ミニレビュー

夏のe-bikeサイクリングに向けてアイウェアを新調したい! S-PHYREを試す

ミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです

日差しが強い季節になってきました。この季節、筆者的に気になっているのがサイクリング向けのアイウェア。サングラスの類ですが、これまで使っていたアイウェアのレンズ面に傷をつけてしまったので買い替えを考えています。

次はどのアイウェアにしようか? などと思いつつシマノ公式サイクリングオンラインストアアイウェア・カテゴリーを見ていたら、ちょっと気になるアイウェアを発見。「S-PHYRE X-RD」です。

シマノ「S-PHYRE X-RD」はサイクリング向けのアイウェアで、フレーム色違いで3種類あります。フレーム色は上から、METALLIC BLACK、GLOSS CHAMELEON、MATTE METALLIC WHITE。価格は23,100円

このアイウェアの名前についている“S-PHYRE”は、シマノ最高峰の自転車用品ブランド名です。読み方は“エスファイア”。

S-PHYREブランドには、シューズ、ウェア、アイウェアがラインナップされています

この「S-PHYRE X-RD」に対して筆者が気になっている点は、まずシマノ最高峰のアイウェアってどんな使用感なのかということ。それからローワーリム(レンズ下部のフレーム)を交換してカスタマイズできるというユニークな機能性を備えていることです。

S-PHYRE X-RDに付属するローワーリム。最初から装着されているブラック以外に、ブルー、レッド、グリーン、イエローが付属しています。アイウェアの見栄えをガラリと変えられそうですね

というわけで、S-PHYRE X-RDのサンプルをお借りして使ってみました。以下にレビューをお届けします。

良好なフィット感、視野が広いハイコントラストレンズも快適

お借りしたS-PHYRE X-RDはフレーム色がMATTE METALLIC WHITEのモデル(ECESPHX1RDW04)。まずはS-PHYRE X-RDのパッケージをチェックしてみましょう。

同梱品は、ケース(トラベルボックス)、レンズクリーニングクロスとしても使える専用ポーチ、アイウェア本体と交換用レンズ、4色の追加ローワーリム、交換用ノーズパッド
アイウェアに装着されているレンズは、晴天向けのハイコントラストレンズ「RIDESCAPE RD(ライドスケープロード)」です。曇天用の交換レンズ「RIDESCAPE CL(ライドスケープクラウディ)」が付属していて、簡単に交換できます。どちらもUV400フルプロテクションで、レンズから入ってくる紫外線を99%以上カットします
ノーズパッドはLサイズとSサイズの2種類が付属しています。これも容易に交換可能

さっそく試着してみましたが、ノーズパッドのLサイズを使ったら筆者にピッタリとフィットしました。Sサイズでもフィットしましたが、レンズが目に近い感じで、大きめのLサイズを装着したらちょうどよくなりました。

余談ですが、筆者はシマノ製アイウェアで「フィットしなかった」ということがありません。過去に2つ買いましたが、どちらもよくフィットしました。筆者の頭は日本人特有の形状なので、あるいはシマノ製アイウェアは日本人によく向く形状なのかもしれません。ただ、フィット感は人それぞれということもありますので、ご購入時は試着なさってください。

もうひとつ、S-PHYRE X-RDのテンプル(耳にかかるフレーム)が頭部を締め付ける感じが好印象です。強すぎず、でも弱くなく、頭部をちょうどよく挟む感じ。自転車用アイウェアとして「走行中に頭を動かしても、これならまずアイウェアがズレたり落ちたりはしない」という安心感があります。テンプル後方のラバー製滑り止めも一役買っていると思います。

実際に走ってみますと、風をさえぎる感じも好印象。やや強い風からも目をしっかり守ってくれるという感触です。

テンプルは頭部をちょうどよく締め付ける感じで、テンプル後方の滑り止めの効果もあり、走行中にズレたり落ちたりしにくいです。自転車用アイウェアとして安心感とともつ使えます

それからレンズ。オレンジ色っぽい晴天向けのハイコントラストレンズ「RIDESCAPE RD(ライドスケープロード)」は、晴天下の風景をクッキリと見せてくれます。路上の人工物がハッキリと見えるほか、路面の小石やヒビなども(裸眼より)よく見えます。

付属の曇天用の交換レンズ「RIDESCAPE CL(ライドスケープクラウディ)」ですが、これは上記RIDESCAPE RDほどはコントラストが高まる感じではありませんが、裸眼よりクッキリとした視野が得られます。また比較的に色が薄いレンズで視野をあまり暗くしないので、夕方~夜でも使えるように思います。

