家電製品ミニレビュー
三洋電機「加湿空気清浄機 ミストリーム ABC-VWK71C」後編
三洋電機「加湿空気清浄機 ミストリーム ABC-VWK71C」 |
前編では三洋電機の「加湿空気清浄機 ミストリーム ABC-VWK71C」(以下、ミストリーム)の機能や使用法についてお伝えした。後編では、実際の使用感や手入れについて触れたいと思う。
■脱臭、加湿機能を実感。でも……寒い!
ミストリームは、広範囲に向けてパワフルに、素早く空気をきれいにする加湿空気清浄機だ。適用床面積が約33畳程度まで(54平方メートル)と広く、「デュアル空間清浄システム」を搭載することによって、脱臭、清浄のスピートが、従来品の約1.5倍と、スピーディーなのが特徴だ。
運転モードは、向きや風量、加湿具合を自動的に調整してくれる「おまかせ自動」のほか、消費電力を抑えられる「エコ自動」、部屋の空気を素早くきれいにする際に便利な「パワーモード」などがある。
我が家では、夜寝ている間は「エコ自動」にしている。消費電力を極力抑えられるし、きれいな空気を保っておける。
もちろん、エコ自動だからといって、消臭効果が弱まることもない。朝、他の家族が食事をしている音やニオイで目を覚ますことがあるのだが、ミストリームを起動していると、エコ自動でも、1階の臭いが、2階まで届いてこなかった。あまりにもなんの臭いもしてこないので、寝坊しそうになった日もある。思わぬところでミストリームの効果を実感したといえる。
また、冬場は同じ部屋にあるガスストーブをつけているのだが、独特のガス臭さも気にならなくなった。食事中にあの臭いがすると食べ物の味があまり感じられなくなるのだが、ミストリーム起動中だと、ガスストーブをつけた時にミストリームの赤いランプが点灯し、急速に臭いを吸い込む。嫌な臭いを感じることはなかった。
我が家のように、キッチンとダイニングが一緒になっていて、ガスの暖房を使っている家庭には、ちょうど良いだろう。
加湿機能に関しては、前編でお伝えしたように、湿度計の数字に既にはっきりと結果が現れていた。ガスストーブの前にうずくまって暖をとっていても、腕や足の皮膚が乾燥してくるのをあまり感じずに済んだ。
適用床面積が広いというのも、使ってみて実感した。ミストリームを置いていたのは1階のダイニングキッチンだったが、2階の部屋でも効果が現れたのだ。冬場は朝起きると喉がカラカラ痛くて、マスクをして寝ることもあるのだが、夜間にミストリームを運転するようにしたら、朝の喉の不快感がなくなったのだ。
使っていて気になったのは、ハイパワーすぎて、吹き出す空気が寒く感じられたことだ。吹き出し口に手をかざすと、手のひらに当たる空気が冷たい。うちでは特に祖母が「寒い寒い」と言っていた。エコ自動モードにしても同様だった。
これは、フィルター気化式のしくみによるものだろう。電解水が染み込んだフィルターに空気を送って加湿するから、吹き出してくる風はおのずとひんやりしたものになる。
確かに、祖母の座る椅子の近くに設置したのも良くなかった。ミストリームを使うには部屋の広さが十分ではなかったのも原因かもしれない。ミストリームに限らず、空気清浄機にはそれぞれ適用床面積というものがある。導入の際には部屋の広さにあったものを選ぶようにしよう。
■手入れは簡単。ものぐさな人でも大丈夫
手入れというと、面倒そうなイメージだが、ミストリームの場合はかなり簡単だ。毎日の手入れは、給水タンクを水道水でゆすぐだけ。毎日水を交換する際についでにできるので、そんなに面倒なことはない。
加湿フィルターセットは、2週間に一度ゆすぐ必要がある。前の手入れから2週間ほどすると、給水ランプの部分が点滅して、知らせてくれるのだ。これならうっかり忘れることもない。
本体側面からトレイを外す | トレイには水がたまっている | 加湿フィルターセットが付いているところ |
上から見たところ | 先にカバーを外す | 加湿フィルターセットを外す |
