パナソニック、2~3秒で手が乾く“業界最速”のハンドドライヤー

 パナソニック電工は、「業界最速」の2~3秒で手が乾燥できるハンドドライヤー「パワードライ クイック FJ-T13V1-W」を、10月21日に発売する。希望小売価格は214,200円。

ハンドドライヤー「パワードライクイック」使用中のようす
同社の調査によれば、約80%以上の人がハンドドライヤーを使っているが、乾燥時間の長さから使わないという人もいるという
 ハンドドライヤーとは、ビルや工場などの洗面所に設置されている、濡れた手を乾かすための送風機器。同社の調べでは、洗面所利用者の約80%がハンドドライヤーを「必ず使う」「時々使う」と回答しているが、残りの約20%は「あまり使わない」「使わない」と答え、その理由として「乾燥時間が長い」と、乾くスピードの遅さを挙げる声が多かった。利用者数の多い施設では、ハンドドライヤーに行列が発生してしまう例もあったという。

 そこで本製品では、乾燥時間を短縮するよう設計された点が特徴となる。まず空気の噴出し部は、ノズルが左右に毎秒20往復往復運動する“業界初”の「ビートノズル」を採用。これにより、手に付いた水滴を剥がすような風が生み出せるため、効果的に手が乾燥できるようになった。

 さらに本体内では、風を発生するための「ブロアモーター」を2基搭載。より早い風が生み出せるようになった。吹き出し時の風速は従来製品の9%アップとなる1秒当たり125m。同社ではこれを「ツインブロアモーター」としており、業界最速としている。

ノズルが左右に往復する「ビートノズル」と、強力な風を発生する「ツインブロアモーター」を搭載したビートノズルは、水滴を集めて変形し、手から分離させる仕組みになっている

従来機種とビートノズルによる、水滴の飛び散り方の違い

 この「ビートノズル」と「ツインブロアモーター」により、乾燥時間が短縮。同社が行なったモニター実験では、従来機種が4~8秒だったのが、本製品は“業界最速”という2~3秒に短縮。使用時間が短くなったため消費電力も減り、1日当たりの消費電力量は747Whから410Whへと約45%の削減となった。年間のコストで比較すると、従来機種の4,928円と比べて、2,706円と、2,222円の削減につながるという。

モニター調査では、乾燥時間は従来機種の4~8秒から2~3秒へ短縮した従来機種と比べ、年間で2,222円の電気代節約になるという

乾燥スピードが向上したため、人がつっかえることなく、次々にハンドドライヤーを使用できるようになった

 なお、本製品には風を温めるヒーター機能は付いていないが、ツインブロアモーターの余熱によりやや暖かい風が送られるため、冷たさを緩和できるという。

 本体サイズは340×221×693mm(幅×奥行き×高さ)。消費電力は1,230W。運転音は67dB。本体は掃除がしやすいよう、凹凸や継ぎ目、カドが少ないデザインを採用している。販売先は、オフィス/工場/駅/空港/アミューズメント施設/飲食店/学校/サービスエリアなど。

 パナソニック電工 電材マーケティング本部 電材商品営業企画部 執行役員部長 川端一嘉氏は、ロールタオルやペーパータオルなど、洗面所に設置されている他の手拭き用具のコスト面に触れ「ロールペーパーは1年で約36万円、ペーパータオルは約25万円かかるが、パワードライクイックなら1年で回収できる」と、コスト面での優位性も主張。そのうえで、「ハンドドライヤー市場は買い替えの需要が高い伸びる市場。現在はシェアは15%だが、2012年には20%を目指す」と、今後の目標を語った。

洗面所で濡れた手を拭くには、ロールタオルやペーパータオルなどの機器もあるが……ランニングコストで比べると、パワードライクリック1年間の使用で、ロールタオルとペーパータオルを、5年間の使用で温風式ハンドドライヤーをペイできる計算だというハンドドライヤー市場の販売推移と買換需要の予測。2009年以降は買換需要の拡大が予想される
 
パナソニック電工ではこのほかにもハンドドライヤーを展開。使いやすさやコンパクト性など、設置場所に応じた製品を販売していくというパナソニック電工 電材マーケティング本部 電材商品営業企画部 執行役員部長 川端一嘉氏
パワードライ クイックを使用している最中の動画。手にはかなり強い風が当たり、水がどんどん吹き飛んでいく従来機種の使用中の動画。比較すると、手に当たる風は弱く、手の乾きは遅い

記者が濡れた手をパワードライクイックで乾かした際のデータ。運転時間は5.7秒今度は従来機種で乾かしたところ。時間は倍以上かかり、ランニングコストも多い結果となった




(正藤 慶一)

2009年7月21日 15:31