シャープ、冷暖房の気流を利用するプラズマクラスターイオン発生ユニット

~空調ダクト内に設置。導入第一弾は帝国ホテル

 シャープは、空調システムの気流を利用して、同社のイオン機能「高濃度プラズマクラスターイオン」を放出する業務用のユニット「業務用空調ダクト収納型プラズマクラスターイオン発生ユニット」を発売すると発表。第一弾として、7月上旬より帝国ホテルのレストラン内に導入する。

写真は家庭向けのプラズマクラスターイオン発生器「IG-B20」
 プラズマクラスターイオンはシャープ独自のイオン技術で、空気中の水分子と酸素分子にプラズマ放電を加えることで作り出した、プラスとマイナスのイオンのこと。ウイルスやカビ菌、ニオイ成分などを取り込んで、表面のタンパク質を分解・除去し、無力化する効果がある。同社のイオン発生器や空気清浄機などの家電製品、または自動車や新幹線の空調システムにも展開されている。

 今回発売する「業務用空調ダクト収納型プラズマクラスターイオン発生ユニット」は、既設の空調システムにおける、室内の吹き出し口内部(空調ダクト)に取り付けるユニット。メインユニットとサブユニットの2つから成り、適応床面積や室内ダクトの横幅に応じて、サブユニットを1台から7台まで設定できる。

 また、冷暖房の気流にプラズマクラスターイオンを乗せて室内の隅々に届けるため、送風ファンが不要。約30平方m用のシステムにおける電気代は、1年間24時間付け放しで約270円。

 イオン濃度は、1立方cm当たり7,000個。各タイプの詳細は以下の表の通り。

システムの名称適応床面積
の目安
希望小売価格
(工事費別)
サブユニット
の数
システムの
消費電力
1日24時間 365日使用時の
年間電気代
システム2約15平方mまで57,750円1個0.90W約170円
システム3約20平方mまで78,750円2個1.15W約220円
システム4約30平方mまで99,750円3個1.40W約270円
システム5約40平方mまで120,750円4個1.65W約320円
システム6約50平方mまで141,750円5個1.90W約370円
システム7約60平方mまで162,750円6個2.15W約410円
システム8約70平方mまで183,750円7個2.40W約460円

空調ダクト収納型 プラズマクラスターイオン発生ユニットシステムの概要図。メインユニット1台と、適応床面積に応じたサ複数台のサブユニットで構成される
吹き出し口への設置例

 この空調ダクト用イオン発生ユニットは、第一弾として、東京・千代田区にある「帝国ホテル」に導入される。7月上旬からは、本館17階のレストラン「インペリアルバイキング サール」で、また11月には7階の客室で稼働する。同社では、今後はこのユニットを「ビル空調の新必需品」として、ホテルや病院といった大規模施設に広く提案していくとしている。



(正藤 慶一)

2009年6月16日 17:16