やじうまミニレビュー

カシオ「G-SHOCK “FROGMAN” GWF-1000」

~電波対応になって帰ってきた新世代のFROGMAN
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 携帯電話の普及により、年々、装着する人が減っているという腕時計。これまでより一層、実用面というよりむしろ、アクセサリの一種になってきている感があるが、機械式、デジタル式、問わず、ここ数年の腕時計のいわゆる「デカい文字盤」がひとつのトレンドだったことは間違いない。そうしたトレンドの先駆となったのが、1993年にデビューしたカシオのG-SHOCKシリーズの「FROGMAN」だ。

  ケース径50mmを超える大型ボディに、腕の動きを妨げないよう設計された左右非対称のボディや潜水対応であることから名付けられた“FROGMAN”(=潜水夫の意)のペットネームなど、強い個性を持ったこのブランドは、90年代半ばに訪れたG-SHOCKブームもあって、大ヒット製品となった。しかし、ブームが去った後でも、モデルチェンジのたびに即完売を繰り返し、希少なモデルともなればネットオークションで高値が付くなど、衰えない人気を誇っているモデルだ。

 しかし、他のG-SHOCKシリーズが軒並み、電波時計化したのにもかかわらず、未だ電波化を果たしていなかったモデルでもある。その理由は実に簡単。ダイバーズウォッチに必須の密閉性能を確保しつつ、電波を通す構造にしなければならなかったからだ。そして、10月、待望の電波化を果たして、限定モデルを除くと8年ぶりとなる新モデルが発売された。それが「GWF-1000」だ。


メーカーカシオ
製品名カシオ「G-SHOCK “FROGMAN” GWF-1000」
希望小売価格71,400円
購入価格49,900円
購入店舗ヨドバシカメラ

 なんといっても特徴は、電波受信ユニットに現在のG-SHOCKのラインナップ中ではもっともスペックが高い、日本2局、アメリカ、ドイツ、イギリス、中国の6局に対応した「マルチバンド6」を搭載したことだ。

 日本で使用する場合は、他の多くの電波時計と同じように、1日に1回、九州局または福島局の電波を受信し、時刻を補正する。ここからは私の体験に基づく実感だが、やはり、局に近い方が受信感度はよい。九州局が近い福岡では、部屋のどこに置いてもほぼ受信できていたが、東京の場合だと、置き場によっては受信できず、前回成功したのが2週間も前、なんてこともしばしば。ただし、これはどのメーカー、どの機種にも言えることで特にこの製品が劣っているわけではない。

 

曜日・日付・時刻を同時表示できる世界時計使用時。NYCはニューヨークのこと。現地時刻と日本の時刻を同時表示させている丸いマークが月齢を表示するムーンフェイズ。下の波線の表示がタイドグラフ。潮の状況に応じて点滅する
耐久性に配慮した2点留めベルト手のひら側のボタン。すっきりして出っ張りがない肘側のボタンは大きく膨らんでおり、押しやすくなっている
 ストリートファッションとして受け入れられた感じの強いFROGMANだが、中身はれっきとしたダイバーズウォッチ。ISO規格準拠200m潜水用、防水200気圧に対応する。特に満潮、干潮がわかるタイドグラフと、月齢がわかるムーンフェイズ機能は、ディスプレイ上部に表示されており、外見上でもひときわ目立っている。このほかダイバー用の機能としては、潜水時間を計るモードなども用意されている。細かい部分ではウェットスーツを着た状態でも操作しやすいよう、大きめのボタンを採用している。

 

裏面には蛙のマークが付いている
 また、FROGMAN伝統の左右非対称デザインは、大きめの本体であっても腕の動きを妨げないようにするためのもの。手のひら側はすっきりとさせる一方、動く部分のない肘側にボディを出っ張らせ、窮屈しないような作りになっている。

 G-SHOCKとしてはもはや標準の機能だが、ストップウォッチ、アラーム、世界時計といった機能も搭載。メインに日本時間を表示しつつ、サブに世界時計、といったこともできる。そしてもちろん、電源は太陽電池と二次電池を組み合わせた「タフソーラー」を搭載。電池交換、時刻合わせが不要なメンテフリーの時計である。

 と、いろいろ書いてきたが、なにより意義深いのは、冒頭にも書いたとおり、「FROGMANが電波化したこと」に尽きる。特に限定製品ではないが、すでに品薄が続いているようだ。店頭で見かけたら試着して、そのずっしりとした質感と特徴的なボディを味わっていただきたい。


 

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2009年 11月 13日   00:00