やじうまミニレビュー
カシオ計算機「DQL-140NJ-7JF」
■枕元の時計を買い換えたい
カシオ計算機「DQL-140NJ-7JF」 |
枕元に置く目覚まし時計を買い換えたいと思った。これまでも何台かの時計を使ってきたのだが、だんだん自分が何を求めているのかわかってきたので、次はうまく製品を選べるのではないかと思ったのだ。
条件として譲れないのは、次のとおりだ。
・デジタル表示式
・暗い場所でも、パッと時刻がわかる
・近視のメガネを外していても読めるぐらい文字が大きい
・温度と湿度が表示できる
・アラーム設定が簡単
・24時間制で表示できる
まず、夜中に目が覚めたときに、暗い場所でもすぐに時間がわかる、というのが最優先。ついでに、温度と湿度がわかると、エアコンを使うかどうか判断できる。また、最近の電波時計はボタンを減らす傾向があって、アラーム設定の方法が直感的に分からないのがあるので、それは避けたいというわけだ。
それでいろいろ探していたら、上記の条件に合致していそうな新製品が出るというので待っていたのが、今回のカシオ計算機「DQL-140NJ-7JF」だ。8月末に発売されたばかりの新製品だ。
メーカー | カシオ計算機 |
製品名 | DQL-140NJ-7JF |
希望小売価格 | 4,200円 |
購入場所 | ヨドバシAkiba |
購入価格 | 2,980円 |
■暗い場所でもパッと時間が分かる
今回、一番求めていたのが、暗い場所でも時刻がわかるということだ。大昔の針式時計は、針が暗闇で光ったので、すぐに時間が分かった。しかし、最近では表示方式を問わず、自ら発光する時計は少ない。デジタル表示だと、アラームボタンを押さないと、バックライトが点かない製品が多い。このボタンを押すという動作で、目が覚めてしまうのだ。
また、就寝中はメガネを外しているので、液晶が小さいと数字が読み見とれない。できるだけ大きな液晶の製品を選びたい。
本体正面。右に時刻、左に日付/曜日/温湿度など | 本体右側面。横から見ると三角形で、底部が広く安定している | 操作部分は、裏面の右側に集められている。表記が日本語で分かりやすい |
本体裏面 | 本体左側面。こちら側には操作部分はない | 同梱物一覧。本体以外は乾電池と取説、保証書、注意書きなど |
DQL-140NJ-7JFは、この2つの条件を満たしてくれる。まず、バックライトを常時点灯するモードがある。と、言っても24時間点灯しているわけではない。アラームで設定した時間の8時間前になると、自動的に点灯するのだ。
アラーム設定時間の8時間前からバックライトが点灯して、こういうふうに見える | 自発光式の時計などと並べたところ。バックライト式なので限界は自発光式には及ばないが時刻は読み取れる |
次に液晶が大きい。時刻の数字は、高さが4㎝弱ある。昼間なら、ちょっと離れた場所からでも読み取れるし、メガネを外している夜間でもほぼ読み取れる。液晶のコントラストも10段階で調整できるので、良く見る角度に合わせて、調整できる。なお、バックライトが点灯しているときは、設定されたコントラストに関わらず、数字はよく見える。
本体の幅は約175mm | 時刻を表示する数字は約4cmの高さがある |
液晶のコントラストを最強の「10」にした画面 | 同じく最弱の「1」に下画面。見る角度に合わせて設定するのがコツ |
理想を言えば、周囲が暗くなったら点灯してほしいのだが、センサーのコストなどの事情があって、こういう方式になっているのだろう。どうせなら、夜の7時から朝の7時まで点灯しているという方法でも良かった。
■温湿度表示と環境警告
温度と湿度の表示部分。左に「環境お知らせ機能」のアイコンが表示される |
もう1つ、重要視したのが温湿度表示だ。センサーが安くなったためか、多くのデジタル時計で温湿度表示ができるようになっている。
DQL-140NJ-7JFでは、温度が小数点以下1桁を含む3桁、湿度は2桁の数字で表示される。精度は、温度が±2℃(0~40℃)、湿度が±10%(5~40℃)だ。
複数の温湿度計と比較しながら使ってみると、温度、湿度とも、ほぼ納得できる数字が表示されている。ただ、湿度については、これまで使ってきた温湿度計では経年変化が激しく、やたらに上下にブレる製品が多かったので、見守って行きたい。
さらに、DQL-140NJ-7JFでは、日本気象協会との共同企画で「環境お知らせ機能」というのが付いている。
簡単に言えば、温度と湿度を基にして「風邪引き注意」、「カビ・ダニ注意」、「熱中症注意」の3つの警告アイコンが表示される。ちなみに、温度と湿度が最適であれば「快適」というアイコンが表示される。私の部屋では警告アイコンは表示されなかったが、快適アイコンも表示されない。ヤバくはないが良くもないという環境のようだ。
環境お知らせ機能については、おまけのような機能だが、これだけ売りにするのであれば温湿度センサーの質にも気を配っているだろうという期待はある。
■アラームセットが簡単
最近の目覚まし時計では、コスト削減を優先してか、ボタンが少なくなってきている。
これで困るのがアラーム設定で、「まずモードボタンを押し、設定モードに入ったところで、アラームボタンを押してアラームモードに入り、そこからプラスとマイナスのボタンで時刻を設定し、最後に設定ボタンを2回押す」みたいな動作を強要される製品もある。これを作った人たちは、自分で作ったものを、何も知らない誰かに試してもらったことがあるのだろうかと、疑問に思う。