付属の曇天用の交換レンズ「RIDESCAPE CL(ライドスケープクラウディ)」を装着した様子

どちらのレンズも一体型レンズなので、視野が広いのも印象的。視界をさえぎるパーツが少ないので、アイウェアを装着しているという違和感がかなり少なくて快適です。

ほか、レンズには独自のコーティングがなされているようで、汗などの水滴や、あるいは指紋がつきにくいようです。少し汚れても付属のレンズクリーニングクロスとしても使えるポーチで拭けばレンズはきれいになります。

という感じで、サイクリング向けアイウェアとしては抜け目なしという印象。さすがのシマノ最高峰アイウェアだと思いますが……そう考えると価格的にはわりと抑えめなのかもしれません。

レンズやローワーリムの交換は簡単

S-PHYRE X-RDはレンズやローワーリム(レンズ下部のフレーム)を交換できます。交換方法は容易。ただ、多少コツを掴まないと「こんなに引っぱったらフレームが折れたりしないかな?」という心配が生まれたりも。高剛性で強靭なフレームなのでまず折れることはないと思いますが、ともあれどんな手順で交換できるのかを見てみましょう。

まず、S-PHYRE X-RDの上部フレームを外す手順から。上部フレームは赤矢印の3箇所で固定されています。外す場合は中央(鼻の上)の固定箇所から外していきます
上部フレーム中央を上にやや強く引くと外れます。隙間ができたら外れた状態です
続いて左か右の箇所を外します。横に引くようにすると外れます
反対側も同様に横に引いて外します。すると、レンズと上部フレームが分離されます
続いてローワーリム(レンズ下部のフレーム)を外します。写真はレンズを内側から見た様子です。なお、ローワーリムと上部フレームは構造的に個別になっているので、上部フレームがついた状態でローワーリムから外しても大丈夫です
ノーズパッドを下に引くようにして外します。ローワーリムはノーズパッドによって脱落防止がなされています
続いて、ローワーリームの左もしくは右の端を横に引いてレンズから外します
ローワーリムはノーズパッド台座とやや立体的に組み合っています。力を入れず斜め手前に持ち上げるようにして引けば外れます
同様に反対側のローワーリムも外します
さらにノーズパッド台座を外します。台座をつまむようにして下に引くと外れます。これでローワーリムとレンズを分離できました
レンズに上部フレームやローワーリムを装着する手順を見てみましょう。まずは上部フレームにレンズを装着する様子です。なお、レンズに対して先にローワーリムを装着しても大丈夫です
上部フレームの左か右の切り欠きを、レンズの切り欠きに合わせてはめ、横方向に押し込みます
同様に反対側の切り欠きも押し込みます
最後に上部フレームの中央をレンズ中央上の切り欠きに押し込みます。押し込んでいるときにカチッという感触があれば装着完了
レンズにローワーリムを取り付ける様子を見てみましょう。ローワーリムは付属4色のうちレッドを装着してみます
まずはレンズ下中央にノーズパッド台座を装着。下から軽く押し込むようにすれば入ります。写真はレンズを内側から見た様子です
ノーズパッド台座内側には、ローワーリムと嵌合する切り欠きがあります。まずはここにローワーリム内側の爪のような部分を噛み合わせます
嵌合部のアップ。ノーズパッドを止める黒い棒状パーツの下にあり、やや見えにくい切り欠きです
ローワーリムの内側をノーズパッド台座の切り欠きに入れれば、あとはレンズに沿ってローワーリムをはめ込んでいくだけ。力は要りません
反対側のローワーリムも同様にはめ込みます。最後にノーズパッドを装着すれば完了
ノーズパッドをはめることにより、ノーズパッド台座とローワーリム端の爪の嵌合が外れないようになります。ローワーリム端の爪の先はレンズにまで届いていて、ノーズパッド台座の抜け落ち防止にもなっているようです。シンプルにして繊細。とてもよくできた機構です
ローワーリムがレッドになり、アイウェアの外見的イメージがかなり変わりました

といった感じで、簡単な手順を頭に入れ、力の入れ具合のコツを掴めばスピーディにレンズやローワーリムを交換できます。ただ、交換時は指でレンズに触れてしまいがちなので、交換後にレンズに付着した指紋を拭き取る手間はありそうです。

高性能なサイクリング用アイウェアでありつつ、ローワーリムを交換してイメージチェンジもできるS-PHYRE X-RD。細部のつくりを知るほどに、なるほどシマノ最高峰アイウェアなんだなと納得させられたりもします。やはり23,100円という価格、わりとリーズナブルという気がします。ともあれ、シマノからはほかにも多数のアイウェアが発売されていますので、興味があればチェックしてみてください。

スタパ齋藤