術」による高い省エネ性が特徴。BD-V3200では、これらの機能をさらに進化させたほか、洗浄力を高めるためにセンサーを使用した洗浄方法を新たに採用した。

製品本体ドラム部分フタを開けた状態
スケルトンモデル裏側


低温乾燥で衣類の縮みを押さえる、進化した「風アイロン」

 高速の風を衣類に吹き付けることで衣類のシワを伸ばす「風アイロン機能」では、衣類のシワや縮みを軽減させるために約60℃で衣類を乾燥する「低温乾燥」機能を新たに採用した。低温乾燥では、カットソーの襟ぐりや靴下の履き口などの縮みを抑える効果があるほか、ドラム内の温度が上がりすぎないため工程途中で衣類を取り出すことも可能だという。

 また風速は省エネ性に考慮して従来の約360kmから300kmに変更している。ただし、低温乾燥機能の採用などにより仕上がりの質は従来よりも上がっているという。

低温乾燥機能を新たに搭載した風アイロンによる仕上がりの違い。左は風アイロン未搭載機種で乾燥させたシャツ、右は風アイロンで仕上げたもの靴下などの縮みを抑える効果もあるという


センサー検知で衣類に合わせた「たたき洗い」

 ドラム式洗濯乾燥機ではドラムの回転させ、衣類をたたき洗いすることで汚れを落とすが、衣類の重さによっては、ドラム内で衣類が持ち上がらなかったり、回りすぎてしまうという問題があったという。BD-V3200では、これらの問題を解決するために衣類の質や量を感知するセンサーを搭載し、最適な回転数を制御する「センサービッグドラム洗浄」を新たに搭載した。

 本体には衣類の質や量を感知する「3D加速度センサー」と「布量センサー」、最適な回転数を制御する「回転数センサー」の3つを搭載する。これらのセンサーで、衣類の量や質を検知することで、たたき洗いに最適な回転数を自動的に制御する。これにより、たたき洗いの効果が高まり、汚れをより落とすことができるという。

 たとえば、ジーンズやトレーナーなど重さのある衣類を洗浄する場合、回転速度が遅いと衣類がドラムの高い位置まで持ち上がらないため回転数を早くする。逆にシャツなど軽い衣類を洗浄する場合は、回転数が早すぎると衣類が回りすぎてしまうため、回転数を抑えるという。

センサーで最適な回転数を制御するセンサービッグドラム洗浄衣類の量や質に応じて回転数を変えることでより効率的なたたき洗いができるというセンサーはドラムの下部に設置される

 また、洗剤液を衣類にしっかり浸透させるために、高濃度の洗剤液を、庫内の両側からシャワーにして繰り返し洗濯物に振りかける「循環ダブルシャワー」機能も新たに搭載した。

洗浄液を両側かたシャワーにして洗濯物に振りかけることで衣類にまんべんなく洗剤液を浸透させることができるという「循環ダブルシャワー」のイメージ


新開発のモーターで省エネ性も更に向上

 省エネ性では、モーターに溜まった熱を回収し、乾燥工程に再利用する「ヒートリサイクル乾燥」機能を引き続き搭載するほか、消費電力を抑えるために2つの回路を切り換えて運転する2ステージDDモーターを新たに搭載した。

 また、乾燥時の効率をあげるために、後ろに傾いているドラムを乾燥時に起こす「ドラム姿勢制御」を採用した。ドラムを縦に起こすことで、衣類が前後に入れ替わりやすくなり、風が効率よく当たるため乾燥ムラを抑える効果があるという。

BD-V3200に搭載されている省エネ技術乾燥時にドラムを起こす「ドラム姿勢制御」機能を新たに搭載したドラムを起こした状態で乾燥すると、衣類が前後に入れ替わりやすくなるという

 これらの省エネ技術により、標準コース、6kg洗濯・乾燥時の消費電力量は従来の980Whから950Wh、同じ工程を約126分で仕上げる「快速洗乾」コースの使用電力量は従来の1,135Whから1,080Whにそれぞれ削減した。

 節水機能では、少ない水で効率的に衣類を洗うため、ドラムの両側から扇状に洗剤液を噴射させる「循環ダブルシャワー」機能のほか、ドラムの回転速度を上げることで、遠心力により洗剤液を取り除く「回転スプレーすすぎ」機能などを採用する。

 また、乾燥工程で行なう除湿では、使用水量を少なくするため、従来の水冷除湿方式と、湿気を空気で冷やして除湿する空冷除湿を使い分ける「2way除湿方式」を採用する。2way除湿方式では、コースに応じて除湿方式を切り換えるという。

BD-V3200に搭載されている節水のための技術回転スプレーすすぎのイメージコースに応じて除湿方法を切り換える「2way除湿方式」を新たに採用する

 これらにより使用水量は6kg洗濯・乾燥時の標準使用水量は従来の58Lから55L、10kg洗濯時の使用水量は80Lから72Lに低減した。

操作しやすい大型液晶を搭載

 操作性では文字が見やすい「大型ホワイト液晶」を搭載する。液晶画面では使いやすさに配慮して、運転内容を表示した画面のすぐ下に操作ボタンを配置するなどレイアウトにこだわった。また画面では運転状況が常に表示される。このほか、運転状態やエラーの内容を音声で知らせる機能なども引き続き搭載する。

大型ホワイト液晶を搭載した操作部使いやすさに配慮して液晶のレイアウトにこだわったという

 そのほか、従来機種からは乾燥後の衣類に15分間スチームを当ててシワを伸ばす「スチームアイロン」機能などを継承する。

 本体サイズは、735×620×1,050mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約89kg。本体カラーjはシャンパンとパールホワイトの2色。

 

「BD-V2200」。左からライトグレー、ライトベージュ
 なお、洗濯容量9kgでスチームアイロン機能を省略した中位機種「BD-V2200」、風アイロン機能などを省略した下位機種「BD-1200」も同時発売する。希望小売価格はオープンプライス。店頭予想価格はBD-V2200が26万円前後、BD-1200が19万円前後。






(阿部 夏子)

2009年10月7日 00:00