東京ガス、バルコニーの太陽光で給湯するマンション向け温水システム
「SOLAMO」


 東京ガスは、集合住宅のバルコニーで太陽熱を集め、給湯に利用する太陽熱利用ガス温水システム「SOLAMO(ソラモ)」を、2月22日に発売する。システム料金は1,309,350円(工事費別)で、マンションデベロッパー向けに発売される。

SOLAMOの設置イメージ。マンションなど集合住宅向けのシステムとなる

 太陽エネルギーとガスを組み合わせた、集合住宅向けの温水システム。ベランダに設置した集熱パネルが吸収した熱で貯湯タンク内の水を温め、熱が足りない場合にはガスを使って湯を沸かす仕組みになっている。

 これにより、3人家族の給湯使用量のうち約16%を太陽熱でまかなうことができるという。また、従来の給湯器と比べて、ガス使用量とCO2排出量を約29%削減できるという。なお、ガス給湯器には高効率の「エコジョーズ」を使用している。
ベランダに設置する集熱パネルの仕組みシステム全体図。パネルが集めた熱を使って、タンク内の水を温める


 集熱パネルには、バルコニーのガラス手すりと一体感のあるデザインを採用。パネルは垂直に設置されているが、同社によれば「太陽高度が低い冬ほど集熱量が増加する」という。集めた熱は不凍液を使った熱媒が吸収し、ポンプ内を循環して貯湯タンク内の水を温めるという。このポンプを駆動するための太陽電池も装備している。

 システム内容は、集熱パネルなどベランダに設置する集熱部、貯湯タンクやエコジョーズを組み合わせた貯湯部、室内に設置するタッチパネル式のリモコンという3点。リモコンには太陽熱利用によるCO2削減量の累積値や、集熱中であることを示す「太陽マーク」を表示する機能も備えている。また、運転スイッチを切ることで、太陽熱で温めた湯だけを使うこともできる。

 サイズは集熱部が3,660×120×1,200mm(幅×奥行き×高さ)で、貯湯部は480×650×1,900mm(同)。貯湯タンクの容量は約100L。

集熱部外観。手すりは三協立山アルミ製貯湯部。ガス給湯器「エコジョーズ」と貯湯タンクが入っている室内に設置するタッチパネル式のリモコン。左がトップ画面で、運転をOFFにすると、太陽熱で温めたお湯だけが使える

 ちなみに、SOLAMOというネーミングについては「空のエネルギーも、ガスがもっと活かしていく」という思いが込められているという。

 SOLAMOの開発には、東京ガスのほか、矢崎総業、三協立山アルミ、リンナイ、ガスターが共同で携わっている。



(正藤 慶一)

2010年2月5日 16:08