【CEATEC JAPAN 2011】
ローム、生体リズムに合わせて光色が変わるLEDペンダントライト

~配光角270度のLED電球や、初の一般向け有機EL照明も

 映像・情報・通信機器の総合展示会「CEATEC JAPAN(シーテックジャパン) 2011」が、千葉県千葉市の幕張メッセで開幕した。開催日程は10月4日~10月8日の5日間。一般公開日は10月5日~8日で、入場料は1,000円だが、事前登録を行なうことで無料となる。最終日の土曜日は無料。

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生体リズムに合わせて光色を自動で変えるLEDペンダントライト

写真中央がLEDペンダントライト「AP-60090」。業界では珍しい、天吊形のLED照明だ

 大手半導体メーカーのロームのブースでは、グループ会社のアグレッドが10月21日より発売する家庭用LED照明「AGLED」シリーズの新製品を公開していた。

 この中で特に珍しかったのが、LEDのペンダント(天吊型)ライト「AP-60090」。シーリング型のLED照明は家電メーカー各社から発売されているが、ペンダント型は同社によれば初という。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は3万円前後。

 AP-60090は8畳までの空間に使用するLEDペンダントライト。消費電力は48Wで、蛍光灯の従来モデルと比べると、約43%の節電効果がある。全光束は3,650lm。

 また、調光・調色にも対応。調光は20%から100%まで、明るさは昼白色から電球色まで、それぞれ73段階に調節できる。全2,665パターンから好みの明るさが選べるため、シーンに合わせたあかりの演出が楽しめるという。

 さらに、昼は白色系、夜は暖色系の色温度に自動で変える「サーカディアンリズム」機能も搭載。サーカディアンリズムとは、約24時間の周期を持つ生体リズムのこと。同機能では、活発に活動する日中は清々しい白色、周囲が暗くなる夜には暖かみのある光色に変えるなど、生体リズムに合わせて光色を変えることで、より健康的で、元気に生活できるとしている。

調光・調色に加えて、昼は白色、夜は暖色に色を自動で切り替える「サーカディアンリズム」機能を搭載活発的に活動する場合は白色系を、くつろぐ場合には暖色が合うという

 このほか、天井直付型の照明の新製品として、LEDシーリングライト「AC-60084」、多灯型のLEDセパレートシーリング「ACH-60046」、セパレートシーリングライトにファンが付いたLEDシーリングファン「AFAR-60045」も展示された。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は順に4万円前後、5万円前後、8万円前後。

 いずれもLEDペンダントライトと同様、全2,665通りの調光・調色機能を搭載。LEDシーリングファンとLEDセパレートシーリングは、白熱電球を使った従来器具と交換することで、約85%の節電になるという。サーカディアンリズム機能は搭載されない。また、LEDシーリングファンは、空気を循環することで、冷暖房効率を向上する効果もあるという。

 設計寿命はすべて40,000時間。なおアグレッドは、この10月より丸善電機より名称を変更している。

LEDシーリングライト「AC-60084」多灯型のLEDセパレートシーリング「ACH-60046」セパレートシーリングライトにファンが付いたLEDシーリングファン「AFAR-60045」


“くびれ”を付けることで、光が270度広がるLED電球「全方向配光タイプ」

 LED電球の新製品としては、光が広がるLED電球「AGLED 全方向配光タイプ」を展示した。現在発売中で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は、昼白色タイプ「LDA6N-G-A」、電球色タイプ「LDA6L-G-A」いずれも2,300円前後。

光が広がるLED電球「AGLED 全方向配光タイプ」。昼白色タイプの「LDA6N-G-A」電球色タイプの「LDA6L-G-A」

 E26口金に接続するLED電球で、配光角が270度と広い点が特徴。同社はこれまで、LEDチップを立体的に並べて光を広げる「3Dモデル」というLED電球も発売していたが、こちらの配光角は190度で、全方向配光タイプはそれよりも光が広がることになる。同社によると光を広げるために、グローブの形状を変更し、また電球に“くびれ”を付けたという。

 本体サイズは122×60mm(高さ×直径)で、重量は75g。定格消費電力は5.5W。設計寿命は40,000時間。全光束は昼白色タイプが485lmで、白熱電球40W形相当、電球色タイプが390lmで、白熱電球30W形相当。

 LED電球としてはこのほか、E17口金用の「LDA4L-G-E17」、E11口金用の「LDR6L-M-E11」も、10月21日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は順に2,000円前後、6,000円前後。

E17口金用のLED電球「LDA4L-G-E17」。全光束は265lmで、ミニクリプトン電球25W形相当というE11口金用のLED電球「LDR6L-M-E11」

ついに有機EL照明の一般向け販売が開始

Lumiotecのハンガー形照明「HANGER」は、光源に有機ELパネルを採用している

 ロームが株主となっている有機EL照明メーカー「Lumiotec」のコーナーでは、有機EL照明器具「HANGER(ハンガー)」と「VANITY(バニティー)」が展示されていた。9月より一般向けに発売されており、Lumiotecでは「量産の有機ELパネルを組み込んだ照明器具の商業販売は今回が世界で初めて」としている。

 HANGERは、ハンガーのようなフックを備えた、吊り下げ形の有機EL照明。薄型の有機EL光源の特徴を生かし、本体サイズも152×267×3mm(幅×奥行き×高さ)と非常に薄くなっている。調光にも対応する。また、ハンガーのパネルの色は8色用意される。

 VANITYは、卓上に置いて使用する有機EL照明。パネル部は回転する。調光スイッチを内蔵している。

 価格はHANGERが35,000円、VANITYが55,000円。電源はAC/DCアダプター。

光源は有機ELだけあって薄い卓上型の「VANITY」にも、有機ELパネルを採用している





(正藤 慶一)

2011年10月4日 16:35