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今年夏も「数値目標なしの節電」に決定。ただし、西日本を中心に厳しい状況

 政府は16日、「電力受給に関する検討会合」を開催し、今年夏の電力需給対策を正式決定した。

 今年の夏は、全国的に原子力発電所が稼働しないため、原発比率の高い関西電力および九州電力では厳しい状況が予想されている。関西電力、九州電力とも、60Hz圏内の電力融通のみでは安定供給に必要な予備率3%を確保できない見込みで、周波数変換装置(FC)を経由して東京電力から融通を受けることで、かろうじて3%を確保できる。

各電力会社ごとの需給状況。関西電力と九州電力が逼迫する見込み

 沖縄電力を除く、9電力会社では7月1日から9月30日までの平日について、9時から20時までを節電強力要請期間とする。各電力会社ごとの節電の数値目標は設定されないが、すでに定着している節電の効果として3.6%から11.7%を見込んでおり、これが節電の目安となる。

節電の数値目標は設定されないが、定着した分としてある程度の節電が見込まれている

 リリースでは、「2013年度夏季より大幅に厳しい需給状況を想定した特段の電力需給対策が必要」としており、60Hz圏内の中部および西日本では大規模な節電・省エネキャンペーンが行なわれるほか、予備力の積み増しや火力発電所の総点検が要請されている。

政府による節電対策。60Hz圏内が焦点となる

伊達 浩二