【特別企画】
エアコン夏商戦のポイントを聞く[シャープ編]
~“健康という観点で選ぶならシャープ”
シャープの2009年モデルのエアコン「キレイオン SXシリーズ」 |
シャープが2009年夏商戦で、商品の最大のポイントとするのが「つつみ込む気流」だ。そして、これを実現することが、シャープ独自の気流制御を生かして、「省エネ化」、「健康性能」の2点も同時に訴求していくことになるという。
●“つつみ込む気流”で、寝冷えや足元の冷えすぎを抑制
もともとシャープは、2006年から「エコなフォルム」の名称で、空気力学をもとに、省エネを追求した新たなエアコンのデザインを採用してきた。
風を大きく吸い込み、ゆっくり長く吐き出すという効率的な風の制御を可能にする、前方向にせり出したロングノズル形状とすることで、風の効率を約20%向上させ、さらに、ロングパネルにより、冷房時には天井に沿って冷風を送り、加えて左右なめらかガイドの採用により、スムーズな曲線によって風が左右の壁面まで届くことから、温度ムラの軽減も実現した。
風の流れを無駄にしない仕組みは、省エネ運転に直結。送風時にかかる電力を20%ダウン、風の到達距離を10%向上させ、11年前のエアコンに比べて33%も電力量を削減しているという。
シャープでは2006年より、空気力学に基づいたエアコンのデザインを発売してきた | 風を大きく吸い込み長く吐き出すことで、空気の漏れがなく、効率的に風を制御する構造を採用 | シャープのエアコンの特徴である、「上下両開きロングパネル」。冷房は上から、暖房は下から風を吹き出す(写真は2008年モデル) |
「つつみ込む気流」のメカニズム。天井と壁を冷やすことで、身体に直接身体を当てなくても涼しいという室内環境を作り出している |
シャープの健康・環境システム事業本部空調システム事業部副事業部長兼商品企画部長の鈴木隆氏は、「つつみ込む気流とは、運転開始時には収束した細い気流を斜め下方向に送出し、一気に居住空間を冷やし、数分後には、斜め上ワイド方向に送出し、天井や側壁を積極的に冷やす。運転開始時には部屋全体をすばやく撹拌するため、冷房の立ち上がりが早く省エネであり、さらに運転を停止しても天井や壁が冷えているので、しばらく涼しい状況が作れる。これも風の流れを効率的に制御する、エコなフォルムによって実現できる効果」とする。
従来の気流と「つつみ込む気流」の、室内温度の比較 | 壁や天井を積極的に冷やすため、身体に直接風が当たらなくても涼しいという | シャープ 健康・環境システム事業本部 空調システム事業部 副事業部長兼商品企画部長 鈴木隆氏 |
また、センサーで8か所の床温度を計測しており、足下まで冷えすぎないように、温度をボタン1つで自動設定し、省エネ運転が可能となる「おすすめエコ」モードも搭載している。
足先の抹消血流量を測定したところ、風が直接当たる気流に比べて、シャープの「つつみ込む気流」の方が血流量が高く、体温を維持できることがわかり、健康面においても効果があることが実証されたという。
センサーで床温度を計測し、省エネ運転する「おすすめエコ」モードも搭載(写真は暖房時の説明パネル) | 臨床検査によれば、包み込む気流の場合、一般的な“風が当たる”気流よりも、血流量がアップしているという |
実際、つつみ込む気流を体験してみたところ、天井部は23.2度であったにも関わらず、頭の部分は23.8度、足下は25.1度となっていた。「寝冷えするといったことが起こりにくい。長い間つけていても、体の冷えすぎを抑えるエアコンが実現できた」(鈴木氏)というわけだ。
これは、快適な空間の実現とも同義語だといえる。大阪健康サービス産業創造協議会(OHS協議会)が、今年5月に開始した「癒し快適エビデンス評価・支援センター事業」において、この「つつみ込む気流」が、癒し快適エビデンス推奨マークの取得第1号に認定されたことも、それを裏づけている。
