藤山哲人のモバイルバッテリー診断

エレコム「DE-M02L-3010」

~スマートフォンちょうど1回分のカラフルなバッテリー

「モバイルバッテリー診断」は、スマートフォンの外部電源として普及しているモバイルバッテリーをレビューするコーナーです。(編集部)

 スマートフォンユーザーなら、エレコムの「DE-M02L-3010シリーズ」を1度は見たことがあるかもしれない。とにかくカラーバリエーションがたくさんあるので、量販店のモバイルバッテリー売り場でも特に目立つ。数年前から変わらないデザインが、使いやすさを物語っている。

 今回紹介するのは、スマートフォンをほぼ1回充電できる容量3,000mAhタイプ。ちなみに、同じデザインで約2回充電できる容量4,700mAhのタイプも用意されている。

 本体サイズはスマートフォンより一回り小さい61×107×14mm(幅×奥行き×高さ)。男性ならYシャツのポケットにスマートフォンと重ねて持ち歩くのにちょうどいい。女性でも小さいポーチやハンドバッグに滑り込ませられる大きさだろう。カラーやデザインが豊富なのも特徴だ。

エレコムの「DE-M02L-3010」。カラーは全部で8種類ある
カラーバリエーションが豊富で、8種類もある
メーカー名エレコム
品名・型番DE-M02L-3010
バッテリー容量3,000mAh
繰り返し利用回数500回
本体サイズ(幅×奥行き×高さ)61×107×14mm
重量90g
カラー・モデルピンク、ホワイト、ブラック、ブルー
レッド、グリーン、白黒水玉、植物シルエット柄
販売価格3,000~5,000円程度
対応スマートフォンAndroid、iPhone、iPod
本体上部。スマートフォン充電用のUSBコネクタ(左)と、自身を充電するMicroUSBコネクタ(右)を備える
上から見て本体右。引っかかる部分は何にもない
本体天面。ボタンは中央が丸く凹んでいて、誤動作しないようになっている
本体下部。底にも何もなくノッペリとしたシンプルなデザイン
上から見て本体左。こちらも引っかかる部分が何もない
本体底部。バッテリーの諸元が印刷されている
■■注意■■

・実験結果は、室温がコントロールされていない環境で行なっています。電池は温度により、その特性が大きく変わる点にご注意ください。
・実験結果は記事作成に使用した個体に関してのものであり、すべての製品について共通であるとは限りません。
・実験結果に基づいた実容量やロス率は、その値を保障するものではありません。
・筆者および家電Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにはお答えできません。

性能はいたって標準的。1.5Aの超急速対応のスマホには不向き

充電の実測テストに利用した、2012年夏モデルの富士通製「ARROWS X F-10D」。内蔵バッテリー容量は1,800mAh

 まずは内蔵バッテリー容量1,800mAhのスマートフォン(ARROWS X F-10D)を実際に充電してみた。同梱されているケーブルは15cmほどと短く、スマートフォンと重ねてポケットに入れて充電するにはちょうどいい長さ。また電源ボタンは少し凹みを持たせているので、スマートフォンと重ねても誤操作してしまうこともない。

・スマートフォン充電テストの結果
充電回数「90%」(1,674mAh相当)
※測定条件は、WiFi:ON、Bluetooth:ON、GPS:ON、省電力モード:OFF、画面OFFの状態で充電、電池残量約10%から充電開始し90%程度までを繰り返し、アプリ「Battery Mix」にて容量変化を記録

同梱のケーブルの長さもちょうどよく、重ねて持ち歩くのに便利
余計なものは一切なく、非常にシンプルなデザインとコネクタなので、初心者でもマニュアルレスで使えるだろう
バッテリー残量計は1色4灯式。ただ、3,000mAhに4目盛りもいらない

 出力はUSBコネクタ1つで、最大1A。たいていのスマートフォンの急速充電に対応できるが、1.3Aを必要とする“超急速充電”には対応できない。これらを接続した場合、まったく充電できないというわけではなく、「超」ではない急速充電となる。したがってスマートフォンに付属のACアダプタが1.5A出力の製品にはオススメできない。またiPhoneやiPodは対応を謳っているが、iPadはメーカーで非対応としている。

 バッテリー残量計は、青のLEDの4灯式となっており、1目盛りあたり25%を示している。スマートフォンを充電できる回数がほぼ1回なので、25%単位で残量を確認することはないが、このデザインがエレコムのモバイルバッテリーシリーズの顔となっているので、ヨシとしたい。

【スマートフォン充電(出力)スペック】

【スマートフォン充電(出力)スペック】
項目詳細
USBコネクタ数1
USB最大電流1A(1,000mA)
充電ケーブル (コネクタ)MicroUSB-USB
残量インジケータ1色4灯式
自動電源OFF本体電源ON時も有効 40mAでOFFを確認
同時充電-

