やじうまミニレビュー
人の声は聞きとれるデジタル耳栓が便利
by 小林 樹(2014/3/17 07:00)
キングジムの「デジタル耳せん MM1000」は、ノイズキャンセリング技術を搭載したユニークな耳せんだ。ノイズキャンセリング技術といえば、これまでは音楽を聴くヘッドフォンやイヤフォンに搭載されてきた。
このデジタル耳せんは、音楽こそ聴けないが、ノイズキャンセリング技術によって、乗り物の音やエアコンの空調音などの「環境騒音」を約90%カットできる点が特徴だ。
メーカー | キングジム |
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製品名 | デジタル耳せん MM1000 |
希望小売価格 | 5,229円 |
購入場所 | yodobashi.com |
購入価格 | 4,980円 |
デジタル耳せんは、耳せんと長さ約85cmのケーブル、ケーブルを巻き取り電池が収まる本体から成る。本体サイズは64×64×14mm(縦×横×厚さ)でコンパクト。カラーはシンプルなホワイトで、表面はすべすべとした質感だ。重量は約33gと軽く、バッグの中に入れやすい。
耳せんは、一見、普通のカナル型イヤフォンに見える。耳穴に深く差し込み、密着するタイプだ。
付属品として、収納用のポーチと4サイズのイヤピースがセットになっている。電源は別売りの単四形乾電池1本を用意する。電池寿命は最長約100時間という。
まずはノイズキャンセリング技術とはどういうものなのか、おさらいしておこう。デジタル耳せんには、小型マイクロホンを内蔵している。このマイクロホンが環境騒音を収音し、逆位相の波形を作ることで打ち消し合う。これにより、乗り物や空調音など約300Hz以下の騒音をカットできるという。
つまり、人の声は聞こえるが、騒音はカットしてくれるのだ。これなら、カフェやファミレスで作業をしていてもオーダーできるし、話しかけられても反応できる。
スイッチ1つで、静かな世界が広がる
さっそく使ってみよう。操作は超シンプルだ。耳せん部を左右の耳に軽くはめたら、本体のスライド式スイッチをONにするだけ。電源を入れて1秒もしないうちに、周りの音がパッと止んだ。
最初に使った場所は、オフィスのデスクだ。音が消えたのは、エアコンの空調音や、窓の外を走るバイクや自動車の音。そして人が動くときのカサカサと服が摺れる音や、お菓子の袋を漁る音も聞こえなくなった。一方で音が残るのは、人の話し声や、キーボードをカタカタと叩く音だ。電話が鳴るのも聞こえる。それでも、「ゴーッ」という空調音が鳴りやむだけで、静かで清々しい空間が広がっているように感じる。集中して仕事や勉強、読書したい時にピッタリだ。
ちなみに、ほかの編集部員にも試してもらったが、「耳に密閉感がある」「耳がツーンとする」などの違和感を感じる声もあり、人によっては気になるかもしれない。
あらためてノイズキャンセル機能のON/OFFを切り替えて、周囲の音の変化に耳を澄ませてみると、むしろ自分が普段こんなに騒音のうるさい場所で過ごしているのかと驚く。“慣れ”と呼ぶのだろうか、絶えず耳に入ってくる環境騒音は、自分の脳内で勝手にノイズキャンセルしていたのだろう。