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100年変わらないドライヤー形状を見直し。カドーの「バトン」は何が違う?

ヘアドライヤー「baton(バトン) BD-S1」

カドーが10月25日に発売した、スティック型のヘアドライヤー「baton(バトン) BD-S1」。リレー競技用のバトンと同じ形状でサイズもほぼ同じと、これまでにないデザインのドライヤーだ。なぜバトン形状に至ったのか、開発経緯を同社社長が語った。

カドーが初めて世に送り出した製品は空気清浄機で、2012年のことだった。そこから加湿器や除湿機など、空気に関係する製品を中心に生み出してきた。

「カドーが製品を展開するようになってから今年で10年を迎えることができました。節目の年にどんな製品を送り出そうかと考えた結果、ドライヤーに辿り着きました。一見すると形から入ったように思われますが、そうではありません。これまで空気清浄機や加湿器などで培ってきた技術やノウハウを、バトンには盛り込んでいます」と代表取締役社長の古賀宣行さんは話す。

カドー 代表取締役社長 古賀宣行さん
2012年に発売した空気清浄機

100年変わらないドライヤー形状

ドライヤーの開発にあたり、デザイナーが大事にしたのが「当たり前を疑う」ことだという。世界初のドライヤーが登場したのは1920年のことで、100年経った今でも形が変わらないことを疑問に思い、本当に使いやすいのか考え直した。

ドライヤーの形状は100年前から変わらないという

知り合いの美容師やスタイリストに「正しいブロー方法」を聞いたところ、人間の髪の流れを考えると後ろから前に乾かすとキレイにまとまり、これが基本の乾かし方になるという回答が挙がった。

「一般的なL字型のドライヤーは、美容師がお客様の髪を後ろから乾かすときであれば問題ないですが、自分で乾かそうとすると後ろからは風を当てにくいです。どうすれば後ろから髪を乾かしやすくなるか考えた結果、ノーズレスという形状に至りました」(古賀社長)

後ろから髪を乾かしやすくなるか考えた結果、ノーズレスという形状に至った

ノーズレス設計にするとヒーターをどこに配置するかといった問題が生じるが、遮熱設計を工夫することでバトン形状を実現。本体重量も一般的なドライヤーが500gほどあるのに対し、バトンは298gと軽い点も特徴としている。

また、先端付近に吹出口を備えるため、自然に腕を上げるだけでドライヤーと髪の理想的な距離と言われる約20cmを保てる。乾かすときに腕に負担がかかりにくいという。

本体重量は298g
先端付近に吹出口を備える

小型軽量ながらパワフル大風量

本体は小さく軽いが、風量は約2m3/分でパワフルに乾かせる。風量設定は「強/中/弱」の3段階。消費電力は800Wで、コード部分が360度回転するノンツイスト機構を実現し、コードが絡まる煩わしさを解消した。

「ドライヤーの消費電力で800Wというのはとても珍しいです。またコードが360度回転する機構もあまりなく、後頭部を乾かすときにコードの位置を気にせず使えるように配慮した設計になっています」(古賀社長)

実際に持ってみるとかなり軽く、こんなに軽くてしっかり乾かせるのかと心配になるほどだった。しかし電源を入れると風量はパワフルで、勢いよく風が出てきた。

風量は約2m3/分
コード部分が360度回転するノンツイスト機構

温度調節は高温・中温・低温の3段階に加え、温風と冷風が交互に切り替わるスタイリングモードも備えた。最高温度は高すぎない85℃、低温時は約60℃で髪へのダメージを防ぐ。

マグネットで取り付け可能なカールブラシが付属し、カールドライヤーとしても使える。カールブラシを使用することで、髪のボリュームをコントロールしやすくなる。

本体サイズは約38.5×277mm(直径×高さ)で、重さは約298g(電源コード、カールブラシを除く)。電源コード長は約1.7m。消費電力は約800W。カラーはシルバーとホワイトの2色。カールブラシ、携帯ポーチが付属する。価格は29,920円。

最高温度は85℃
操作部
マグネットで取り付け可能なカールブラシ
簡単に着脱できる
カラーはシルバーとホワイトの2色