パナソニック、電球色の光が昼白色よりも眠りを誘うと検証


 パナソニック電工は、照明の色温度が睡眠を誘うホルモン「メラトニン」に与える影響について、検証結果を発表した。

 検証内容は、夜間、照明の色温度が異なる空間に一定時間滞在し、メラトニンの分泌量を唾液の濃度から評価するというもの。この結果、色温度が低くなるほどメラトニンが分泌されやすくなることを確認したという。このことから、色温度の高い昼光色、昼白色より、色温度が低い電球色の方が眠りを誘うということが導き出せる。

 メラトニンは100lx以下の弱い光でも分泌を抑制するとされるが、一方で照明を完全に排除すると今度は視認性が確保できなくなる。同社では、健全な睡眠や生体リズムの維持のために、光源の波長構成を工夫し色温度を変化させることで、視認性を確保しながら睡眠への悪影響を低減できるとしている。また、今後は光が睡眠や生体リズムへ及ぼす作用を考慮し、エコと健康を両立する次世代照明の研究開発に取組むとしている。

 色温度とは光の色あいを数値で表現したもので、数値が低いほど赤く、高いほど青白くなる。例えば、白熱電球の光の色温度は2,000ケルビン(K)だが、昼白色の電球形蛍光灯では5,000Kとなる。

 この検証内容は、28日に北海道大学で開催される「第2回日・中・韓照明シンポジウム」にて発表される。

検証内容。顔面照度200 lxの照明空間に1.5時間滞在した際、色温度が低くなるにつれメラトニンが分泌されやすくなることを確認したというこちらは顔面照度100 lxの照明空間に、毎晩1時間、2週間継続して滞在した実験。色温度3000Kと比べ、色温度2300Kの環境の方がメラトニンが分泌されやすくなることを確認したという



(正藤 慶一)

2009年8月27日 17:57