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シャープ戴氏が社長退任、野村勝明氏が新社長に。新型コロナの売上高への影響は1,780億円

シャープ 戴正呉会長兼社長執行役員('19年撮影)

シャープは19日、2020年3月期(2019年4月1日~2020年3月31日)の決算を発表。新型コロナウイルス感染症の世界的な流行下でも黒字を確保したものの、減収減益となった。また、同日に役員人事も発表。戴正呉会長兼社長が社長を退任し、現副社長の野村勝明氏が社長に就任することを明らかにした。

'19年度業績は、ICTの売上が増加したが、スマートライフと8Kエコシステムの売上が減少。売上高は2兆2,712億円(前年度比5.4%減)となった。営業利益は、スマートライフが増加した一方、8KエコシステムとICTの減少で527億円(同37.3%減)。当期純利益は209億円(同71.8%減)となった。

新型コロナウイルス感染症の同社への影響は、売上高に約1,780億円、営業利益に約360億円あったという。

2019年度の連結業績概要

第1四半期から第3四半期までは同社の想定通りに推移したが、第4四半期は新型コロナウイルスの世界的な流行により厳しい事業環境となったことを説明。そうした中でも、通期の最終黒字は確保し、情勢変化への柔軟な対応を進めるとともに「8K+5G」と「AIoT」をテコにした新規市場/新規事業領域の取り組みを推進したという。

なお、新型コロナの動向は予測が困難であることを理由に、2021年3月期(2020年4月1日~2021年3月31日)の連結業績予想は現時点では公表せず、同第1四半期の業績が明らかとなる2020年8月を目処に開示予定としている。

役員人事については、戴正呉会長兼社長執行役員が社長を退任し、代表取締役会長執行役員 兼 CEOに就任予定。現代表取締役 副社長執行役員の野村勝明氏が、代表取締役 社長執行役員 兼 COOに就任。定時株主総会と、その後の取締役会で正式決定される。また、取締役 副社長執行役員の石田佳久氏は退任し、同社を離れるという。