シャープ、プラズマクラスターイオンの濃度が3.5倍になったエアコン

~“鳥の翼”ファンで省エネ性能は業界No.1

シャープ「プラズマクラスターエアコン」(左上)。写真下の黒い製品は、同日発表のプラズマクラスター加湿イオン発生機「IG-BK100」
 シャープは、同社独自の除菌/脱臭技術「高濃度プラズマクラスターイオン」の発生ユニットを強化したエアコン「プラズマクラスターエアコン SXシリーズ」を、11月16日に発売する。価格はオープンプライス。ラインナップは以下の表の通り。

型番AY-Z40SXAY-Z50SXAY-Z63SXAY-Z71SX
電源単相200V
冷房能力4.0kW5.0kW6.3kW7.1kW
適用床面積
(冷房時)
14畳16畳20畳23畳
店頭予想価格27万円前後30万円前後32万円前後34万円前後

 14畳以上のリビング~LDKでの使用を想定した、フラッグシップ機に当たる製品。本製品では、従来モデルと比べてプラズマクラスターイオンの濃度を高めた点が特徴。2008年モデルでは1立方cm当たり7,000個だったが、本製品では25,000個となり、ウイルスやカビ菌、ニオイをより強力に分解・除去できるという。

 また、エアコンの運転終了後には、本体内部にプラズマクラスターイオンを集中的に放出する「カビ除菌クリーニング」モードへ移行。エアコン運転時のカビ臭を抑える効果がある。さらに、1日1回、決まった時刻にプラズマクラスターイオンを室内に放出し、室内を清潔に保つ「部屋清浄運転」も用意されている。

エアコンで初めて、高濃度のプラズマクラスターイオンを発生する2008年モデルでは、イオン濃度は1立方cm当たり7,000個だったが、約3.5倍となる25,000個に増加。除菌スピードも速くなるというエアコンによるプラズマクラスターイオンの濃度分布図。上が横の断面図で、下が縦の断面図

発表会会場では、エアコンの12m先のイオン濃度を計る実験も行なわれた12m離れた先のイオン濃度は、プラス・マイナスともに約40,000~60,000個の範囲で推移。広いリビングでもイオンが届けられるようだ

今回はプラズマクラスターイオンによる室内機内部の清浄機能も搭載エアコン内部にはカビが溜まりやすいプラズマクラスターイオンの運転の有無による、カビの発生具合の比較。同イオンを発生していた方(写真上)はキレイだが、イオンなしのもの(写真下)はカビだらけになっている

室外機の翼に新形状を採用。消費電力を抑えている(写真上が新モデル、下が旧モデル)
 省エネ性能の面では、室外機内部に搭載されているファンの形状を、“鳥の翼”に学んだデザインにリニューアル。従来よりも消費電力を約20%削減した。翼をファンの根元まで伸ばすことで風を大きく受け、翼に切れ込みを入れて乱流の失速を低減することで、消費電力を抑える効果があるという。さらに、重量も従来の602gから496gへと削減した。同社によれば、AY-Z50SXとAY-Z63SXの2機種において、省エネNo.1が実現できたとしている。なお、翼の形状のモデルとなったのは、アホウドリとイヌワシ。

翼の形状のモデルとなったのは、アホウドリとイヌワシこちらは旧モデルの翼新モデルでは、翼が伸び、切れ込みが入っている

 このほか、体に直接体を当てない空調技術「つつみ込む気流」も引き続き搭載。なおシャープのエアコンは、冷房運転において、癒しや快適感を向上する効果があるとして、大阪健康サービス産業創造協議会より「癒し快適エビデンス推奨マーク」の認証を受けているが、暖房においても癒し、快適の効果が検証されたとしている。

体に風が直接当たらない「つつみ込む気流」を引き続き採用冷房運転では、癒しや快適感を向上すると第三者機関によって認められているが、同様の効果が暖房運転でもあることを検証したという

 期間消費電力量は、AY-Z50SXで1,670kWh、AY-Z63SXで2,428kWh。APFは、AY-Z50SXが6.0、AY-Z63SXは5.2。

シャープ 執行役員 健康・環境システム事業本部長
 シャープ 執行役員 健康・環境システム事業本部長 高橋興三氏は、「SXシリーズとの発売によって、高濃度プラズマクラスターイオンの商品群を1畳用~23畳、業務用を含めれば30畳まで広げることができた」と、プラズマクラスターイオンの搭載製品のラインナップが充実したことを評価。そして「これからも“暮らしの健康は空気から”を商品コンセプトに、健康な空気をお客様に届けていきたい。早期に(プラズマクラスター搭載機の)3千万台を突破したい」との展望を語った。




(正藤 慶一)

2009年10月14日 17:27