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神宮球場で体験したアウトドア生活を通して災害対策について考える 後編
2016年7月22日 08:05
6月4日~5日に開催された、東京ヤクルトスワローズが主催するキャンプイベント「スタジアムキャンプ~TOKYO HOME TOWN! 2016~」。東京・明治神宮野球場のグラウンドにテントを張り、一夜を過ごすこのイベントに参加し、アウトドアを体験してきた。
記者は普段、アウトドアとは縁遠い生活を送っているが、今後の人生でアウトドアをする日がくるかもしれない。そのときに備え、実際にテント泊をして野外での生活について考えてみた。
なお、イベントレポートはこちらを参照いただきたい。
・都心でキャンプ! 神宮球場に泊まってアウトドアを学んできた。朝はつば九郎が新聞配達に 前編
避難所生活を想定したテント泊
今回、イベント中のテント泊で感じたことは、もし災害が起こったとき、避難所やテントで生活することになったら……ということだ。この先、自らキャンプをすることはまずないと思うが、一夜を外で過ごしながら、実際に野外での生活を強いられたときのことを想定してみた。
まず気になったのは寒さだ。6月の始めということもあり、日中は暑くても夜中~早朝は結構冷える。当日の早朝は小雨も降っており、一段と冷えていた。
就寝時はテントの中にアルミマットが用意されており、その上で寝るとだいぶ暖かかった。アルミマットは、アルミの部分を身体に当たるようにすることで、体から出る熱が反射され、熱が逃げないようになるのだという。持参したタオルケットで身体を包めば、さらに保温性が高くなり暖かくなった。
反対に、真夏の熱帯夜のような寝苦しいときは、アルミ部分を地面に向けると良いという。地面から出る熱をアルミで反射させ、体に届かないようにするのだ。季節を問わず使えるので、防災バッグに入れておくアイテムとして用意しておきたい。
スキンケアグッズは女性のストレス軽減に
持参して便利だったのは、顔用のパックだ。夜は顔を洗いに行く時間があったので、化粧も落とせてしっかり洗顔できたが、朝はグラウンドのテントから出たらそのままイベントが始まっている。顔を洗いに行けないため、女性としては気になる部分だろう。
今回用意したのは、「サボリーノ 目ざまシート」というフェイスマスク。眠い朝の洗顔とスキンケアをサボりたいという、女性のニーズに応えたパックだ。汚れや角質を落とせるリンゴ酸や、うるおいを与えるヒアルロン酸などが配合されており、1枚で「洗顔・スキンケア・保湿下地」がまかなえるという。
普段は、朝のスキンケアが面倒なときに使っているが、キャンプに持っていったところこれが正解だった。顔に乗せると、フルーティーなさっぱりとした香りで目覚め、剥がすときに顔を拭きとるようにすれば顔に付いた汚れも落とせる。保湿成分により顔もしっとりしているため、そのまま化粧をしてもつっぱる感覚がない。
はじめてこのフェイスマスクを使ったときは、本当に顔が洗えるのか不安だったが、そのまま1日過ごしてもまったく気にならなかった。顔を洗わずに過ごすとどうも違和感があるが、サボリーノで顔の汚れを拭きとれば十分に過ごせる。
以前、避難所で化粧品の支給が女性に喜ばれたと聞いたことがあるが、その理由がわかった気がした。顔が洗えない、保湿できないという環境は、普段の生活と離れるものであり、ストレスの原因になる。こうした製品も、防災アイテムとして役立つと感じた。
懐中電灯にもなるランタンで夜の照明を確保
なお、夜の照明として持参したのはパナソニックの「球ランタン」。専用のスタンドが付いており、ランタンとしてだけでなく、持ち歩いて懐中電灯としても使えるアイテムだ。明るさは2段階で調節でき、「強」点灯は8lx、「弱」点灯は0.3lxになる。強であれば、テントの中で一夜過ごすには問題ない明るさだった。
懐中電灯にもなるため、真っ暗な中、外に出ることがあってもそのまま持ち歩ける。普段はベッドサイドに置いておけば常夜灯になるし、非常時にもサッと持っていける点がポイントだ。
騒音対策に用意しておきたい必需品
また、あれば良かったと思ったアイテムは耳栓だ。当日の明け方は小雨が降っており、ポタッポタッと、雨粒がテントに落ちる音がとても気になった。さらに早朝は小鳥やカラスなども鳴き始め、朝4~6時に掛けて何度も目が覚めてしまった。神宮球場は緑に囲まれており、車の通りも少ないため、そういった騒音はなかったが、雨音や動物の鳴き声は想定外だ。
実際、避難所でも隣り合う人の声などは気になるだろう。オーディオプレイヤーで耳を塞ぐという手もあるが、音があると寝られない人もいるはずだ。今回、目が覚める度に、耳栓があれば……と思うほどだったので、ぜひ耳栓の用意をオススメしたい。
イベント中、アウトドア生活のハウツーを教えてくれたHEROのスタッフから聞いたキャンプテクニックは、キャンプに慣れている人からしたら常識なのかもしれない。しかし、アウトドアとは縁遠い生活を送っている筆者からするとどれも目からウロコな情報だった。さらに実際に体験することで、パックや耳栓など自分にあった必需品なども見えてきた。
地震の多い日本列島では、いつ何が起こるかわからない。何もないことが一番だが、万が一に備えて、こうしたアイテムを揃えておくべきだろう。