ダイキン、新・電気集塵でフィルターが10年持つ加湿空気清浄機の技術説明会
9月23日から発売する新しい加湿空気清浄機「うるおい光クリエール MCK70M」(写真左)。右は前年モデル |
ダイキン工業は、内部構造の改良で高い集塵能力とフィルターの長持ち性能を高めた加湿空気清浄機「うるおい光クリエール MCK70M」について、9月23日の発売を前に製品説明会を開催した。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は52,000円前後。
■新・電気集塵方式で、フィルターのみの空気清浄機より約1.4倍の集塵効果
従来モデル(右)と比べ、内部構造を大きく変更。従来は2年毎に交換するフィルターを5枚搭載していたが、1枚で10年持つものへ変更。また電気集塵部(青い部分)を本体中央からサイドへ移動した |
MCK70Mは同社の加湿空気清浄機の最新モデルで、空気清浄機の基本性能である「高い集塵能力の持続」にこだわり、内部構造を改良した点が特徴となる。
大きく変更されたのは、「電気集塵部」とフィルター。同社の空気清浄機では、吸引したホコリや花粉を帯電させてフィルターに吸着しやすくする「電気集塵方式」を採用しているが、新製品では帯電に使用する電気集塵部を、フィルターの左右に分割、従来機比で約45%コンパクト化した。
またフィルターは、従来の2年毎に交換するプリーツフィルターから、従来比約8倍の表面積を持つ「新高性能フィルター」を採用した。この新高性能フィルターはHEPAフィルターではなく、電気集塵方式に適した特殊な素材を採用しているという。
これらにより、フィルターの集塵力が強化され、性能が長期間維持される。空気清浄時の適用床面積は、従来モデルの28畳から30畳となった。また、10年間使用した場合の集塵能力は、フィルターのみの場合は約50%維持されるのに対し、電気集塵方式では約70%維持され、約1.4倍の高い集塵効果を発揮するという。
新製品に搭載される電気集塵部。ホコリが溜まったら水に付けておくことで掃除できる | 従来比約8倍の表面積を持つ「新高性能フィルター」。HEPAフィルターではなく、電気集塵方式に適した特殊な素材を採用している | 従来モデル(右)との内部構造の比較。従来の電気集塵部は、フィルターのさらに奥に設置されていた |
電気集塵方式を採用することで、フィルターの繊維に汚れが集まり、目づまりしにくいという | 電気集塵方式ではない、フィルターのみの空気清浄機の場合、フィルター繊維の間に汚れがはまり込み、目づまりが起きやすいという |
■節電にこだわる人向けのモードも強化
節電性能についても進化した。まず消費電力では、モーターの高効率化と通風経路の空気抵抗を抑えることで、最大消費電力は従来の83Wから約12%減となる73Wとなった。
また運転モードでは、自動で節電運転を行なう「eco節電モード」も搭載した。通常の自動運転では、ニオイやホコリの状態によって「しずか/弱/中/強」の4段階で切り替えるが、eco節電モードでは「しずか/弱」の2段階のみで運転する。これにより、自動運転と比べた空気清浄1時間当たりの電気代は約28%減、加湿運転時でも約22.5%の減少になるという。
このほか、1/2/4時間のオフタイマー、4/6/8時間のオンタイマーも備える。
ダイキン工業 空調生産本部 商品開発グループ 小田泰弘氏 |
ダイキン工業 空調生産本部 商品開発グループの小田泰弘氏は、eco節電モードについて「(ニオイやホコリを除去する)スピードは落ちるが、最終的には空気清浄はできる」と効果を保証。オン/オフタイマー機能については、「空気清浄機は24時間連続して運転するのが理想だが、節電が気になるという方に貢献できる機能」としている。
また、冬場の節電に関しては、加湿をすることによる体感温度の上昇効果、室内の空気を撹拌することによるサーキュレーション効果、換気の頻度を減らして室内の温度低下を防ぐ効果があるとしている。
■給水タンクは本体側面に。自立も可能
使い勝手の面では、従来は前面パネルを開けて取り外していた給水タンクを、本体サイド部に移動。パネルを開けずに取り出せる。また、タンクは直立し、シンクの高さにちょうど良い高さ30cmに合わせているという。本体前面パネルには、空気の汚れ具合や湿度を表示するモニターも、新たに搭載している。
このほか、同社独自の除菌・脱臭技術「光速ストリーマ」機能も、従来モデルに引き続き採用する。光速ストリーマでは、加湿時に使用する水を除菌する効果もある。
本体カラーはホワイト系のほか、「フローリングとの相性がよく、思っていたより比率が高い」(小田氏)というブラウン系が用意される。
水タンクは本体側面に設置された | 写真のように、斜めに直立する。シンクの高さにちょうど良いという | 前年モデルの水タンク。パネル内部に設置されていたため、パネルを一度取り外す必要があった |
パネル正面には、空気の汚れ具合や湿度を表示するモニターが設置された | ダイキンの除菌・脱臭技術「光速ストリーマ」も搭載。ストリーマユニットは本体正面に設置された | 加湿ユニットは取り外せる |
加湿空気清浄機の下位モデルとして、丸みを帯びたデザインの「MCK55M」なども発売される |
加湿空気清浄機の下位機種として、空気清浄運転の適用床面積が25畳までの「MCK55M」、19畳までの「MCK40M」も、同時に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は順に42,000円前後、37,000円前後。いずれも、丸みを帯びたデザインを採用しており、電気集塵機能は搭載されていない。
同社では2011年度の空気清浄機市場について、対前年並みの240~260万台の出荷を予測している。このうち約90%が加湿空気清浄機になるという。
(正藤 慶一)
2011年9月22日 15:18