象印、岩手県の伝統工芸品「南部鉄器」を内釜に採用した13万円の炊飯器

~かまどで炊いたような“おこげごはん”が作れる
極め炊き NP-SS10

 象印マホービンは、内釜に岩手県の伝統工芸品「南部鉄器」を採用した高級炊飯器「極め炊き NP-SS10」を、9月下旬に発売する。希望小売価格は136,500円。

 同社の最高級モデルに当たる、5.5合炊きのIH式炊飯器。内釜には前年モデル同様、釜の側面から高火力で包みこんで炊飯するために、かまどのような「羽釜」形状を採用している。


内釜は羽釜形状。素材は南部鉄器を採用する

 新製品では、内釜の羽釜形状に加えて、素材に岩手県の伝統工芸品「南部鉄器」を採用した点が最大の特徴となる。南部鉄器は発熱効率や蓄熱性が高いため、羽釜の高火力が釜内部に溜まり、羽の下の部分から集中加熱することで、かまど炊きのような激しい熱対流が発生するという。

 これにより、炊飯で最も火力が必要な沸騰工程時に、大火力で素早く熱を伝えることができるため、理想的な食感が生み出せるという。

 炊飯モードとしては、香り高いおこげを炊くための「かまど極め」メニューを搭載。大火力で炊飯できる南部鉄器の特徴を活かし、炊き上げ時も高温を維持する昔ながらの炊飯方法を再現することで、釜の底はパリっと、中はふっくらと香る、かまどで炊いたようなおこげごはんが味わえるという。

 おこげを楽しむモードとしては、「湯の子」メニューも追加された。湯の子とは、釜底についたおこげをおかゆにしたもの。本製品では、かまど極めメニューで炊いたおこげを内釜に残し、水を入れた状態で「湯の子」メニューで炊くことで、昔ながらの湯の子が再現できるという。同社によれば、湯の子に塩やだし汁を少し加えることで、よりおいしく食べられるという。

「湯の子」メニューの調理例

 このほかのモードでは、通常よりも蒸気を約80%抑える「蒸気セーブ」メニュー、消費電力を抑えて炊飯する「エコ炊飯」メニューも搭載された。また、従来の圧力炊飯機種では炊けなかった雑穀米を炊くための「雑穀米」メニューも追加された。同メニューで炊く場合は、内蓋に雑穀フィルターというパーツを使用する。

 本体サイズは、290×420×225mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は8kg。炊飯時の消費電力は1,330W。本体カラーはプライムブラック。

 象印によると、本製品に採用された内釜は、岩手県奥州市水沢区の協力工場に生産を委託しており、本製品を販売することで、東日本大震災の被災地の復興支援を推進するという。

南部鉄器の羽釜ができるまで。写真は型からとりだした内釜の原型次に、内面を研磨するそして、外側の羽釜形状を削り出す。この後、約800℃の高温で焼いて完成する
下位モデル「NP-SB10」も同時に発売する。写真はプライムゴールド

 下位モデルとして、同じく5.5合炊きの「極め羽釜 NP-SB10」も、同時に発売する。希望小売価格は115,500円。内釜は南部鉄器製ではなく、「かまど極め」「湯の子」メニューは使えないが、蒸気セーブやエコ炊飯、雑穀米メニューは搭載されている。カラーはプライムゴールドとプライムブラック。







(正藤 慶一)

2011年7月6日 00:00