やじうまミニレビュー
新香「新香こうねん」
新香「新香こうねん」 |
自分が、ある程度の年齢になると、年上の親戚や知人で亡くなられる方が増えてくる。それにしたがって、納骨や法事など墓参の機会も多くなった。また、自分の興味で昔の作家のお墓を尋ねることもある。いわゆる「掃苔(そうたい)」という趣味だ。
私は、近親者のお墓参りの際は線香と生花を、掃苔の時は線香を供えるようにしている。そして、いつも困るのが線香の火が付きにくいことだ。
地方によって多少の違いはあると思うが、墓参用の線香は、数十本の線香を束ねた形になっている。東京の墓地では、墓石の正面にこれを置くための皿状の部分があり、火をつけてから、横にしておくようになっていることが多い。最近では、火が消えにくいように、線香を置く部分が金網になっているお墓もある。
墓参のときは、左手に線香を持ち、右手のマッチや100円ライターで火を付けるのだが、なかなか火が付きにくい。特に風が強い日は、炎が揺れて苦労する。最近の公園型墓地では、風を防ぐための着火台なども用意されているのだが、それでも線香に火が着く頃には顔が煤けてしまうことが多い。
墓参用線香の火の付きにくさには困っている人も多いようで、100円ライターにかぶせるタイプの防火フードなども販売されている。何度か試してみたことがあるのだが、かさばることもあって持って行くのを忘れてしまいがちという欠点がある。
そんなときに、墓参用の生花売り場で偶然出会ったのが、今回紹介する「新香こうねん」というお線香だ。
メーカー | 新香 |
製品名 | 新香こうねん |
購入場所 | 楽天市場 |
購入価格 | 210円(3束入り) |
新香こうねんは、お墓参り専用のお線香だ。線香の束の中心に導火線が巻き込まれており、これに着火すると、とても良く燃える。導火線とは、ちょっと物騒な呼び方だが、ロウソクの芯のように糸をロウで固めたものだ。火薬は使っていないので、急に燃え上がるようなことはない。
中には3束が入っている | 束の先端部分に導火線が入っている | 束を取り出したところ |
普通の墓参用線香(右)との比較 | 分解したようす | 芯はロウで固められている |
着火の際は、導火線の先端をほぐし、線香を束ねている紙をはずしてから火をつける。何度か使っているが、風の強い日でも、着火に失敗したことがない。
着火するときの様子 |
今回は楽天市場の仏具店で購入した。以前に生花店で購入したときは、線香2束とマッチが入っていたが、今回購入したのは3束入っていて、マッチは入っていなかった。どちらかが新しいのかもしれないし、販路によってパッケージが異なるのかもしれない。メーカーのWebサイトが見つけられず、確認できなかった。
無事に火がついた状態 | 最近はこのように金網状になった線香台が多い |
墓参の際に線香の着火で悩む機会は、年に数回のことかもしれない。しかし、実際に墓参の場で「新香こうねん」を使ってみると、マッチ1本で簡単かつ確実に着火できることの、ありがたさが分かる。墓参の機会が多い方や、掃苔家の方に、お勧めしたい製品だ。
2010年 5月 24日 00:00
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