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「街路灯」の老朽化は社会問題!? 安価に4時間でリニューアルできる救世主「QQポール」

 パナソニックの「QQポール」は、リニューアル専用の街路灯ポール。一般的な街路灯ポールの耐久年数は早いもので10年だが、少なくとも30年で70%が危険な領域となる(日本照明工業会JLA1018より)。これに対し、基礎コンクリート部の一般的な耐久年数は50~100年。どちらの耐久年数も、設置工事の状況や、設置場所の条件(例えば塩害など)によって変わってくるが、ポールの耐久年数のほうが、基礎コンクリートよりも短いのが一般的。この耐久年数の差を活用して、基礎コンクリートはそのままに、ポールだけをリニューアルできるのが「QQポール」だ。

「QQポール」は、元々の基礎に新しいポールを差し込んで設置できる

リニューアルコストと、その後の運用コストの双方をカット

 ポールが劣化した街路灯は、いつ倒れるか分からないという危険をはらんでいる。ポールに傾きや亀裂がある場合は分かりやすいが、外観はキレイでも内部が劣化している場合も考えられ、長期間使用している街路灯ポールは早期の交換が推奨される。街路灯は一斉に設置されている場合も多いため、寿命が来るのも一斉だ。そのため、リニューアル工事はたくさんのポールに対して行なう必要がある。

 従来工法では、ポール部分が耐久年数を迎えると、基礎のコンクリートとポールの両方をリニューアルしていた。両方のリニューアルには最低2日の工期がかかるだけでなく、基礎コンクリートの打ち直しもあるためコストもアップしてしまう。基礎とポールの両方を、複数のポールに対してリニューアルするとなると、非常にたくさんのコストや時間がかかってしまうわけだ。

 しかし、耐久年数を迎えていない基礎コンクリートは、まだまだ使える場合が多い。そこでパナソニックが編み出したのが、約4時間で設置が完了する「QQポール」というわけだ。

 また従来の街路灯の多くは水銀灯を採用しているが、「QQポール」の設置によりLED街路灯へ切り替えられる。そのため、設置後は運用の電気代が抑えられ、光源寿命は伸び、照明の演色性は向上する場合が多いのもメリット。

水銀灯200とLEDモールライトの比較。消費電力は72%減、演色性はRa値で30向上、光源寿命は約3倍にもなる
10年間の運用コストは、電気代、ランプ代、ランプ交換人件費のトータルで、49,900円もの差がある。自治体には、大変な本数の街路灯があるので、全体ではかなりのコストカットができる

「QQポール」の設置方法と注意点

 「QQポール」の設置方法は、まず旧ポール内部の電線を切断し、ポール上部の灯具を取り外す。次にポールを地表から2cm部分で横に切断。地面に残ったポールの内部に水や砂があれば除去し、ポールの内側を金ブラシなどで磨いて、この後流すモルタルの密着性を高めるための準備をしておく。

 残ったポールの穴へ「QQポール」を挿入したら、「QQポール」の外側にある金具の4箇所のネジを締めたり緩めたりして、ポールの水平を調整する。その後、旧ポールと新ポールの間を速硬性モルタルを流して固める。モルタルが固まったら新旧ポールのさらに外側へ、筒状の型を設置して根巻コンクリートで固めて完成だ。

「QQポール」の設置法。旧ポールを切断し、新ポールを差し込んで、ネジ止めしコンクリートで固めて設置する

 「QQポール」でのリニューアルは、「基礎のコンクリートが傷んでいない」「ポールの根元が傷んでいない」ほか、旧ポールの太さや内部の状態など、一定の条件があり、これを満たせば利用できる。

「QQポール」は、基礎のコンクリートが傷んでいないなど、一定の条件を満たすと利用できる

「QQポール」の種類街路灯

 「QQポール」が対応可能な、旧ポールの直径は114.3mm/139.8mm/165.2mmの3種類。「QQポール」は、高さが3,500mm/4500mmの2種類、街路灯の電源が内蔵/別置型の2タイプ、ポールカラーがミディアムグレーメタリック/コーヒーブラウンの2色から選択可能。価格は、138,000円(税抜)から。

「QQポール」の構成と仕様

 また対応する街路灯は、形状は球型/逆円錐型/角型/半球タイプなど、色温度は5,000K/3,500K/3,000K/2,800Kなどから選択可能。電源内蔵型は水銀灯300・250/200/100形相当、電源別置型は水銀灯300/200/100形相当がラインナップされる。価格は、85,500円(税抜)から。

「QQポール」の対応する電源内蔵型の街路灯例
「QQポール」の対応する電源別置型の街路灯例