電力の安定性も実容量も標準的

 たいていのスマートフォンは約1Aで急速充電するため、独自の測定器を用いて連続して1Aの電流を流し、電圧と電流の変化、そしてスマートフォンに充電できる実容量を測定した。

 なお実用量とは、パッケージの「○○mAh」というバッテリー容量のうち、実際にスマートフォンを充電できる容量を示す。実用量率は、表示容量に対する割合で、値が大きいほど高性能バッテリーといえる。

電流は900mAを中心に±50mAの範囲でブレる。ただし、実用上問題はない
電圧は5Vで安定している。よく見ると、残量がなくなるにつれ電圧が極々わずか落ちている

 独自の測定器でテストした結果、安定した5Vを出力しているようだ。実用上まったく問題はないが、電池の減りと同時にわずかに電圧が落ちていくのが特徴的だ。電流は、900mAあたりを中心に始終±50mAのブレが見られるが、こちらも実用上はまったく問題ない。

 3,000mAhという表示容量に対し、実際にスマートフォンに充電できる実容量はどのぐらいだろうか? 結果は61%で、3,000mAhのうち1,831mAhが充電できるようだ。およそ4割をロスしている計算だが、極めて標準的な実容量率といえる。

表示容量3,000mAhのうち、1,831mAhがスマートフォンの充電に使える。極めて標準的な実容量率だ

 なお計算を元に出した実用量から、各種スマートフォンやタブレット、携帯ゲーム機をおよそ何回充電できるかは、次のとおりになる。Android系の場合、カッコ内が内蔵バッテリー容量を示している。

【実用量と各種スマートフォンの充電回数予測】
項目詳細
バッテリー表示容量3,000mAh
連続利用時の実用量1,830mAh(61%)
連続実用量1,000mAhあたりの価格2,186円
充電回数(理論値)Android(1,300mAh):1.3回
Android(1,500mAh):1.1回
Android(1,800mAh):0.9回
Android(2,000mAh):0.8回
Android(2,200mAh):0.8回
Android(2,500mAh):0.7回
Android(3,000mAh):0.6回
iPhone 4S(1,432mAh):1.2回
iPhone 5(1,434mAh):1.2回
ソニー PSP(1,200mAh):1.4回
任天堂 3DS(1,300mAh):1.3回

 上の表で1つお知らせがある。前回までのモバイルバッテリー診断では、Android系のスマートフォンは最大2,200mAhまで掲載していた。しかし2013年夏のモデルから、3,000mAh超のバッテリーを内蔵しているものも発売されたため、以降は2,500と3,000mAhの場合も追加していくことにする。

 もう1つ但し書きをさせてもらいたい。本製品は販売店によって価格差がかなりある。安い店では3,000円、高いところになると5,000円と、市場価格に幅があるため「連続実用量1,000mAh あたりの価格」は、中間の4,000円で購入した場合を想定している。そのため他の3,000mAhクラスの製品に比べるとやや割高のように見える点にご注意いただきたい。

入力は最高800mAで充電はやや遅め

 本製品には充電器が同梱されていなかったため、2Aの出力ができるUSB ACアダプタを利用したところ、およそ5時間15分でフル充電できた。3,000mAhのモバイルバッテリーはたいてい4時間で充電できるので、やや遅めといった感がある。

 なお充電には最大800mAの電流が必要なので、別途USB ACアダプタを購入する場合は、出力1A以上のものを選ぶといい。それ以下の場合は、マニュアルによれば最大12時間かかるとしているので、実用性に問題が出てしまうだろう。

 繰り返し利用回数は、標準的な500回となっている。充電性能に関しても極めて標準的なモバイルバッテリーと言える。

【本体充電スペック】
項目詳細
本体充電用コネクタMicro USB
添付充電器(仕様)なし
充電時間(カタログ値)5~6時間(ACアダプタ利用時)
充電時間(実測)5時間15分
繰り返し利用回数500回

万人向けでソツがない。薄型で迷ったらコレ

 まとめると、万人向けでソツがない製品だ。とりあえずモバイルバッテリーが欲しいという場合は、デザインも8種類の中から選べるこの製品をオススメしたい。

 唯一の難点は、安いところで3,000円、高いところだと5,000円と市場価格に大きな幅がある点だ。筆者の経験と独断で判断すると、適正な価格は約3,000~3,500円程度だろう。これより安値が付いていれば即買いだが、高値が付いている場合は安くなるのを少し待つといいかもしれない。

【総合評価】
メーカー・品名エレコム「DE-M02L-3010」
ロスの少なさ ★★★☆☆(3)
持ち歩きやすさ★★★★★(5)
単位容量の安さ★☆☆☆☆(1)
 充電の早さ ★★★☆☆(3)
使い勝手のよさ★★★★☆(4)

藤山 哲人