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ダイソン、本社機能をシンガポールに移転、電気自動車のリーダーに元インフィニティ社長のローランド クルーガー氏

 ダイソンは、英国現地時間1月22日に発表した2018年度の業績報告において、本社機能をシンガポールに移すことを公表した。現在開発中の電気自動車もシンガポールが製造拠点になるという。

ダイソンが2017年に開設した「SINGAPORE TECHNOLOGY CENTRE」

 2018年度のダイソンの利益は、10億ポンド(約1,440億円)を初めて突破。未来のテクノロジーに対する投資は、英国とアジア地域にまたがり、研究開発チームはエンジニアと科学者を合わせ、グローバルで5,853名にまで増加している。また、2018年10月に発売したヘアースタイラー「Dyson Airwrap スタイラー」は、ダイソン史上最も速いペースで市場に浸透した製品の一つとなったという。

勢いが増す電気自動車の研究開発もシンガポール

 今後のアジアへの投資については、シンガポールテクノロジーセンターの規模を2倍にするとしている。全ダイソン製品の製造拠点がアジアに集中していることを鑑み、シンガポールをエクゼクティブチームの多くの拠点とし、さらなるビジネス成長に向けて取り組んでいくとする。同社においてアジアという地域の重要性が高まっていることを踏まえ、本社機能はシンガポールが担うことになる。

 特に電気自動車の研究開発は勢いを増しており、自動車の製造拠点もシンガポールとなる。既存拠点に加え、電気自動車開発チームや先進的な製造技術が融合したシンガポールは、ダイソンの電気自動車を製造する理想的な場所としている。

 2019年4月には、電気自動車プロジェクトのリーダ―として、過去にインフィニティ社の社長や日産自動車の専務執行役員を務めたローランド クルーガー(Roland Krueger)氏が参画予定。ダイソンの電気自動車プロジェクトでは、市場投入に向けた全工程を担うという。

ジェームズ ダイソン

 英国での投資は引き続き拡張し、新しいラボの建設も進んでいる。このラボが完成することで、ダイソンのエネルギー貯蔵研究プログラムおよび、ロボット工学プログラムの拡張が実現するという。

 なお、ダイソンが所有する世界最大の研究デザイン拠点である、イギリス・マルムズベリー キャンパスには4,400万ポンド(約63億3,600万円)の投資が新たに行なわれた。この投資により、モデリング・試作センター、先進的な電池ラボの拡張、作業空間の改装が実現したという。

 同キャンパスは、クリエイティブ、ビジネス、技術開発・創出の面で中心的な役割を担う、世界最大の研究開発拠点。また、イギリスの総従業員数規模は拡大しており、2019年も増加予定だという。