乾燥機や除湿機による事故が4年で261件、NITEが注意喚起

~オイルがついた衣類やタオルを乾燥機に入れるのはダメ

 NITE(独立行政法製品評価技術基盤機構)は、乾燥機および除湿機の事故が多く発生しているとして、製品を正しく使うように注意喚起を行なった。

 NITEによると、平成18年度から22年度の4年間で、乾燥機および除湿機の事故が261件発生している。そのうち製品に起因する事故が94件(36%)で最も多かったものの、誤使用や不注意な使い方が原因と考えられる事故は63件(24.1%)、原因不明のものは52件(19.9%)で、製品に起因しない事故も多く発生しているという。

 製品種類別にみると、電気洗濯乾燥機が65件で最も多く、電気衣類乾燥機48件、ガス衣類乾燥機48件、布団乾燥機38件、除湿機62件と、乾燥機による事故が多く発生している。

年度別・製品別の事故件数。この4年間で除湿機・乾燥機による事故が261件発生している誤使用や不注意による事故は63件で、未然に防げる事故も多かったという

衣類乾燥機を使う際は、衣服に油類が付着していないかを必ず確認

 乾燥機による事故119件のうち、製品に起因しない事故101件の発生状況を分析した結果、衣類などに残留していたオイルなどが酸化熱により自然発火したケース(38件)が最も多く、特にガス衣類乾燥機で多く発生している。次いで多かったのが電源コードの引っ張りや角の屈曲などで、芯線が判断線してショートしたケース(10件)で、布団乾燥機での事故が目立った。また、ガス衣類乾燥機で点火操作の繰り返したため、未燃焼ガスが滞留し、異常着火したケースも4件発生している。

 NITEでは、美容用のアロマオイルや食用油などが付着した衣類は、酸化熱(油が酸化して熱を発生すること。酸化熱が蓄積して温度が上昇することで、自然発火する場合もある)で発火する恐れがあるとして、洗濯した後でも乾燥機を使用しないことを呼びかけている。特に、エステティックサロンでアロマオイルなどが付着したタオルを乾燥させて、出火する事故が相次いでいるという。

NITEによる再現実験の様子。油を含ませたタオルを乾燥機にかけたところ、酸化熱でタオルが焦げてきた。その後発火し、燃え広がった

 また、電源コードを抜く際はコード部分を持つのではなく、プラグの根元部分から引き抜くこと、ガス衣類乾燥機を使う際に、点火エラーが生じた際には点火操作を繰り返し行わないことを求めている。

電源コードの引っ張りすぎやねじ曲がりにも注意

 一方、除湿機の事故62件のうち、製品に起因しない事故は27件あった。原因は、電源コードの引っ張りや過度の屈曲などで芯線が半断線してショート(5件)が最も多く、次いでホコリなどの異物がヒーターの熱で加熱され、発煙発火(3件)、電源コードのねじり接続で接触不良によりショート(2件)と、電源コードの取り扱いに起因して発生した事故が多かった。

 これらの事故を防ぐために、電源コードを抜く際はコードではなくプラグ部を持つこと、電源コード断線の際は自分で修理せずに専門店に相談すること、フィルターの装着などを呼びかけている。

 NITEによると、乾燥機および除湿機の事故は梅雨時の6月から増加する傾向にあるという。いずれの製品を使う場合も、製品の取り扱い説明書をよく読み、製品を正しく使うことを推奨するほか、使用している製品が社告・リコールの対象製品になっていないか確認することも求めている。






(阿部 夏子)

2012年5月25日 14:02