東北電力、東日本大震災で被災した原町火力2号機が試運転開始
~来年夏前の予定を大幅に繰り上げ
原町火力の被災状況と復旧状況 |
東北電力は5日9時に、福島県南相馬市の原町火力発電所2号機(100万kW)が試運転による発電を再開したと発表した。
原町火力発電所は、東日本大震災で大きな被害を受け、東北電力の火力発電所としては再稼働できていない最後の火力発電所となっている。
原町火力2号機は、当初、2013年夏前の運転再開を目標としていた。しかし、復旧工事における昼夜二交替での作業の実施や、据付方法の効率化など、工期短縮に最大限努め、予定を大幅に繰り上げての再開となった。特に機器の納期短縮では、納入に時間を要する海外調達品を国内品に代替したほか、設備をブロック単位に分けて複数の工場で組み立て、輸送方法を船から航空機に変更するなどの施策を行なったという。今後、各種試験を行ない、2013年3月末に営業運転再開を目指す。
また、同様に被災した1号機(100万kW)についても早期の発電再開を目指して、引き続き最大限の努力を尽くすとしている。
なお、原町火力発電所の試運転開始に伴い、東京電力との間で行われていた融通可能量を拡大する施策についても、震災前の連系に戻す予定となっている。これは2011年8月29日から行われていたもので、両社の管内を相馬双葉幹線(500kV、2回線)といわき幹線(275kV、2回線)の4回線で連系している。これを、震災前と同じ相馬双葉幹線2回線による連系に戻す。
(伊達 浩二)
2012年11月5日 15:19
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