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今夏は「ダブル高気圧」で熱中症に注意、ダイキンがしつどコントロールの清涼効果を検証

 ダイキン工業は、ダブル高気圧の到来で暑くなることが予想される2018年の夏を前に、「しつどコントロール」による清涼効果について、横浜国立大学・田中 英登教授と行なった可視化検証試験の結果を発表した。

 気象庁によると、今夏(6~8月)はチベット高気圧と太平洋高気圧の張り出す「ダブル高気圧」の影響で、全国的に暖かい空気に覆われやすく、気温は平年並みか高くなると予想されており、熱中症に注意する必要がある。熱中症の発症には気温だけでなく湿度も大きく関係しており、気温が低い日や室内でも油断は禁物としている。

 また夏場の冷房設定温度としては28℃が一般的になりつつあるが、28℃を暑いと感じる人も多くいるという。しかし設定温度を下げると、今度は省エネ性が気になるという声もあるとしている。

熱中症の発症には気温だけでなく、湿度も大きく関係しているという

 今回の試験では、室温28℃に固定した状態で湿度を変え、体感がどう変わるかを、サーモグラフィを使って検証。横浜国立大学・田中 英登教授監修のもと、20代~60代の男女12名(各6名)で行なった。

 検証の結果、温度28℃/湿度85%で皮膚温度の上昇がみられた状態から、温度は28℃のまま湿度を60%に減少させたところ、12名中10名で、顕著に手や顔の皮膚温度が低下したという。主観的感覚においても、湿度低下に伴い快適性が上昇する傾向が確認された。

男性45歳の結果
女性49歳の結果

 田中教授の考察によると、湿度が低いと体温調節のために発せられた汗が蒸発し、気化熱により体温を下げるのに対し、湿度が高いと汗が蒸発しにくく、十分に体温を下げることができずに更に汗をかき、より暑く感じてしまうという。湿度が20%違うと体感温度は4℃違うと言われており、温度を変えなくても湿度をコントロールすることで熱中症対策、男女の温度に対する性差の解消に繋げられるとしている。

 また、暑さ対策に扇風機を使用する場合、室温や湿度が高い状態で扇風機を使うと、室内の暑い空気を長時間受け続けることになり、それが原因で熱中症になることもあるという。普段から温湿度をチェックして、湿度が高い日にはエアコンの使用を心掛けるよう呼びかけている。