ニュース

ノイズキャンセルで最大75%の静音化を実現した「Dyson Cool ファン」

左から「AM07 タワーファン」、「AM06 テーブルファン」

 ダイソンは、ノイズキャンセル機構搭載により、最大75%の静音化を実現した「Dyson Cool ファン」を4月30日より発売する。「AM06 テーブルファン」と、「AM07 タワーファン」の2機種が用意される。本体価格はオープンプライス。店頭予想価格は40,800円(税抜)。

 ダイソンの特許技術である「Air MultiPlierテクノロジー」を採用し、羽根のない形と、ムラのないスムーズな風を実現する扇風機。台座部分にあるミックスフローインペラーを通して吸い込まれた空気が、リングの開口部から放出される。これが翼型の傾斜の上を流れることで、周囲の空気を巻き込み、最初に吸い込んだ空気の6倍の風量を生み出す。

 新モデルでは、従来より要望が多かったという、運転音を解消するため、高品質のスピーカーや、車の排気口など採用されているノイズキャンセラー技術を採用した点が特徴。

 ノイズキャンセラー技術とは、音の共鳴を利用し、空洞を設けることで、音を打ち消すというもの。ダイソンでは、ヘルムホルツ式空洞と呼ばれる、空洞をモーター下部に設けた。音波が空洞に入ると、音が穴の中でバウンスし、ノイズが中和される。これにより、モーターで発生した音の多くは、本体内で吸収することができるという。

AM06 テーブルファン(右)とカットモデル(左)
モーター部
土台部分
円形部分には、dyson coolというロゴが入る
高品質のスピーカーや、車の排気口など採用されているノイズキャンセラー技術を採用。土台部分にヘルムホルツ式空洞を設ける
空洞を設けることで、音波が空洞に入り、本体内で音を吸収できるというもの

 会場では、この原理をわかりやすく説明するために、ユニークな化学実験で知られる米村でんじろう先生の一番弟子で、サイエンスエンターテイナーのチャーリー西村氏が登場。スピーカーを付けたガラスの筒に、ビーカーをくっつけることで、音が低減される実験を行なった。

米村でんじろう先生の一番弟子で、サイエンスエンターテイナーのチャーリー西村氏
音の原理をわかりやすく説明。音は波状で表されるもので、スピーカーを2つ付けると、当然波が2倍になり、音が大きくなる
しかし、波の形状を変えることで、音を打ち消すことができるという
ヘルムホルツ式空洞の原理をわかりやすく説明。スピーカーを付けたガラスの筒の途中にビーカーを付けると、音が小さくなった
Dyson Coolでは、モーターの下に空洞を設ける
ダイソンのエンジニア マーティン・ ピーク氏

 ダイソンのエンジニア マーティン・ ピーク氏によるとエアマルチプライアーの運転音は、モーターから出る特定の周波音と、風の乱気流によるものだという。

 乱気流に関しては、円形パーツの下にスペースを設け、空気の流れを2つの経路に分けて制御するディフューザーを新たに設計したことで、より効率的かつスムーズに空気を送り込むことができるようになった。これにより、乱気流と運転音を軽減させているという。

 さらに、モーターの振動音については「モーターケースの振動を封じ込めるようなケースに入れることで、振動音を抑えている」という。

 これらの機構により、運転音は最大75%静音化したほか、省エネ性能も向上した。従来機種に比べ、最大約40%省エネになり、AM06テーブルファンの最小消費電力は3Wとなった。

 使い勝手も向上した。風量は10段階で設定でき、最大9時間のタイマー設定も可能となった。これらの操作は付属のリモコンで行なう。

空気の流れをスムーズにすることで、乱気流や運転音、使用エネルギーを低減させる
付属のリモコン。風量は10段階で設定でき、最大9時間のタイマー設定が可能
会場では、風船を使ったデモンストレーションも行なわれていた

 AM06テーブルファンの本体サイズは356×147×552mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は1.83kg。消費電力は3~21W。本体カラーは「ブラック/ニッケル」と、「ホワイト/シルバー」。

 AM07タワーファンの本体サイズは230×230×1,007mm(同)で、重量は2.85kg。消費電力は4~52W。本体カラーは「ブラック/ニッケル」と「アイアン/サテンブルー」。

阿部 夏子