山形県の節電実験は目標に届かず

~昨年同期比マイナス12%に留まる
節電県民運動のポスター

 山形県は25日に行なった節電県民運動の第1回社会実験の結果を発表した。

 この節電運動では、昨年の同日に対して15%の節電を目標としていた。しかし、実験時間中の電力消費量は94.2万kWで、昨年同期の平均値106.5万kWに対して、12%の節電に留まり、目標に達しなかった。

 山形県の節電運動の特色として「ライフスタイルの見直しによる節電の実施」を挙げており、早寝・早起き・家族団らんによる健康的な生活を推奨している。

 しかし、震災後のライフスタイルの変化により、昨年に比べると節電行動が取られている。消費電力は、実験前日の24日でも97.3万kWまで下がっており上積みは難しい。さらに、今回の社会実験の時間帯が17時~19時という、1日の企業活動が終わりにかかる時間帯であり、節電対策が取りにくかったことも一因と推定される。

実験結果。下のグラフを見ると、実験前日でも昨年に比べて節電が進んでいることがわかる。また、実験が設定されているのは電力需要が下がり始める時間帯であり、ピークを外れている

 なお、県庁舎単体では、一斉退出と一斉消灯を行ない、やむを得ない場合を除き5時45分までに退庁するという強制的な手段をとったため、昨年同日比で53%の節電となった。

 2回目の社会実験は、5月31日の13時~15時という日中の時間帯に予定されている。次回は、企業活動が活発で1日の電力需要のピークに近い時間帯であり、結果が注目される。

 同様の社会実験は、新潟県が「ピークカット15%大作戦」の名称で4月に行なった。第1回は15%の目標を達成したが、2回目は前年比で5%の削減に留まった。






(伊達 浩二)

2011年5月27日 08:34