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パナソニック、圧力調理が簡単・安全にできる無水対応の「電気圧力なべ」

 パナソニックは、食材本来のうまみと栄養を活かした“無水調理”もできる電気圧力鍋「電気圧力なべ SR-MP300」を、7月1日に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は30,000円前後(税抜)。発売に先駆けて行なわれたメディア向けセミナーでは、レシピブックを監修した料理家・みないきぬこ氏も登壇し、圧力調理のコツなどが紹介された。

電気圧力なべ SR-MP300

 満水容量は3Lの電気圧力鍋。カレーであれば、4~5人分を一度に作ることができる。1.7気圧の高圧を特徴としており、時間の掛かる煮物や黒豆なども短時間で美味しく調理できるという。角煮の場合、一般的な鍋では約180分だが、同機では約60分で調理可能。黒豆は一般的な鍋では約240分、同機では約60分で完成するとしている。

 自動メニューも備え、カレーや肉じゃが、スープなどのよく使うメニューは、食材を入れてスイッチを押すだけで調理可能。食材は付属のレシピブックに掲載されており、分量を減らしても圧力時間は変わらず蒸らし時間などが変わるだけで、問題なく調理できるという。本体背面には自動メニューの番号と内容が記載されており、簡単に選択可能。

 また、新たに無水調理にも対応。圧力スイッチと温度センサーで鍋内を105℃以上に保って運転する。無水調理は食材から出る水分で調理するため、水に溶け出してしまうビタミンやミネラル、うま味成分の損失が少なく、栄養を逃しにくいという。

満水容量3L
角煮、黒豆ともに約60分で完成する
本体背面には自動メニューの番号と内容が記載されている
調理ステップ。予熱後に圧力を掛け、蒸らし調理をする

 レシピブックには計80レシピが掲載されており、自動メニュー10レシピ、圧力メニュー52レシピ、無水調理12レシピ、低温調理6レシピがラインナップされる。

 本体サイズは、278×292×270mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約3.6kg。消費電力は700W。安全機能として、ふた開閉検知機能や、温度過昇防止機能を備える。カラーはブラック。

レシピブックには計80レシピを掲載
ふたが開いていると「OPEN」と表示される

 同社の調査によると、圧力鍋の普及率はガス式が20%、電気式が8%と、ガス圧力鍋の方が所有者が多いことがわかった。しかし、ガス式は火加減が必要で手間が掛かり、加圧をし続けると大きな音がして怖いというユーザーの声があるという。一方電気式は、運転をスタートしてしまえば後はほったらかしで完成するほか、火を使わないため安心できるなど、メリットが多いとしている。

 今後、電気圧力なべ市場は伸びると予測し、高圧による時短圧力調理、素材の栄養を活かした無水調理ができる新モデルを投入したという。本体は、キッチンに馴染むコンパクトサイズとしている。

 また高圧で調理するため、いわしやアジなどの魚は骨までやらわかくできるという。「骨までまるごと食べられるためカルシウムも摂取でき、そういった点でもヘルシーといえます」(パナソニック スモールアプライアンス商品部 キッチン商品課・秦 雄大氏)。

ガス圧力鍋の方が所有者が多い
今後、電気圧力なべ市場は伸びると予測
パナソニック スモールアプライアンス商品部 キッチン商品課・秦 雄大氏
SR-MP300は1.7気圧の高圧で調理でき、小魚は骨まで食べられるくらいやわらかくなるという

ほったらかしにできるから子供がいても安心調理

 会場には、レシピブックの中から14レシピを監修した料理家・みないきぬこ氏が登壇。電気圧力なべを使った感想を次のように述べた。

 「レシピブックにブリのココナッツカレーを掲載していますが、調理中に圧力を掛ける時間はたったの1分です。あまりにもスピーディーなので最初は戸惑いましたが、時短に繋がるので今はとても便利だと思っています。圧力を掛けた後の蒸らし時間などはほったらかしにできるので、その時間は他の作業をしたり、子供と遊んだりできたりするので有効に使えます。

 わが家には2歳の子供がいるのですが、机とか色々なところをつかまるようになったのでガスコンロなどに近づくと危なくて、煮物はできないなと思っていました。けど電気圧力鍋なら電源があればどこでも調理できるので、子供の手の届かない場所に置いて使っています」

料理家・みないきぬこ氏
レシピブックの中から14レシピを監修

 無水調理メニューとして掲載している「かぶのとろとろポタージュ」については、「かぶは水分が多いので無水調理に向いています。普通の鍋で作るよりも甘くなりますし、十分やわらかいのでおたまですりつぶせ、ブレンダーを使う必要がありません。舌にちょっと食感が残るくらいが美味しいですよ」と話した。

 実際に、電気圧力なべで調理した「かぶのとろとろポタージュ」や「豚の角煮」などを試食した。かぶのポタージュはつぶつぶとした食感は残りながらもなめらかで美味しく、水を足さないため濃厚な味わいだった。

 豚の角煮は下ごしらえ不要で、豚肉と調味料を鍋に入れてスイッチを押しただけの簡単調理。1時間で完成したとは思えないほどホロホロになっていた。

 最後にみない氏は圧力調理のコツについて、「違う素材を複数一度に調理するときは、火が通りにくい根菜は細かく、火が通りやすい芋などは大きめに切ると火加減のバランスがよくなります。煮汁は普通の鍋で調理するときより控えめにするのがオススメです」と解説した。

かぶのとろとろポタージュ。程よいつぶつぶ感となめらかさを楽しめる
豚の角煮。1時間で完成する
ブリ大根も大根の中心部まできちんと煮汁が染み込んでいた
芋煮もホクホク