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パナソニック、太陽電池の生産から撤退

パナソニック マレーシア工場(写真は2012年のもの)

パナソニック ライフソリューションズ社は1日、太陽電池の生産から2021年度中に撤退すると発表。マレーシア工場と島根工場における太陽電池の生産を終息する。なお、国内外での太陽電池の販売は継続する。

生産撤退の理由は、太陽電池の価格下落により、価格競争力の維持が困難となったこと。設備規模の大きな中国メーカーとの投資競争が続いている点などが影響した。今後は太陽電池単体ではなく、パワーコンディショナや蓄電池などを含めたソリューション提案によって、同社の強みをより活かせると判断したという。

撤退の対象となるのは、住宅用、公共/産業用の太陽電池。二色の浜工場における、特定顧客向け太陽電池や、福島工場の時計/電卓向けなど民生用太陽電池の生産は継続する。

マレーシア工場は、2021年度中に太陽電池ウエハ、セル、モジュールの生産を終息。建物や土地などの資産は譲渡を検討するとともに、マレーシア工場の現地法人パナソニック ソーラー エナジー マレーシアを清算する。従業員に対しては、割増退職金支払や再就職支援などを行なう。

島根工場も、2021年度中に、太陽電池セルの生産を終息する一方で、パワーコンディショナ、蓄電池などの生産は継続。太陽電池の生産に関わる従業員は、同工場内を基本として、今後成長が期待されている領域への異動により、雇用を維持するという。

生産撤退に伴い、二色の浜工場における太陽電池の研究開発機能を縮小。人的リソースを成長領域へシフトする。

太陽電池の販売については、今後も、国内では生産委託などによりパナソニックブランドとして販売を継続。海外は、北米などで実施している太陽電池の外部調達による販売を継続する。

同社は引き続き、HEMSや太陽電池、パワーコンディショナ、蓄電池、電気自動車用充電機器などを組み合わせたエネルギーソリューション事業を通じて、脱炭素社会の実現に貢献するとしている。