やじうまミニレビュー

無印良品「シリコーン製氷器 球型」

~バーの丸い氷が自宅で作れるシリコン製氷器
by 小林 樹


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


無印良品「シリコーン製氷器 球型」

 バーでよく見かける風景といえば、カウンター越しに、バーテンダーがカンカンカン、と音を立てて氷を砕いている姿だ。尖ったアイスピックで、器用に丸く氷を削っていく。その鮮やかな手さばきに、思わず見惚れてしまう。

 ロックで頼むと、丸く削られた一塊の氷がゴロンとグラスに入っている。丸い氷は、形の美しさだけでなく、ブロックの氷に比べて飲み物と接する表面積が小さくなるため、ゆっくり飲んでいても味が薄まりにくいという特徴がある。透き通ったその氷はつやつやと輝き、薄暗い店内でぼうっと浮かび上がる。グラスにそっと口を近づければ、長い夜の幕が開ける。

 ……なんてことが頻繁にできたらいいのだが、バーでバーボンやウイスキーを頼めば一杯1,000円は下らない。最近は仕事が終わったら家でゆっくりのんびり晩酌するほうが落ち着くというのが正直なところだ。

 そんな“宅飲み”にぴったりな製氷器を見つけた。無印良品の「シリコーン製氷器 球型」だ。


メーカー無印良品
製品名シリコーン製氷器 球型
販売価格800円
購入場所店頭
購入価格800円

 この「シリコーン製氷器 球型」は、その名の通りシリコン製の、丸い氷が作れる製氷器だ。

 本体サイズは約75×75mm(直径×高さ)で、本体の厚みは最大で9mm程度。本体は半球ずつパックリと上下に別れる。本体上部に開いている小さな穴が注ぎ口で、ここに水を注げば、直径約60mmほどの丸くて大きな氷を作ることができる。

 本体は底の部分が平らになっているので、台の上に置いてもしっかり立つ。シリコン素材だが柔らかすぎないので、水がこぼれてしまう心配もなさそうだ。

製品は透明の四角いパッケージに入っている横から見たところ。底の部分が平らになっている氷の作り方が書かれた説明書も付属
本体。うっすらと水を入れる目安のラインがある力を加えると上下にパックリと分かれる2つに分かれているところ

 それでは、水を注いでみよう。水は凍ると膨張するので、満タンに注ぐのではなく、本体外側の目安となるラインまで注ぐ。

 ラインまで注いだら、そのまま冷凍庫に入れる。水がこぼれてしまうのを防ぐために、本体を水平においておくのがポイントだ。凍るまでにかかる時間は「約6~8時間」とのこと。朝、出社前に冷凍庫に入れておけば、帰宅したころには固まっている計算だ。

うっすらと水を入れる目安のラインがある水を注ぐ冷凍庫に水平に入れる

 約10時間後、冷蔵庫から取り出した。白い本体からは氷が透けて見えている。そっと本体上部を外すと、まんまるな氷ができていた。

 グラスに入れてみると、ちょうど良いサイズだ。驚いたのは、氷がとても透き通っていたこと。普通、家庭の冷凍庫では、氷が白っぽく凍ってしまう。この製氷器でできた氷は、それこそバーで出てきそうな、ツヤツヤとした質感で、まるで水晶玉のようだ。

氷になっている本体上部を外す
まんまるの氷が現れたグラスにちょうど良いサイズ

 氷を入れたグラスに飲み物を注ぐ。透き通った氷と飲み物の色合いを眺めながら、普段の晩酌とはひと味違う雰囲気で、ゆっくり飲み物の味を味わえた。氷を変える、というわずかなひと手間でも、結構雰囲気が変わるものだ。ちょっとした心の余裕やゆったりした時間を持ちたい時にピッタリだと思う。

丸く透き通った氷だ透き通った氷と飲み物の色合いを眺めているのも楽しいちなみに、水を入れすぎて失敗するとこうなります……水は溢れ、氷には空気が入り、悲惨なことに

 ただし、1個の製氷器につき1回で作れる氷が1つなので、2人とか3人で飲む場合は、人数分の製氷器が必要だ。1個につき800円という価格と、冷蔵庫の中で場所をとるということを考えると、1人で晩酌する時に使うのが最適かもしれない。

杏仁豆腐も作れる

 さらに実はこの製氷器、氷を作るだけではなく、調理用の型としても使える。無印良品の製品情報ページには、この製氷器で作った球体のマンゴープリンが掲載されている。そのマンゴープリンが今にも弾けそうな質感なので、たまらず作ってみようと思ったのだが、我が家の近所ではマンゴープリンの素が売っていなかった。そこで代わりに杏仁豆腐を作ってみた。

 プリンよりも柔らかい杏仁豆腐だが、一晩かけて冷蔵庫で固めると、それなりに丸い形に仕上がる。プルプルしてておいしい。

 この製氷器は、他は基本的に普通のシリコンの型と同じように使える。食洗機でも洗える。マルチに使える型(かた)として、自宅で晩酌をするのが好きな人はもちろん、食卓のバリエーションを増やしたい人は是非、手にとってみてはいかがだろうか。




2011年 3月 11日   00:00