三洋、平らな道でも乗ったまま充電できる「eneloop bike」

電動ハイブリッド自転車 eneloop bike CY-SPL226

 三洋電機は、平らな道でも充電しながら走行ができる「電動ハイブリッド自転車 eneloop bike(エネループバイク) CY-SPL226/224」を4月21日より発売する。希望小売価格は157,290円。製品の詳細は以下の表の通り。




型番CY-SPL226CY-SPL224
車輪サイズ26インチ24インチ
車体重量約25.3kg約24.6kg
全長1,860mm1,770mm
全幅570mm
充電1回あたりの
走行距離
パワーモード約36km
オートモード約45km
エコ充電モード約55km
電源リチウムイオン電池25.2V-7.6Ah
充電時間約280分
変速機内装3段
希望小売価格157,290円
本体カラーワインレッド
シルバー
ダークブルー

ホワイト
ワインレッド



製品本体操作パネルは手元に配置される変速機は内装3段階
容量7.6Ahのリチウムイオン電池が搭載されるモーターは本体前輪に搭載される後輪は手動で駆動するため、普通の自転車と変わらない
ペダルへの負荷を感知するトルクセンサー本体に搭載されているリチウムイオンバッテリーバッテリー充電時間は約280分

 同社の電動アシスト自転車「eneloop bike」の最上位モデルとなる製品。

 同社のユーザー調査によると、製品に対する不満の声として「毎回の充電が面倒」「充電切れが不安」などが挙げられていたという。フラッグシップモデルとなるCY-SPL226/224では、これらの声に応えるため、独自の回生充電機能を見直したほか、充電切れの不安を解消する機能を新たに搭載した。

従来の回生充電機能「ループチャージ」では、走行が比較的楽な平地でもアシスト走行を行なっていた。CY-SPL226/24では、平地でも充電走行することで走行可能距離を従来より長くした

 まず充電回数を減らすために、平地走行時でも充電走行ができる「エコ充電モード」を新たに搭載した。

 同シリーズでは、ブレーキをかけた際や下り坂の走行時などに発生するエネルギーをバッテリーに蓄積する回生充電機能「ループチャージ」機能が搭載されているが、従来モデルでは平地走行時での充電走行はできなかった。CY-SPL226/224では、走行距離をより長くするために、平地走行時でも充電走行ができる新たな「ループチャージ」を搭載したという。

 同社では、走行充電中でも違和感のない走りを再現するために、回転速度の変化とペダルを踏み込む力をセンサーで制御。センサーで感知した負荷の数値で自動的に充電走行に切り替わるという。切り替わりの目安となる負荷は電流値で約15W程度だとする。

 充電走行は「エコ充電モード」選択時に、自動で行なわれる。これにより、走行距離はバッテリー容量比で業界最長クラスとなる約55kmとなった。平地1kmを充電モードで走った場合、アシスト力の強い「パワーモード」約300m走行できる電気を発電できるとする。

充電走行時の違和感を少なくするために、運転の切替はセンサーが感知して自動制御される充電走行が多くなることで、走行距離はパワーモードの約1.5倍になるという会場では平地走行時の充電走行デモも行なわれた。平地でペダルをこいでいる状態でも発電されているのがわかる
電池容量を残した状態で充電切れを知らせる「パワーリザーブ」機能を新たに採用した。操作は手元のパネルスイッチで行なえる

 充電切れへの不安解消対策としては、電池容量を残した状態で充電切れを知らせる「パワーリザーブ」機能を新たに採用した。従来モデルでは、電池残量表示は手元のLEDランプのみで表示していたが、点滅による充電催促は表示を見逃してしまうこともあり、外出中の充電切れの原因となっていたという。

 パワーリザーブ機能では、約1Ah(アンペアアワー)の電池容量を残した時点で、本体のモーターアシストが一度切れる。その後、電源ボタンを約2秒長押しすると、約1Ah相当の電池容量でアシスト走行を再開できるという。約1Ahで走行可能な距離は「パワーモード」で約4km、「エコ充電モード」で約6kmだとする。

 そのほか、使い勝手としては走行安定性に優れた「両輪駆動方式」を採用する。両輪駆動方式は後輪は人力、前輪はモーターでそれぞれ駆動する方式で、直進安定性が高く、走行時の安定感が高くなるという。また、本体後方には、22kgまでの荷物が搭載可能な荷台(リアキャリア)を採用する。

マウンテンバイクのプロサイクリストである山口考徳さんによる走行デモも行なわれた

 会場では、試乗会も行なっており、記者も実際に試乗した。気になるのはやはり平地走行時での充電走行。普通の走行時に比べて、ペダルが重くなるかと心配していたが、実際には切り替わったのが、わからないくらいスムーズな乗り心地だった。開発担当者によると、その時の風の状態や(追い風、向かい風など)、乗る人の体重も反映されるため、違和感のない走行が可能だという。

 また、特に印象的だったのが、下り坂でオートモードにした状態の走行。ペダルを踏み込まずに坂道を下ると、回生充電機能が入って細かい揺れを感じる。回生充電機能という本来の目的もさることながら、スピードの出し過ぎ防止にもつながると感じた。

三洋電機コンシューマーエレクトロニクス 取締役副社長 家電事業部事業部長 和田隆弘氏

 三洋電機コンシューマーエレクトロニクス 取締役副社長 家電事業部事業部長 和田隆弘氏は、eneloop bikeについて「一台で、発電/充電/活電ができるeneloop bikeは、“繰り返し使うライフスタイル”を提案するeneloop製品群の中でも特にeneloopらしい製品」と話した。また電動アシスト自転車の今後の展望については、「私個人の意見としては、100万台市場になるのもそう遠くはないと思う」と述べた。なお、同社では、2010年度の市場規模予測を40万台と予測している。





(阿部 夏子)

2010年3月2日 18:22