やじうまミニレビュー

クロバー「クイック帽子テンプレート ハット」

~簡単に手作り帽子が作れる! お手軽型紙キット
by 石井 和美


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


クイック帽子テンプレート ハット<幼児用 52cm>

 日差しが強くなり、帽子が欠かせない季節がやってきた。特に子供は、外遊びが大好き。帽子は熱中症の予防にも役立つため、外出の際は必ずかぶせるようにしている。だが子供の成長は早く、新しいサイズの帽子がすぐに必要になる。子供の好みや機能性などの条件に合う帽子はなかなか見つからない。

 ないなら作ってしまおう、ということで、今回は誰でも簡単に帽子が作れるという、クロバーの「クイック帽子テンプレート ハット<幼児用 52cm>」を試してみたい。手作りなら思い通りのものを作れるし、子供も自分の好きな柄を選べるので喜びそうだ。洋裁はあまり得意ではない私だが、さっそく挑戦してみた。

 


メーカークロバー
製品名クイック帽子テンプレート ハット<幼児用 52cm>
希望小売価格1,575円
購入場所楽天市場
購入価格1,260円

 

面倒な型紙作りは不要! 展開図のようなテンプレート

 クイック帽子テンプレートハットは、簡単に帽子を手作りするための型紙キットである。今回我が家が購入したのはハットタイプ。チューリップハット/クロッシュ/キャプリンという3種類の帽子を作れるというものだ。チューリップハットとは、チューリップの花のような形をしている帽子のこと。クロッシュとは、つばが短めの帽子で、キャプリンはクロッシュよりもややつばが長めの帽子のことを言う。

 キットの内容には、本体の部分のテンプレートが2種類と、クロッシュとキャプリンのつば用テンプレートが2種類、縫いしろ(裁断する線)を描く「ぬいしろライナー」が含まれる。

テンプレートはプラスチック製なので切り抜く必要がなく、何度も使えるぬいしろライナーを使って縫いしろを描くチャコペンはペンタイプを使用する

 一般的に、布から裁断して衣類を作る際には、まず型紙を作るのだが、型紙作りには手間がかかる。

 洋裁の本などにも型紙は付属していたりするのだが、それをページから切り抜いたり、自分の作りたいサイズに合わせてできあがり線(実際に縫う線)や縫いしろ線を書き足したりするのは、結構大変なのだ。

 クイック帽子テンプレートは、そのまま布地に線を書き込むタイプなので、型紙を切り抜く必要がなく、ありがたい。「ぬいしろライナー」を使えば、縫いしろも素早くきれいに描けるという。

花びらのようなかわいらしい帽子――チューリップハット

 最初は、1番簡単にできるというチューリップハットから作ってみよう。

 まず、表布の裏面に接着芯を貼り、テンプレートに沿って、出来上がり線を描いていく。テンプレートはプラスチック製で固く、ペンは布の上をスイスイ進んでいく。

 次に、縫いしろを描く。ぬいしろライナーの溝にテンプレートを挟み、ペンタイプのチャコペンの先を中心にいれ、テンプレートに沿って滑らすように線を描いていく。するとあっという間に、きれいな線を描くことができた。

表生地は接着芯を貼ってから、テンプレートに沿って出来上がり線を描いていく「ぬいしろライナー」があるので、縫いしろ線を描くのも簡単!テンプレートを1/6ずつずらして描く。最終的には1枚の大きなクラウンにする


面倒な縫いしろ線を描く作業も、ぬいしろライナーだとこんなに早い

 

 型紙どおりに布地を切り抜いたら、あとは布を切り取って、フチを6カ所縫い合わせるだけ。縫う場所は最小限だから、初心者でも失敗しにくいと思った。

ぬいしろライナーで縫いしろを描くと角が丸くなるので、切るときは角をつける切り抜いた型紙。型紙を写す作業もスイスイできた!!

 縫う時は、ミシンを使った。アイロンをかけながら縫うと、きれいに仕上がった。縫いしろの1mm外側を縫うと、頭周りが1.2cm変わるので、子どもの頭に合わせてサイズを細かく調整できるのも嬉しい。今回は少し大きめの帽子を作るため、2mm外側を縫った。

ミシンで丁寧に縫っていくアイロンはその都度きちんとかけたほうがきれいに仕上がる

 同じように表と裏の両面を作ったら、この2枚を中表にして、重ねて縫う。縫い終わったらひっくり返し、最後にフチを縫えば、かわいいチューリップハットの完成だ。パッと見ただけでは手作りとはわからないほど、完成度の高い帽子になった。私のように不器用な人でも、3時間あれば完成したので、普段から洋裁をやっている方なら、2時間程度でできるのではないだろうか。

