● 水蒸気で味わう電気仕掛けのタバコ「E-CIG」
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火を使わない“電気たばこ”の「NEW MINI CIG」を、ブースの係員に吸ってもらった写真。煙のように見えるのは、実は水蒸気
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中国の企業「E-CIG Technology」のブースでは、電気を使ったタバコ「E-CIG」が並んでいた。
E-CIGとは「Electric Cigarette」の略で、その名の通り電気で動くタバコ。火を使わないため、炎や煙、吸い殻も出ない。しかし、右の写真を見て分かるように、使用中は本物のタバコのように“煙”が発生している
この“煙”の正体は水蒸気だ。E-CIGの中にはニコチンを含んだカートリッジが備えられており、息を吸い込むことで内部のスイッチが入り、液体が蒸発、水蒸気を発生させるという仕組みになっている。“煙”のように見えるのは単なる水蒸気なので、副流煙が煙たいということもないのだ。タバコの一番の問題点は、好んで吸わない人にも煙や炎で迷惑をかけてしまう点にあるが、その点を一気に解決できてしまうのだ。
カートリッジにはチョコレートやストロベリーなど、香りの付いたカートリッジも用意されている。中には“マルボロ系”といったものもある。ニコチンの量用は24/16/11/8から選択でき、中にはまったくニコチンがないタイプも用意されている。なお、タールは含有されていない。
ブースで展示されたのは、E-CIGのラインナップで最もコンパクトな「NEW MINI CIG」。ラインナップでは紙たばこを模したデザインのものもあるようだ。NEW MINI CIGの電源はリチウムイオン充電池を使用する。使用時間は不明だが、充電時間はAC電源またはUSB経由で3~4時間。
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見た目、形ともまさにタバコだ。ただし触感はツルツル
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この穴から水蒸気を吸い込む
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フィルターを「チョコレート」の香りに付け替えたところ。このほかにもストロベリーやコーヒー、メンソールなどがある
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記者は生まれてこのかたタバコを一度も吸ったことのない筋金入りの非喫煙者だが、ものは試し「Can I smoke it?」とブースの人にお願いしてみた。吸ってみると、ムセたり咳き込んだりすることもなく、スッキリとした心地よさを感じることができた。続けてチョコレート味を試したが、ほどよい甘さがあって、これもまた気持ちが良かった。ニコチン入りのものを吸ったため、頭がクラッとする感覚はあったが、嗜好品としての価値は十分あると感じた。
タバコを吸っている人はもちろん、私のようにタバコの煙たさが嫌いな非喫煙者も、一度吸ってみれば、その爽やかな“吸い味”にはびっくりするはずだ。スタンダードタイプの同社直販ショップでの価格は49.95ドル(4,532円)。日本でも販売しているサイトがあるようなので、話のネタに一度購入してみるのも良いだろう。
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充電用のUSBなどが詰められたセット。高級タバコのような雰囲気がある
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「It helps you to quit smoking」と謳われているように、基本的にはタバコを禁煙するためのもの。ニコチンを含んでいるので吸い過ぎには注意
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● 迷子になっても居場所がわかる、子供用の腕時計「Nu・M8」
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子供用の腕時計「Nu・M8」。GPSが埋め込まれている
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イギリスのLok8uという会社のブースでは、子供用の腕時計「Nu・M8」が展示された。
一見すると何の変哲もない腕時計だが、中にはGPSが埋め込まれており、子供が迷子になった場合に、どこにいるかを確認できるというものだ。位置情報はパソコン上で確認でき、Google Mapを利用した同社専用のアプリケーションを使用する。時計が取り外された場合は、携帯電話やパソコンにメールを送信するアラート機能も付いている。
子供を常に監視することの是非はあるかもしれないが、同社によると、1年の間にイギリスでは14万人、アメリカでは80万人の子供が行方不明になっているという。これは子を持つ親にしては尋常ならない数字だろう。かといって、子供を常に家の中に閉じこめておくのは、子供の教育上あまりよろしくないことだ。そこで、このNu・M8を装着することで、両親は安心して子供を送り出せ、子供も自由に遊ぶことができるのだ。ただし、常に居場所は知られているため、あまりヤンチャはできないが……。
GPS時計自体の価格は149.99ドル(約1万4千円)で、毎月の利用料として4.99~19.99ドル(約452~1,813円)がかかる。腕時計の対象年齢は3~12歳。
ブースではまた、GPS内蔵のペット用アクセサリー「ani・m8」が今春に発売されるという告知も見られた。
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Google Mapを利用した地図ツールを使って、子供たちの居場所を知ることができる
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春には、同じくGPSが埋め込まれたペット用のアクセサリー「ani・m8」が登場する予定だ
