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中国の家電メーカー“美的”が東京で炊飯器の発表会を開催

最初の炊飯器は日本で発売

 中国の家電メーカー、美的(ミデア)は、同社の高級炊飯器の発表会を13日、東京都内で開催した。IH加熱や高温スチーム蒸らしなどを搭載したハイエンドモデル「美的IH式炊飯器 MB-FZ4086」で、4月14日から、中国の大手インターネットショッピングサイト、アリババなどで発売を開始。価格は2,999人民元(日本円で約58,000円、1人民元19.37円で計算)。※初出時価格を2,599人民元としておりましたが、ニュースリリースの記載ミスだったため、訂正いたします。

美的IH式炊飯器 MB-FZ4086
操作部。フラットなデザイン
チタン層を含む8層をコーティングした内釜
美的の販売責任者が製品のプレゼンテーションを行なった

 IHによる大火力加熱や熱対流、チタンを含む厚さ3.5mmの内釜などを備えた高機能炊飯器。同社の販売責任者は冒頭、日本で説明会を開催した理由として、「ここ日本で新製品発表会を開催できるというのは、喜び。弊社では、1994年に最初の炊飯器を作ったが、そのとき最初に注文をもらったのは日本で、美的初めての炊飯器はここ日本で販売された。我が社にとって、日本は夢が始まった場所」と話した。

 美的(ミデア)は、中国・広東省仏山市に本社を構える大手総合家電メーカーで、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、炊飯器のほか、家庭用エアコン、業務用エアコンなどの空調機器も扱う。1968年創業で、現在は中国国内だけでなく、世界6カ所に製造拠点を構え、2014年の年間総合売上は1,423億元(約2兆7千億円)を達成、グループ全体で約12万6千人の従業員を抱える。

日本の製品に負けない順応性

 今回の炊飯器開発にあたっては、様々なデータを分析し、最適な技術を搭載。同社によると、おいしいごはんというのは、米の水分含有量62%が最適で、この状態の米は澱粉がα化し、消化もしやすいという。新モデルでは、チタン層を含む8層をコーティングした内釜や、双方向の対流を起こす攪拌IH加熱などの技術を搭載。

様々なリサーチによって、米の水分含有率は62%がベストだという
内釜の表面は加熱面積をアップさせるため、ハニカム加工を施す
双方向の対流により、お米を動かす
一般的なIH炊飯器に比べてふっくらとしたごはんが炊きあがる
内釜には持ち手が付いている
底は丸く、厚さは3.5mm
内フタ部分
炊飯と同時調理可能な蒸し容器が付属する

 「米は中国で非常に多く食べられている。これまではおなかを満たすものだったが、これからはおいしく食べることが重要になる。新製品は、中国の炊飯器をリードする製品になる」(美的・販売責任者)と自信を語る。

美的グループの生活電器事業部代表取締役社長 李国林(Li Guolin)氏

 一方、中国の春節の時期には、多くの中国人が来日し、日本製の炊飯器を購入するという現象が話題になった。美的グループの生活電器事業部代表取締役社長 李国林(Li Guolin)氏はこれについて、「今後はもしかすると、中国に来た日本人が美的の炊飯器を買ってかえるようになるかもしれない(笑)。日本の炊飯器に負けない強みとして、我々は中国の市場を徹底的にリサーチした。中国は広く、人口も多い。場所によって地域性や天候、文化なども異なる。我々の製品は適応性に優れており、多くの人に満足していただけるだろう」と話した。

阿部 夏子