表面と裏面を2枚作る中表にして8cmほど残して重ねて縫う。最後にひっくり返し、フチを縫えば完成かわいいチューリップハットができた!チューリップハットは、目深になるので少し大きい子向けだと思う

 なお、洋裁初心者の方には、小さめの柄の布地で作ることをおすすめしたい。大きめの柄やチェック柄だと、模様を合わせるのが難しいし、無地の生地だと縫い目が目立つからだ。

以前作った子供用のキャスケットをご覧いただきたい。頭の縫い合わせがズレてしまっている。とても難しかった……

 実をいうと、これまでにも帽子作りに挑戦したことがあった。だが、細かいパーツを縫い合わせていくうちに、頭のてっぺんの中心がズレてしまい、とても難しかった。

 その点、クイック帽子テンプレートでは、一番縫い合わせるのが難しい頭のてっぺんがすでに一枚布でつながっているので、いちいち縫い合わせる必要がない。縫うのはフチの部分だけで、洋裁初心者でもすぐにできるほど簡単だ。作っていくうちにどんどん慣れてくるので、もっとほかにも作りたくなる。

 

短めのつば付き帽子――クロッシュ

 次に、クロッシュを作ってみよう。クロッシュとは、短めのつば付き帽子のことで、帽子の部分とは別に、つばの部分を作る必要がある。帽子の部分とつばの部分をそれぞれ縫ったら、重ねてまち針でとめ、縫いあわせていく。

 内側はゴムと、貼るだけで帽子のサイズを調整できる「帽子サイズテープ」を付けた。できあがったものは、チューリップハットよりもかさが短く、視野が広くなっている。

チューリップハットと違い、クロッシュはかさの部分を別に作る必要がある帽子の部分とかさの部分を重ねて、まち針でとめる縫いあわせてステッチをかける
内側はゴムと帽子サイズテープを付ける。ちょっと縫い目がガタガタ…先に作ったチューリップハットと並べてみた。チューリップハットのほうが目深で、クロッシュはかさが短く視野が広い

つばがやや長めの帽子――キャプリン

 キャプリンも、基本的にクロッシュと同じ作り方でできた。キャプリンはつばの部分がクロッシュよりもひと回り大きい帽子で、かわいらしい雰囲気なので、どちらかというと女の子向けだろう。

 作っているうちに手慣れてきて、裏側まできれいに作れた。

キャプリンも基本的にクロッシュと同じ作り方。プロムが一回り大きく、エレガント。どちらかというと女の子向けだろう作っているうちに手慣れてくる。裏側もきれいに作れるようになったのは嬉しい! クロッシュと比較すると、つばが大きめ

 ここで、3種類の帽子を造るのに使用した、布地について触れておきたい。今回帽子作りに使用した生地は、2mあたり380円の特価品。ゴムや帽子用サイズテープなども取り付け、UV加工が施してある接着心を使用したが、すべての材料費を加味しても、チューリップハット1つあたり約600円、キャプリンやクロッシュは約800円ほどで完成したことになる。UV接着心を使わなければこの半額くらいでできるだろう。

3才の男の子には、つばが小さいクロッシュ姉弟でお揃いの帽子。子供たちもとても気に入ったようだ
炎天下でもUV接着芯を使用しているので安心女の子にはキャプリンもかわいらしい

 面倒なのは、大判の布を必要とする点だ。展開図のような型紙なので、広い面積の布地を必要とする。小さなハギレを組み合わせて作ることはできない。チューリップハット1個あたりだと、470×470mm(縦×横)の表裏2枚の生地が必要となる。

 また、薄手のやわらかい生地は避けた方が良いかもしれない。今回、裏地はコシのないクシャッとした薄い綿生地を選んだのだが、ぬいしろライナーで線を描くときに引っかかって難しかった。生地は張りのある綿などのほうがオススメだ。


薄手のやわらかい生地だと引っかかってしまうことも

 

帽子嫌いの子供が、帽子をちゃんとかぶるようになった!

 帽子嫌いな3才の子にクロッシュを作ったところ、遊んでいる途中でも脱がなくなった。どうやら、お姉ちゃんとおそろいなのがとても嬉しいようだ。布地を選ぶ段階から一緒に出かけたり、好きなキャラクターのワッペンなどを付けたりすれば、帽子嫌いな子でも愛着がわくようだ。

 大人用のクイック帽子テンプレートも販売されているので、次回は自分用の帽子にも挑戦しようかと思っている。親子でおそろいや色違いの帽子を作ってみるのも良さそうだ。

 洋裁が得意な人も、そうでない人も、短時間で簡単に帽子が作れるテンプレート。この機会に是非、手作り帽子にチャレンジしてみてはいかがだろうか。


2011年 5月 20日   00:00