DQL-140NJ-7JFの場合、液晶の右下にある「+」と「-」のボタンを押すと、それだけでアラーム設定モードになる。アラーム時刻を設定して、5秒ほどそのままにしておくと、自動的にアラーム設定モードから抜けて、いつものモードに戻る。
アラームセットに使う+/-のボタンは、本体前面に分かりやすく配置されている | アラームスイッチも、分かりやすい位置にある。スライド式なので操作も直感的だ |
また、アラームのON/OFFもスライドスイッチなので、直感的に操作できる。スイッチは、スヌーズ/ON/OFFの3段階で、スヌーズにすればいったん止めても5分おきに7回まで鳴る。ONだと1分間なって終わり。OFFだと鳴らない。液晶の上の広い部分がスヌーズボタンになっているので、スヌーズモードで使う人は、本体をポンッと叩けば、いったんアラームが止まる。
ちなみにアラーム音は、「ピッ、ピッ、ピッ、ピッ」と始まり「ピピッピピッピピッピピッ」と音量とテンポがエスカレートしていくデジタル音だ。個人差はあると思うが、私には十分だった。
アラーム音の最初の20秒。だんだん音量が大きく、テンポが早くなっていく。(再生音量にご注意ください) |
ついでに言うと、DQL-140NJ-7JFは、使い始めの設定作業の操作も分かりやすい。時刻合わせ1つとっても、電波時計の機能による自動的な時刻合わせに頼らっていない。自分で設定する場合でも、ステップを踏んで分からやすく操作できる。
また、最近の電波時計では、ボタンの数を減らすために、「短押し」と「長押し」を使い分けるものが多いが、取扱説明書を読まないと使い分けがわからない機種も少なくないのだ。DQL-140NJ-7Jでは、ボタンの操作に「長押し」がなく分かりやすさにつながっている。
■電波強度が見えるのが良い
次に時計としての基本機能をさらっておこう。電源は単三アルカリ乾電池が3本で、電池寿命は約1年とされている。購入した製品ではパナソニック製の乾電池が付属していた。
アルカリ乾電池3本は本体裏に入れる | 標準電波の受信中は、受信状態を5段階で表示する。これは2段階目なのであまり良くない | 24時間制に設定中の画面。画面右上に24Hと表示されている |
時計自身は、平均月差30秒のクオーツ(水晶発振式)だが、日本国内の標準電波を受信できるので、自動的に時刻合わせが行なわれる。
ただ、多くの電波時計は、電波の受信状態が分からない。DQL-140NJ-7JFの場合、「電波受信ボタン」を押すと、電波受信の状態を5段階表示してくれるのが良い。設置から、1~2週間様子を見て「どうも電波の受信状態が悪いのではないか」みたいな悠長な方法ではなく、その場でわかるのが気持ち良い。ダメならダメと、早めに見切りを付けたいからだ。
ちなみに私の部屋は、東方向にある窓のそばでは4つ、2mほど室内に入ると2つと表示された。ぎりぎり電波受信できそうだ。なお、南方向にしかないリビングルームで試してみると、電波受信ができないことがわかった。同じ建物でも窓の方向や窓との距離でだいぶ違いが出るようだ。
なお、個人的に気に入っているのは、午前午後の12時間制だけではなく、24時間制で表示できるところだ。まぁ、「午後8時」が「20時」と表示されるだけなのだが、私にはこの方が直感的で分かりやすい。
■取説はちょっと読みにくい
というわけで、今のところ大変気に入っているDQL-140NJ-7JFなのだが、取扱説明書が読みにくいという欠点がある。取扱説明書の構成や本文がわかりにくいというのではなく、表記方法がわかりにくいのだ。
まず、取扱説明書の最初に各部の名称が書かれている。例えば、液晶の下にある+/-ボタンについて、「(2)ボタン(-)」と「(3)ボタン(+)」と書かれている。実際は、カッコ付き数字にした部分は○で囲まれた、丸付き数字だ。
取扱説明書の一部。こういうふうに2とか3とか丸付き数字で書くよりも、素直に+/-ボタンと書いたほうが分かりやすいと思う |
それは良いのだが、その後の操作説明で、「(2)ボタンまたは(3)ボタンを1回押すと」という具合に、ボタンの表記をずっと丸付き数字で通すのだ。お陰で、取扱説明書を読むときは、説明の部分と各部の名称の部分とをいったりきたりしながら読む羽目になる。
同じ文章は「-ボタンまたは+ボタンを1回押すと」と素直に書いた方がずっと分かりやすい。だいたい本体にも+と-と表示されているのに、なぜ、こんな分かりにくい表記をするか分からない。なにか、社内ルールがあるのかもしれないが、その製品を使うユーザーが分かりやすいことが一番大事なのではないだろうか。
■基本を押さえた良い製品
DQL-140NJ-7JFは「環境お知らせ機能」などに目を取られがちだが、時刻の見やすさとか、アラーム設定のやりやすさなど、基本的なところがよくできているのが好ましい。寝室の目覚まし時計として推薦できる。
本体のデザインがシンプルで、液晶も大きめだから、リビングルームでの置き時計としても使えると思う。その場合は、温湿度表示や、環境お知らせ機能が役に立つだろう。
2012年 9月 4日 00:00
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