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文字が書けるLEDシェードや大豆のクレヨンなど、先進的な素材やデザインの雑貨展「EXTRA PREVIEW」

 先進的なデザインの家具や雑貨などが一同に会する展示会「EXTRA PREVIEW」が、2月4日からの3日間で開催されている。約100社のブースで、さまざまなアイテムが並べられる中から、新しい素材や発想で生まれたアイテムをピックアップした。

フェルト地から透ける光が優しい空間を作り出す

スワン電器のCraf 2 light(上部)とCraf 2(下部)。光源には電球色のLEDを採用

 雑貨をはじめ家具やアパレルまで、多様なデザインアイテムが見られた今回の展示会。少し薄暗いエリアを柔らかい光で、優しい空間を作り出していたのが、スワン電器が提案するLED照明「Craf(クラフ)」シリーズだ。

 LEDライト「Craf 2 light」とデスクライト「Craf 2」は、いずれも光を透過するフェルト地のシェードを採用したもの。価格は順に、11,000円、5,800円(税抜)。

 光の印象が柔らかいのは、シェード全体からLED光源の光がフワっと透けるためである。Craf 2は、3段階の調光が行なえ、読書や思考にふけるなどシーンによって光量が変えられる。

 同じくCrafシリーズの「Grafity light(グラフィティ ライト)」は、天然木に黒板と同じ塗装を施した帽子のようなシェードを採用。シェード部にチョークを使って、絵や言葉を書き込んでオリジナルのシェードをデザインしたり、家族とのコミュニケーションツールとしても使えるのだ。価格は19,000円(税抜)。

シェードは光を透過するポリプロピレン製の型をフェルト地で覆ったもの。シェードの下方向からだけでなく、ライト全体から優しい光が溢れる
Grafity light。ブラック/グリーン/レッド/イエローの4色をラインナップ

身に付けられるBluetoothスピーカー

 日本が大好きだというイギリス人によって作られているのが「KAKKOII(カッコイイ)」シリーズのBluetoothスピーカー。この小さいスピーカー「loop'd(ループディー)」は伸縮するストラップを備え、手首をはじめバッグや自転車のハンドルバー、木の枝などに巻きつけられるのが特長だ。

 正確な重量は不明だが、手首やベルトに巻いておいても気になる重さではなく、内蔵バッテリーで最大4時間も音楽が楽しめるので、室内で掃除しながら音楽を聞きたい時などにも好適。価格は各7,800円(税抜)。

コンパクトながら60dB/4Ωの性能を備え、室内ではもちろん外で音楽を楽しむのにも十分。4色展開
480×530mm(直径×高さ)と、ころんと手のひらに載るサイズ。プレーヤーとはBluetoothもしくは3.5mmのステレオミニジャックでつなげられる

電源不要でiPhoneの音量を3倍に増幅!

 かつてラジカセを肩に担いで歩くスタイルが流行ったことがあったという。今では、そんなスタイルを再現するのに大げさなボディも、電源も必要ない。

 ずばり「BOOM! BOX」という商品名のiPhoneケースは、iPhoneに装着するだけで、3倍の音量でサウンドを響かせてくれる。ケースの内側に、iPhoneのスピーカーから音を増幅させる溝が施されている。一般的なスピーカーでも使われる仕組みをとり入れたことで、電源不要で深みのある豊かなサウンドを生み出すのだ。

 さらにケースはスタンドとしても機能し、音楽をはじめ映画などを楽しむ際にも活躍してくれる。

iPhoneのスピーカー部から導かれる溝によって3倍の音量を発生
ケースの蓋は、折り返すことでスタンドになる。4.7インチのiPhone 5向けで、価格は3,980円(税抜)

天然素材の石ころ形クレヨンが想像力を育てる

 大人用だけではなく、子ども用のアイテムでも新しい提案がされていた。Crayon Rocks(クレヨンロック)は、大豆や蜜ろうなど天然素材を使ったクレヨン。石ころのような形にすることで、握力の弱い子どもでも持ちやすく、描きやすくなっている。

 クレヨンとしてだけではなく、単に色を楽しんだり並べたりすることで、子どもの想像力を刺激することができるという。天然素材だから、間違って舐めたり、口につけたりしても安心。一般的なクレヨンよりも、持ってもベタつかず、色が手に付きにくいのもうれしい。

 クレヨンロックを外でも使いやすくする、木製のお絵かき画板「MUSEO(ムセーオ)」も用意されている。シナやメープルなどの木の素材を使った画板は、持ち歩いてお絵描きするのに便利なだけでなく、描いた絵を壁に飾る額縁としての機能も備えている。子どもが描いた絵を、毎日部屋に飾っておくのにも最適なのだ。

パステル調の色合いが美しく、独特の形状は、子どもだけではなく大人が使っても新しい発想が浮かびそうだ
画板のサイズは350×333×26mm(幅×奥行き×高さ)で、子どもでも持ち歩きやすい。クレヨンロックが収納できるほか、A4用紙をセットできる

折り紙がそのままアクセサリーに!

人差し指の先に載せられるほどの小ささ。見た目には柔らかいが、一般的な使い方であれば折れないほどに硬い

 会場には古い雑誌や地図をアクリルではさみ込んだiPhoneケースや、キーホルダーなどが多く展示されていた。

 だが、同じようにアクリルを使いつつ、折り紙をそのままの形で固めたのが、Lagimusim(ラギムシム)の「ORIGAMI」シリーズだ。

 鶴のほか、風船や飛行機など、実際に手で折った折り紙を、そのままピアスやイヤリングにしたものだ。折り紙本来の色に艶が加わり、光が当たることでより鮮やかさを増している。こうしたアクリルコーティングの技術を使えば、さまざまな“柔らかい”素材を固めたアイテムが増えていきそうだ。

古い雑誌やチラシを使ったバッグ類

 前述したようにアクリルを使ったアイテムが多いなか、目立つ存在だったのが古い雑誌やチラシをプラスチックで特殊コーティングした、@griffeのボストンバッグ。実際の雑誌や新聞などを使っているので、まったく同じ柄の製品は存在しない。

 また、プラスチックというとガチガチしそうなイメージだが、こちらのバッグは手触りが柔らかい。使い初めてから数年経ったものを見せてもらうと、使い込むほどに色や手触りのエイジングが楽しめることがわかった。よりシックリと手に馴染み、やさしい色味に変化していくのだ。

1950~70年代の、海外のファッション雑誌や新聞、アメコミや地図などを特殊コーティングした生地を使っている
ラインナップにはバッグ類のほか、手帳や財布、キーホルダーなどがある。新聞や雑誌、チラシなどの柄によって、印象が違って見える

 今回の展示会は、雑貨やアパレルアイテムが多くを占めていた。こうしたジャンルの製品では、新しい素材や技術が積極的に採用されたものが、次々と商品化されていることに驚いた。

 素材や技術の進化により、生活を豊かにしてくれる商品が今後も続々と生み出されることが期待できそうだ。

河原塚 英信