ソニー、AC100Vコンセント6口を装備したリチウムイオン蓄電池

~バッテリー容量95%まで2時間の急速充電
ESSP-2000

 ソニーは、業務用のリチウムイオン蓄電池「ESSP-2000」を9月に発売する。価格はオープンプライスで、市場推定価格は200万円。

 ソニーエナジーデバイスが開発した蓄電モジュール「IJ1001M」を2台使用し、コントローラーなどを一体化したシステムとなっている。IJ1001Mは、ソニー製のオリビン型リン酸鉄リチウムイオン蓄電池を使用している。

 電池の容量は最大2.4kWh。消費電力100WのデスクトップPC1台なら24時間、10台なら2.4時間動作させることができる。

 充電はAC100Vで行なう。消費電力は最大1,500Wで、充電時間は約2時間(95%充電、無負荷時)。接続している機器の負荷が大きく、充電時間がかかる場合は、もう1本AC100Vを接続することで充電時間を短縮できる。

 出力は1,000VAで、AC100Vコンセントが6口用意される。電源出力の波形は正弦波。出力周波数は設置時に設定できるが、通常は入力と同じ周波数に設定される。

監視パネル。モード切替やタイマー設定など、指定できる範囲が広い本体背面に2つのAC入力と6つのAC出力がある2つめのAC入力用のケーブル。入力を2系統にすると負荷のある状態でも充電時間が長くならない
AC入力を切った状態でも、左のテレビとパソコンはそのまま動作していたAC入力が切れた状態では、監視パネルに消費電力とバッテリの残り時間が表示される移動用キャスターと固定用の足が両方装備されている

 本体サイズは490×750×610mm、重量は約90kg。本体下にはキャスターが装備されており、フロア内程度は移動できる。

 販売は、企業向けのBtoB販売を行なう、ソニービジネスソリューション株式会社が担当する。発売は9月で、出荷も9月上旬を目指している。今年度内に300セットの販売を見込んでいる。

 以下、プレゼンテーションの流れに沿って、写真を中心に解説する。

東日本大震災以来、企業の意識は大きく変わった企業/法人向けなので、サポートも重視している10年以上使える長寿命と、鉛蓄電池の5~10倍の急速充電が特徴
企業/法人向けに、製品とソリューションの2つの形で蓄電システムを提供する保守サービスは最長8年まで用意される。なお、減価償却の法定耐用年数は6年ESSP-2000の主な仕様。動作温度/湿度はオフィス環境を想定している
UPS、ピークシフト、バックアップの3つのモードが用意される。UPSモードは常時インバーター給電、バックアップモードは切替に20msecかかるコンセントと電気を使用する機器の間に設置する一般的なオフィス以外に、医療、教育などの分野でも需要があるとされている。ソニーが得意とする放送局、映像製作などでも需要がありそうだ





(伊達 浩二)

2011年8月8日 17:15