家電製品ミニレビュー

コクヨS&T「Silent-Duo(サイレント デュオ)」

~1万円以内で買える、静かさと細断能力を備えたシュレッダー

デスクサイドマルチシュレッダー Silent-Duo(サイレント デュオ) KPS-MX100W

 いつのまにやら家に溜まっている何かしらの紙類。単なるチラシなら資源ごみに出せば良いが、公共料金の払込票やクレジットカードの利用票など、個人情報が記されたものは、そのままではなかなか捨てにくい。

 そんな時に便利なのが、家庭用のシュレッダー。紙を小さく刻むことで、個人情報の保護に役立てられるうえ、ごみがコンパクトにまとめられる。中にはCDやDVD、カード類の切断機能が付いている機種もあり、手軽かつ安心にゴミが捨てられる便利な機械だ。

 しかし、家庭用のシュレッダーは、音がうるさかったり、オフィス向けと違って投入枚数が少なかったりと、能力に不安もある。しかも家庭に置くものだから、それなりにコンパクトではないと困る。

 そこで今回選んだのは、コクヨS&Tの「Silent-Duo(サイレント デュオ)」だ。この製品、「作動音が大きい」「投入枚数が少ない」「連続細断時間が短い」「CDやカードの細断ができない」という家庭用シュレッダーの不満の声に応えたという。本当にそのあたりの不満は改善されているのか。ひとまず試してみよう。

メーカーコクヨS&T
製品名デスクサイドマルチシュレッダー
Silent-Duo(サイレント デュオ) KPS-MX100W
購入場所Amazon.co.jp
購入価格9,272円
右は、以前にレビューで紹介した小型サイズの「デスクトップシュレッダー S10C」。体積にして2倍以上の差がある

 箱から取り出した本体は、意外と大きかった。本体サイズは180×355×355mm(幅×奥行き×高さ)なので、昔購入した小型サイズのシュレッダー「デスクトップシュレッダー S10C」(以下、S10C)と比べて2倍以上の体積がある。とはいえ、そのぶん紙はA4サイズがそのまま投入できるし、ゴミ箱の容量は10Lと多い。ちなみに、S10Cの紙の投入サイズはA5、ゴミ箱の容量は2.5Lとなっている。

 使用準備はとても簡単。ラベルやシール類を剥がし、コンセントに電源を入れる。あとは、電源スイッチを「細断」に合わせ、本体上部の投入口から紙を入れれば、すぐにカットがスタートする。投入口は紙とCD・カード類の2つがあり、指が誤って入らないよう、4mmと非常に細くなっている。なお、紙を投入する際には、ホッチキス(ステープラー)の針は取り外しておく必要がある。

投入口。左側が紙で、A4サイズがそのまま投入できる。右下はCD/DVD/BD/カード類の投入口
本体側面は無地でこれといった特徴はない
庫内のゴミ箱を取り外したところ。これをセットしないと運転しない
投入口の幅はわずか4mm。指が入る余地はない

 さっそく紙を投入すると、音は確かに静かだった。もちろんブーンという低音はするが、前に使っていたS10Cと比べると、高音が抑えられている印象。特に、ガタガタと振動音が少ないようだ。本体が大きく、安定していることが影響しているのかもしれない。これなら、夜に使用しても問題にはならないだろう。

サイレントデュオでシュレッダーをしているところ。音は比較的静かだ
こちらはこれまで自宅で使っていた「S10C」。小型タイプとあって、音はサイレントデュオよりも大きめ

 また、一度の投入枚数が6枚というのも便利だった。これまでの家庭用シュレッダーでは、紙をめくりながら1枚1枚シュレッダーにかけていたが、サイレントデュオなら「たぶん5~6枚だろう」と大雑把に投入しても、もりもりカットしてくれる。もちろん、1枚の紙を2つ折り、3つ折りにしてもカットOKだ。

A4サイズの紙がそのまま投入できる。6枚までカット可能で、連続運転も12分まで大丈夫
またも比較用の「S10C」。投入口はA5サイズで、A4の紙は半分に折って投入する。小型タイプのシュレッダーにありがちだ

 ここで調子に乗って、6枚の紙を2つ折りにし、12枚のような状態でカットしてみると、折り目の手前の部分で詰まってしまった。この場合は電源スイッチを「逆転」に合わせて、詰まった紙を取り出そう。

 細断した紙は、4×40mmにカットされる。これはシュレッダーではよくあるカット幅だが、以前使っていたS10Cの2×10mmという“極細カット”に比べると、ちょっと大きい感もある。中にはカット後の文章が読めてしまうこともあった。個人情報保護に万全を期すためには、文章が流れる向きに気をつけて投入した方が良いかもしれない。

カット幅は4×40mm
投入する向きによっては、文章がそのまま読めてしまうこともある。気をつけよう

 本体内のゴミ箱は、前述の通り10Lとかなり多い。ある程度ゴミが溜まっても、押しこめばさらに溜められる。連続細断時間も12分と非常に長く、投入すればスイスイカットしてくれる。まるでオフィスのシュレッダーのような使い心地だ。我が家の不要な書類を10枚ほど処理したが、ゴミ箱はまだまだ余裕だった。

 CDやDVDのカットも問題なくできた。カット後はディスクが5つに細かく分割される。これなら小さくまとめられそうだ。

ゴミ箱の容量は10Lと大容量。ある程度溜まっても押し込めばさらに入る
DVDをカットしているところ
カット後は細かく5つに分割される

 ひと通り使ってみたが、本製品の良いところは、カットが快適かつスムーズに進むところだろう。音も静かで、A4の紙を折らずにそのまま6枚連続投入でき、しかもゴミ箱の容量も大きい。“家庭用だから仕方ない”と妥協する点がとても少ない。安物のシュレッダーを購入して「うるさいし、全然カットしてくれないし……」と不満を抱えている方なら、おそらく満足するはずだ。

 マイナス面としては、性能の高さに比例するように大きめの本体か。ただし、壁に沿わせて置いたり、机の下に置くなどすれば、特に大きさは問題にはならなかった。逆に、A4投入OKの静音タイプで、このサイズに収めていることを褒めた方が良いかもしれない。

大きさについて序盤で難癖をつけたが、部屋の隅や壁に沿わせて置けば、大した邪魔にはならない
机の下はまさにベストポジション

 確かな能力を持った製品なので、これまでの家庭用シュレッダーに満足できなかった人、家庭に貯まった書類をジャンジャン処理したい人、自宅を職場としている人にはもってこいの製品だろう。家庭でもオフィスのような使い心地のシュレッダーの購入を検討している方は、実売1万円以内で実力十分の本製品を選んでおけばハズレはないだろう。

正藤 慶一