癒し快適エビデンス推奨マークとは、文部科学省・21世紀COE(卓越した研究拠点)プログラム採択事業の研究性の活用による取り組みの1つとして、癒やしや快適性に関して、科学的な根拠に基づいた実験を第3者機関で行ない、試験報告書や論文を評価することで、社会的意義があると認めた製品について推奨するもの。これも健康の観点から、シャープのエアコンが先行していることの証といえよう。
「つつみ込む気流」の体感ルーム。天井付近の温度は23.2℃だが…… | 頭の付近はそれよりも高い23.8℃、足元に至っては約2℃高い25.1℃となっている | OHS協議会より、「癒し快適エビデンス推奨マーク」を取得。気流の効果を裏付けている |
● エアコンを使用することで空質も向上――プラズマクラスターイオン発生機能
高濃度のプラズマクラスターイオン発生デバイスを搭載。1立方cm当たり7,000個のイオンを発生する |
エアコンに、プラズマクラスターイオンの発生デバイスを搭載。部屋の隅々まで広がるエアコンの冷気に乗って、室内全体にプラズマクラスターイオンが広がる仕組みだ。
発生デバイスから放出されるプラスイオンの「H+」と、マイナスイオン「O2-」が空中に分散。これらが空気中の菌やウイルスに付着すると、酸化力の強い「OHラジカル」に変化し、菌やウイルス表面のタンパク質を除去し、無力化する効果があるというものだ。
浮遊するダニのフンや死骸などのアレル物質なら99.9%、浮遊ウイルスも10分間で99%分解・除去できるほか、カーテンやソファーに染み付いたタバコのニオイの脱臭や、梅雨に発生しやすい窓サッシ枠のカビの増殖も防げる。
シャープ 健康・環境システム事業本部 副本部長兼国内営業統轄 新晶氏 |
量販店店頭でも、プラズマクラスターイオンを搭載しているという点が評価され、指名購入していく例が増えているという。
もちろん、フィルター自動掃除機能も搭載。「運転終了後に自動で掃除をするが、1回あたりの電気代は0.1円。毎日掃除しても年間36円で済む。しかも、掻き取ったホコリは排気ダクトから自動排出するため、手間いらずで、しかも健康的だといえる」(鈴木氏)とする。
省エネという観点では、エコポイント対象製品を11機種用意し、エコポイント需要に対応する考えだ。
リモコンのモニターは、冷房時にはブルー、除湿時にはグリーン、暖房時にはオレンジと、視覚で運転状況がわかる仕様となっている |
●「健康といえばシャープ」の定着を目指す
プラズマクラスターイオンのテレビCMに出演する、佐藤隆太さん、水川あさみさんの写真を店頭POPでも使用。“健康といえばシャープ”のイメージの定着を狙う |
大手量販店を中心に、「実感体感ルーム」設置。実際に、「つつみ込む気流」の様子を体感することができるようにしたのも力の入れようがわかる。同ルームでは、温度計を設置し、足下部分の温度が、頭部分の温度よりも高いが、全体的に涼しい環境が実現していることを体感できるようになっている。
また、OHS協議会による「癒し快適エビデンス推奨マーク」も、店頭POPに盛り込んで、快適空間を実現していることを訴求する。
一方、プラズマクラスターイオンでは、約4,000店舗を対象に展開する店頭POPにおいて、空中除菌力のメリットを訴求するほか、プラズククラスターイオンを搭載した各種製品との連動提案も行なっていく。
加えて、テレビCMでも、東京、大阪、名古屋の3地区に限定して、5秒間という異例の短尺CMを放映。キャラクターの佐藤隆太さん、水川あさみさんの背景には、エアコンを設置し、「プラズマクラスターはシャープだけ」のジングルとともに、プラズマクラスターイオンを訴求したのも、新たな取り組みだ。
このCMと連動させる形で30秒のスポットCMを放映し、より深くエアコンに搭載したプラズマクラスターイオンのメリットを訴求する形としたという。
「健康という観点から選ぶのであれば、シャープであるというイメージを定着させたい。プラズマクラスターイオンもエアコンの基本性能の1つと位置づけて訴求していく」(新氏)と、冷房商戦においては、「健康」という新たな観点からの訴求を強化することで、他社との差別化を図る考えだ。
2009年7月31日 00:00
-ページの先頭へ-