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● 片手で取れるようにキッチンペーパーをくるりと回す「Towel-Matic」
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ペーパータオルをクルッと回し、1回分を片手で取れるようにしてくれる「Towel-Matic」
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細かい話になるが、調理中にキッチンペーパーを取り出す際に、手が水で濡れていると、芯に巻き付いている未使用の部分にも水が付着してしまうことがある。そんな問題をピンポイントで解決するのが「Towel-Matic」だ。アメリカのiTouchlessというメーカーが販売している。
使い方は、まず本体中央部にキッチンペーパーをセットし、次に本体のセンサー部に手をかざす。すると、ペーパータオルが自動で回転し、1回分のペーパータオルを片手で取りやすいように提供してくれるのだ。あとはタオルを剥がすだけ。この一通りの流れは、ひとまず下の動画を見ていただきたい。
何とも細かい用途の家電だが、このiTouchlessという会社はセンサーを使った技術が特徴の模様。このほかにも、センサーで自動で開閉するゴミ箱「Touchless Trash Can」も展示されていた。
Towel-Maticは発売中で、価格は79.95ドル(約7,254円)。Touchless Trash Canは2月発売予定で、99.95ドル(約9,069円)
● 旅行に便利、コロコロバッグ/ハンドバッグの2WAYで使えるバッグ「Carugetto」
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Siamodのバッグ「Carugetto」
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タイのSiamod社のブースでは、優れたデザインとエンジニアリングを表彰する「イノベーション・アワード」を受賞したバッグ「Carugetto」が展示されていた。
このCarugettoは、伸縮可能なハンドルを手に持ち、キャスターで引きずりながら運べる、いわゆる“コロコロバッグ”である。しかし、もう一つ別の顔を持っており、それはバッグ部分とキャスター・ハンドルが付いた台座部分を取り外すことで、普通のハンドバッグとして使えるのだ。
バッグ部とキャスター部はチャックで繋がっており、スライドさせるだけで簡単に取り外しが可能。バッグには17インチのノートパソコンも入る。また、台座部には雨天時に使用するバッグカバーも備えているというこだわりっぷりだ。
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コロコロバッグとして使用できる一方で……
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台座部分を取り外して、ハンドバッグとしても使用可能
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今回のCESにおいて、優れたデザインとエンジニアリングを表彰する「イノベーション・アワード」を受賞した
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遠方の旅行の際には、飛行機に乗る時は台座を付けたままで、現地の宿泊地に付いた後はハンドバッグとして使う、といった使い分けができそうだ。価格は724.95ドル(約6万5千円)。ラインナップにはこのほか、大型のものや女性用のデザインも用意されている。
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取り外した後の台座部には、雨が降った時用のカバー(写真右)も備えられている
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中には17インチのノートパソコンも入る
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女性向けや大型サイズのものも展開されている
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● 会場のトイレにはダイソンのハンドドライヤーが
厳密にはCESとは関係がないが、CESの展示会場となったSans Expo Convention Centerのトイレには、サイクロン式掃除機でお馴染みのダイソンブランドのハンドドライヤー「airblade」が設置されていた。」
試しに手を入れてみると、「ブオー」という強い音とともに、パワフルな風が発生する。効果は抜群で、水道で洗った後の濡れた手も一気に乾いた。その名の通り“空気の剣”といったところだ。同社のサイクロン掃除機と同様、日本の業界に新風を吹き込む日も近いかもしれない。なお、ダイソン自体はCESには出展していない。
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会場となったSans Expo Convention Centerのトイレにあった、ダイソンのハンドドライヤー「airblade」
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金属製のボディに黄色のラインを入れた、“いかにもダイソン”といったデザインだ
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■URL
E-CIG Technology
http://e-cig.com/
Lok8U
http://www.lok8u.com/
itouchless
http://www.itouchless.com/
Siamod
http://www.siamod.com/
2009 International CES レポートリンク集
http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/event_ces09.htm
( 本誌:正藤 慶一 )
2009/01/11 19:18
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