日立、給湯・保温効率を高めたエコキュート「ナイアガラ出湯」
タンク容量370Lのフルオート「ナイアガラ出湯 BHP-F37JD」 |
日立アプライアンスは、給湯・保温効率を高めたエコキュート「ナイアガラ出湯」シリーズ20機種を10月22日より順次発売する。希望小売価格は861,000円~1,050,000円。
ナイアガラ出湯シリーズは、同社のエコキュートの上位機種で、浴室と台所の2カ所で同時にお湯を使っても、勢いのあるシャワーが使える水道直圧給湯方式を採用した点が特徴。タンク外の「高性能プレート熱交換器」で瞬時に水道水を設定温度に沸き上げるため、給水圧力を減圧せずに給湯できるという。
新製品では、省エネ性を高めるため、高効率スクロール圧縮機を搭載し、送風機システムを改善した新型ヒートポンプユニットを新たに採用した点が特徴。これによりBHP-F37JDでは、年間給湯保温効率(JIS)3.1を実現した。前年モデルより約3%向上している。
ヒートポンプユニットの外観には腐食に強いプレコート鋼板を新たに採用。また、空気用熱交換器のアルミフィンに耐食・親水性表面処理を施し、塩害地域でも設置できるようにした。
新型ヒートポンプユニットの外観 | 高効率スクロール圧縮機を搭載 | 新型ヒートポンプユニットでは送風機システムを改善した |
省エネ面ではほかに、センサーによる湯温検知や学習機能で、各家庭の浴槽の温度低下を学習し、効率的に制御する「インテリジェント制御」を採用している。新製品ではさらに、リモコンの使い勝手を向上。リモコン画面は51,000画素の高精細ホワイトバックライト液晶で、文字のコントラストを設定できる。使用湯量はL(リットル)で表示し、お湯の節約や節電をサポートする。
また、沸き上げる湯量は、過去1年間の使用湯量の平均値を学習して自動的に調節する。設定は、低温の「おまかせ節約」と高温の「おまかせ多め」の2段階が用意される。これまでは低温/高温に加え、タンク内の湯を高温に沸き上げる「たっぷり」の3段階が用意されていたが、より選びやすい2段階に集約したという。
インテリジェント制御のうち、保温時に省エネ運転する「[eco]省エネ保温」機能では、湯温の検知回数を抑えることで、約15分ごとに追い炊きを繰り返す自動保温よりも最大35%省エネする。
台所と風呂場用のリモコン | 使用湯量はL(リットル)で表示 | 文字のコントラストを設定できる |
衛生面では、追いだき時に湯が循環する「ふろ追いだき配管」を清潔に保つ「ステンレス・クリーン システム」を搭載している。汚れが付着しやすい配管部にはステンレス素材を採用し、浴槽の湯を排水する度に配管内を水道水で自動洗浄する。
今回は標準タイプのほか、井戸水に対応したタイプ、設置しやすい薄型タンクタイプも用意される。
井戸水タイプでは、井戸水のほか硬度の高い水道水にも対応する。同タイプでは、シャワーや蛇口への給湯だけでなく、ふろの湯はりにも水道直圧給湯方式を採用しているため、タンクの湯を熱源としてのみ使う。これにより、タンクの湯の入れ替え量を大幅に減らし、配管を詰まらせるカルシウムの流入を抑える。
また井戸水タイプに対応する水質基準では、遊離炭酸の基準を従来の30mg/Lから60mg/Lに緩和することで、より幅広い水質に対応するようになったという。
製品名 | タンクタイプ | タンク容量 | 希望小売価格 | 発売日 |
BHP-F46JD | 標準タンク | 460L | 945,000円 | 10月22日 |
BHP-F37JD | 370L | 861,000円 | ||
BHP-FW46JD | 標準タンク | 460L | 1,050,000円 | 11月16日 |
BHP-FW37JD | 370L | 966,000円 | ||
BHP-FS46JD | 薄型タンク | 460L | 1,039,500円 | |
BHP-FS37JD | 370L | 918,750円 |
このほか水道水をタンクに貯め、沸き上げた後に給湯する「減圧弁方式」の8機種も順次発売する。
製品名 | タンクタイプ | タンク容量 | 希望小売価格 | 発売日 |
BHP-F46JU | 標準タンク | 460L | 861,000円 | 10月22日 |
BHP-F37JU | 370L | 777,000円 |
同社によると、家庭用エコキュートは着々と普及が進んでおり、2011年8月に累計出荷台数が300万台を突破し、2011年度には普及率が6%を超えると予想されている。背景には、エコキュートの優れた省エネ性能に加え、主に深夜電力を使って沸かした湯を使うためピーク時の電力使用を抑えられる点や、タンクにためた湯を、万一の断水時や災害時などに生活用水として活用できる点などが注目されているとしている。
(小林 樹)
2011年10月5日 16:51