まずはじめに、本体から給水タンクと加湿フィルターセットの乗ったトレイを外す。トレイに残った水は捨てる。トレイから加湿フィルターセットを外して、加湿フィルターセットを分解する。
加湿フィルターを分解する。まずはツマミをひねってピンを外す | 外すのにはあまり力は必要ない | 加湿フィルターが現れた。裏表は特に決まっていない |
ふわふわしている | 押し洗いする。揉んではダメ | 最後に、組み立てなおして本体にセットして、リセットボタンを押す |
外枠を外すと、白い円盤状の加湿フィルターが現れる。これを水道水をためた桶にいれ、じゃぶじゃぶ押し洗いする。
最後に加湿フィルターを組み立てなおして元のようにセットし、リセットボタンを押せば、おしまい。かかった時間はおよそ10分程度。ものぐさな自分でもこれならなんとかなると思った。
同様に、ミスト吹き出し口も、本体から外して洗える。ミスト吹き出し口の下には、本体の内側にミストを送り出すパイプが収まっている。これを本体からはずして、丸洗いできるのだ。まず、本体カバーを外す。本体左側のミスト吹き出し口が収まっている部分に指を差し込み、ミスト吹き出し口を押し上げる。すると、本体上面から細長い棒のような形をしたミストパイプが出てくる。これを抜いてサッと水道水で洗い、よく乾かしてから取り付ける。
最初は奥まで指を入れるのが難しく感じた | ミスト吹き出し口を引き抜く | ミストパイプは細長い棒のような形をしている |
また、吸気口や吹き出し口にほこりがたまってきたら、掃除機で吸い取ればいい。電源が入っている時しかルーバーは開かないので、必然的に掃除機を向けるのは電源を入れた状態になるが、掃除機で吸い込み始めるとたちまちホコリがたったようで、ミストリームはそれを察知して赤いランプをつけ、猛運転を始めた。さながら空気清浄機VS掃除機という変な構図になって、おかしかった。
ルーバーが開いた状態で吸い取る。だが、すぐさまセンサーがほこりを感知して赤いランプがつき、風量が急速になった | 下は特にほこりが多い | 左右の口も忘れずに |
脱臭フィルター前面は、基本的に3~6カ月に1回、汚れの量によって、掃除機で吸い込んで手入れする。脱臭フィルターは、約2年に1度の水洗いで、約10年間使用できる。掃除機をあてる前とあてた後の違いは、以下の画像でご確認いただきたい。黒いフィルターに付着したホコリがとれたことが確認できると思う。
脱臭フィルターに掃除機をあてる | 手入れ前 | 手入れ後 |
洗うのは全て水道水だけでできるので、便利だ。また、ランプで手入れの時期を知らせてくれるので、忘れっぽくてものぐさな私も助かっている。
■三洋技術の集大成。満足度は高い
以上、今回はミストリームの使用感について述べてきた。三洋というブランドの扱いは、まだはっきりしないので、三洋の出す空気清浄機としてはこれが最後の1台になる可能性もないわけではない。
三洋といえば、幅広い世代、地域で使われてきたブランドだけに、やはり寂しい感じがする。学生時代、異国の地で、宿に備え付けのドライヤーが三洋製だったのに気づいて、心強く感じた経験があるだけに、残念だ。
このミストリームには、三洋の空気清浄機の集大成とか、史上最強という言葉も使われているようだ。確かに実際使ってみると、加湿もできて、ウイルスウォッシャーも搭載していて、それをボタン1つで自動的に調節もできて、手入れも楽で、とにかくパワフル…。この機能の充実っぷりをみたら、確かに、集大成という言葉にも頷けた。
今回は、2日に渡ってミストリームの特徴と使用感についてお伝えしてきた。これから花粉が本格的に飛散する時期なので、引き続き効果を期待したいところだ。ダイニングキッチンやリビングダイニングの間取りで、家族と一緒に住んでいる人や、家に来客が多い人には、ぜひともおすすめしたい。
2011年2月25日 00:00