家電製品ミニレビュー
ELPA「LEDセンサー付ライト PM-L257」
■センサーとLEDの方向を変えたい
ELPA「PM-L257」 |
夜中にトイレに起き、暗い廊下を歩いていると、自動的にポッと明かりが灯るとのはいいものだ。センサーライトを設置して置いてよかったと思う瞬間だ。乾電池で動作するLEDと、赤外線で人間を感知する人感センサーの2つの技術が普及してから、このようなセンサーライトは珍しくなくなった。
しかし、LEDセンサーライトにも、まだ課題はある。その1つは、人感センサーの感知範囲が限定されていることだ。センサーの感知範囲は左右40度から広くても100度なので、感知できない範囲がある。たとえばちょっと離れたLEDライトが灯ってほしいのに、かなり人間が近寄らないとLEDが点灯しない場合がある。
今回紹介するELPA「LEDセンサー付ライト PM-L257」は、LEDとセンサーがそれぞれ回転する――つまり、センサーが感知する方向と、LEDが照明する方向を、それぞれ調整することができるLEDライトだ。人が歩いてくる方向にセンサーを向けておけば、感知しやすくなるという発想だ。
屋外型の防犯用センサーライトでは、センサーやLEDの照明方向を変えられる製品が多いが、屋内型ではちょっと珍しい。センサーの方向を変えられる屋内型製品としては、日本セラミックの「エコパ2」などがあったが、あれはセンサー方向とLEDの照明方向が同じ向きに固定されていた。今回のPM-L257は、センサーとLED照明の方向が独立して変えられるところが面白い。とりあえず、Amazonで購入して実験することにした。
メーカー | ELPA(朝日電器) |
製品名 | LEDセンサー付ライト PM-L257 |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | Amazon.co.jo |
購入価格 | 2,285円 |
■廊下用センサーライトとしてお勧め
到着した製品のパッケージは、ELPAのLEDセンサーライトに共通のブリスター型で、ごく簡単な造りになっている。取扱説明書は2つ折りになった台紙に印刷されている。
本体は円形で、中央のセンサー部分と、周辺のLED部分が独立して回転するようになっている。本体は、木ネジまたは両面テープで壁などに固定するようになっている。
パッケージはブリスター型 | 台紙がそのまま取扱説明書になっている | 本体以外は木ねじとコンクリート壁用のプラグ、両面テープが入っている |
本体の幅は9cmぐらい | 本体底面 | 壁に固定するための台座は直径4cmほど |
電源は単三アルカリ乾電池が3本。1日10回点灯で、ほぼ1年持つとされている。壁などに固定されるのは台座だけで、LEDライト本体は外せるので、電池交換のたびに大仕事になることはない。とりあえず、電池を入れてみよう。
底部を回転させると電池ケースが現われる | 単三形乾電池が3本入る | 底のフタを閉めるときは位置を合わせて回す |
本体には電源スイッチもモード切替スイッチもない。この製品は人感センサーに加え、明暗のセンサーも持っているので、「暗くて人がいる」時に自動的に点灯する。周囲が5lxで点灯し、10lx以上の明るさだと消灯するので、かなり真っ暗に近い状態でないと点灯しない。また、点灯してから約20秒で消灯する。
人感センサーの感知範囲は約4mとされている。ただし、センサーの範囲は図に示されているように、ちょっと癖がある。また、メーカーが想定している使い方は、このセンサーライトを廊下や階段などの壁に貼り付ける形で考えているようで、この場合は、センサーを横に向け、LEDは下に向けて設置する。
LEDは白色で、かなり明るい。LEDが回転することからもわかるように、照射範囲はくっきりとしている。むやみに周りを照らすのでなく、必要な部分だけを照らすという構造だ。廊下などに取り付けるときは、少し高い位置に設置した方が良い。あまり低いと廊下全体ではなく足下だけを照らしてしまう。
センサー部分は手で回す。半透明の六角形が見えている方がセンサーの感知方向になる | LEDは白色で1灯タイプ | LEDを点灯した状態。かなりくっきりと指向性が強い光だ |
センサーとLEDの照明方向の説明 | メーカーお勧めの使い方。歩いてくる方向にセンサーを向け、下を照らす | 乾電池が3本入るため、重さは134gになる |
廊下に設置するLEDセンサーライトは多いが、この製品の実用性はかなり高い。たとえば、廊下の端にあるトイレ近くの壁に、このセンサーライトを貼り付けてみた。センサーを横に向けると、ちょうど4~5mぐらいの位置の廊下はすべてカバーできる。これぐらい距離があると、そっちに歩いて行こうとすると、パッと明かりが灯って気持ちが良い。また、どっちの方向へ歩いて行けば良いのかというガイドにもなる。
廊下の設置例。あまり低い位置につけると廊下全体が照明できない。また、反射が明るすぎる | 床から60~70cmぐらいの位置に設置すると良い。幅の広い廊下なら1mぐらいでも良さそうだ |
ただし、上記以外の使い方をしようとすると、なかなか難しい。たとえば、センサーの方向は簡単に変えられるが、LEDの照明方向を変えようとすると、手間取る。小さい台座に、大きめの本体を固定しているので、あまり力を入れると両面テープが剥がれてしまいそうでこわい。台座をもっと大きくして、本体をがっしりと固定してあると良かったと思う。
クローゼットの設置例。LEDが1灯型なので、全体を明るく照らした方が良いクローゼットなどには向いていない | 玄関の設置例。取っ手と鍵穴をピンポイントで照らしてくれるので、ちょっと便利 |
また、センサーの方向は360度変えられるのだが、壁との角度が固定されているのが惜しい。センサーの方向がもっと自由に動くと用途が広がったと思う。もうちょっと四方八方向けられるようにしてほしい。
この製品自体は、廊下や階段などの照明としての実用性を重視した製品で、実用性は高い。さらに、センサーとLEDの方向を変えられるという点で、もっと面白い製品の芽を秘めている。人感センサーとLEDを組み合わせた照明器具は、まだ開発途上の製品なので、いろいろな製品が出てくることを期待したい。
2011年2月28日 00:00