やじうまミニレビュー

モリシタ「竹枕 バンブーピロー」

~古き良き「竹枕」で、暑い夜もぐっすり
by 小林 樹


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


モリシタ「竹枕 バンブーピロー」

 先週末、都内の家電量販店に足を運んだところ、扇風機の売り場は、おびただしい人出だった。店頭に並んでいる製品の多くは、省エネやエコを謳い、最新の技術によってうだる暑さをしのげるというものだ。

 一方でこの夏は、打ち水やよしずなど、昔から伝わる暑さ対策も見直されてきている。そこで今回は、モリシタの「竹枕 バンブーピロー」を試してみた。


メーカーモリシタ
製品名竹枕 バンブーピロー
希望小売価格2,079円
購入場所楽天市場
購入価格2,079円

  竹枕とは、その名の通り竹で作られた枕で、昔から涼を得るために夏場によく使われてきたものだ。最近ではサウナや岩盤浴のようなところでも見かける。

 届いた竹枕のサイズは、470×310mm(幅×奥行き)で、重さは約1kg。1人で寝るには十分な大きさだ。枕の形は、横から見ると中央部が窪んでおり、高さは低いところが60mm、高いところが100mmとなっている。枕の高さには人それぞれ好みがあるが、この竹枕では、高低好きなほうを選んで寝ることができる。

竹枕は、1人で寝るには十分な大きさだ横から見ると、中央が窪んでいる梱包の様子

 枕の素材には、孟宗竹(もうそうちく)を採用している。孟宗竹とは、1,000年以上前に中国からもたらされたという竹で、現在日本に自生する竹としてはもっとも背が伸びる種と言われる。箱から枕を取り出すと、さわやかな竹の香りが鼻先をかすめた。

 枕の表面には、長方形に加工された孟宗竹のチップが、弾力のある合成繊維の糸で繋がれている。孟宗竹のチップは固く、スベスベとした滑らかな手触りだ。その一方で、内部は支柱となる木の棒が2本あるだけで、スカスカの空っぽである。この空洞が、竹枕の風の通りをよくしてくれているのだろう。

孟宗竹のチップは弾力のある合成繊維の糸で繋がれている枕の内部は空洞だ。わかりにくくて恐縮だが、チップの隙間から、反対側のチップの裏側が見える

 さっそく使ってみよう。畳の部屋に敷いた布団の上に枕を置き、枕の窪んだ部分に頭をあずけると、竹の弾力を受けながら、ゆっくり頭部が沈んでいく。竹の固さは気にならない。むしろ、柔らかすぎず、固すぎず、自分の頭の形に合わせた適度なしなりが心地よい。

 枕に頭を預け、しばし寝転がっていると、ひんやりとした竹の質感が頭皮や首筋に伝わってくる。窓から生暖かい風がふわっと入ってくるたびに、頭のあたりがなんとなく涼しい。

 家族にも試してもらったところ、母がとても気に入ったようだ。髪の量が多い母は、夏場は頭が蒸すようなのだが、この竹枕のひんやりとした質感と、通気性の良さに惚れ込んだようで、毎日就寝時に使っていた。

 また、母は高い枕が好きなので、この竹枕の高いほうの高さがちょうど良かった。そのせいだろうか、五十肩の肩こりが解消されたというのだ。肩こりの解消は、この竹枕の効果というよりも、自分に合った枕を使ったことのほうが功を奏したのだろうが、枕の高さが選べるのは大きなメリットだと実感した。

 昼寝にも使うほど入れ込んでいた母だったが、困ったこともあった。母がうつ伏せで寝ていたところ、宅急便が届いた。母は普通に受け取ったのだが、その後鏡を見てびっくり。顔に網焼きハンバーグのような筋が入っていたのだという。竹枕のチップと合成繊維の糸が顔に跡をつけていたのだ。この枕でうつ伏せする時は、恥ずかしい思いをすることのないよう、注意が必要だ。

枕表面のカーブが首のラインに合う横向きでも寝れるうつ伏せだと顔に跡が付くので注意したい

 手入れは、簡単だ。汗が付いたらサッと拭き取ればいいし、汚れが気になるようなら水で流して半日程度日光に干せばよい。

 竹の匂いは3日もするとなくなってしまったのは残念だったが、本体の作りはしっかりしていたので、2,000円という値段には満足できた。

竹枕は畳の雰囲気に合った

 竹の枕というと、固いイメージを持っている方もいるかもしれないが、今回使ったモリシタの竹枕には、弾力があり、寝心地が良い。それでいて、通気性が良く、涼しさを感じられるので、とても重宝している。

 そういえば、祖父も昔、竹枕を使っていたのを思い出した。我が家の祖父は、夏の昼下がりに、風通しの良い2階の廊下に竹枕を置き、よく新聞を読んでいた。風で新聞がめくれてしまうほど風通しの良い場所だったので、ランニングにステテコ姿の祖父はとても涼しげ。このランニングにステテコ、竹枕という格好は、現代にも通ずる、不滅の暑さしのぎスタイルと言えるのではないかと思う。私もこの夏は竹枕を抱えて、風通しの良いスペースで涼んでいたいと思っている。





2011年 6月 23日   00:00