家電製品ミニレビュー
首振り、人感センサー搭載の、使用シーンが多いスリムなセラミックファンヒーター
by 藤原 大蔵(2015/12/2 07:00)
スイッチを入れたら直ぐに温風が出てくるセラミックファンヒーターは、居住空間のスポット暖房や、火の気の無いトイレや洗面所などの小空間に重宝する。
今回は数あるセラミックファンヒーターの中から、電響社の「スリムセラミックヒーター DKTC-A1215」を紹介しよう。
メーカー名 | 電響社 |
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製品名 | スリムセラミックヒーター DKTC-A1215 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 11,544円 |
DKTC-A1215は、複数の生活シーンに利用できる便利な特徴と機能が充実している。主なものは以下の通り。
・スリムスタイルで場所を取らず、操作しやすいデザイン
・弱・強・送風の3段階の出力が切り替えられ、連動して本体のLEDが輝く
・自動首振り機能搭載とワイドな吹き出し口で、温風が広範囲に届く
・人感センサー搭載で、全自動で ON・OFF
・音漏れを防ぐ流水音が再生できる
・アロマオイル対応
・自動オフタイマー内蔵。電源ONから3時間後に自動で停止する
一般的なセラミックファンヒーターは、部屋用、トイレ用と、シーンに応じて全体的なデザインや機能が分かれている場合が多い。だが、DKTC-A1215はインテリア性も考慮され、利用者のニーズに合わせて使い分けができる。
カラーはブラウンとホワイトの2色。今回はブラウンを選んだ。
スリムボディで場所を取らない
DKTC-A1215は使う前に組み立てが必要だが、わずか数分でできた。2枚に分割されたベースを組み合わせ、本体を差し込んでネジ1本で固定するだけと簡単。ドライバーも要らない。電源コードは引っ掛けるだけで、始末も良い。
組み立てた大きさは、120×550mm(直径×高さ)で、ベース部の直径は210mm。重さは約2.8kgだ。部屋の隅にすっきりと収まり、取っ手があるので移動もラク。コードの長さは1.7m強。
操作は簡単だ。プラグをコンセントに挿し、本体下方の電源スイッチ(主電源)を入れたら準備は完了。あとは、本体上部にまとめられた操作パネルのスイッチを押して、好みに応じた運転を始める。
たっぷりの温風がワイドに広がる。運転状況もわかりやすい
まず居住空間に置いて運転した。
運転は、操作パネルの「切/入」を押し、次に「出力切替」を押して、弱・強・送風のいずれかを選択する。最後に選んだ出力が記憶される。
運転中は、出力の様子がとてもわかりやすい。操作パネル上のインジケーターと共に、本体上部がリング状にライトアップされるからだ。弱は少し暗めのオレンジ色、強は赤っぽい オレンジ色、送風は青色に輝き、離れた場所からも運転の様子がよく分かる。インテリアのちょっとした光のアクセントにもなる。
ファンの音は「弱」ならば、テレビ視聴してもそれほど気にならない程度だった。「強」と「送風」の音は同じぐらい。側にある場合は多少気になるかもしれない。
立ち上がりも早い。運転スタート後、約10秒で温風が出てくる。しかも、温風はたっぷり。発熱体が大きく (幅23x高さ273mm)それに見合っただけの大型のシロッコファン(直径50×高さ275mm)が組み込まれているからだ。ヒーターの前で椅子に座った場合、膝下全体が温められる印象だ。強にすると、温度も風量も上がる。
さらに、首振りができるので、温風がワイドに広がる。操作パネルの「首振」を押すと、約60度の角度で、首振りが始まる。左→右→左と、一巡するのに約25秒かけてゆっくりと首を振る。
設置場所を取らないので、窓の側のデスク周り、足元の冷える台所などでも使いやすい。首振りをすれば温風が1点だけに集中しないので、身体の近くにヒーターがあってもかなり快適に過ごせる。送風にすれば、場所を取らない扇風機代わりにも利用できる。
本体の裏側にはアロマポッドも装備しており、運転中は気に入った香りも楽しめる。予備の白いパッドが2枚同梱されているので、香りの使い分けもできる。
トイレや洗面脱衣所にもピッタリ
DKTC-A1215は人感センサー搭載なので、ひと気の無いトイレや洗面所にもピッタリだ。ドアを開ければ人の動きを感じ取った瞬間に自動で運転が始まり、その場を立ち去れば自動で1分15秒後に運転が停止する。いちいちヒーターの側に行ってON/OFFする面倒さから解放される。
もちろん設定は簡単で、運転中に操作パネルの「運転モード」を押して「自動(人感センサー)」を選択するだけでOK。その瞬間からセンサーの作動が始まる(通常は「連続」モード)。
人感センサーの感知範囲は、本体からの距離2.5m以内で、センサーの上方向に約30度、下に55度で、左右それぞれ30度の範囲だ。一般的な広さのトイレや洗面所なら問題ない感知範囲だろう。
特徴的なのは、人感センサーを作動させたまま、手動でヒーターを切れる点だ。人感センサー運転中、操作パネルの「切/入」を1回押すとすぐさま送風運転に切り替わり、約15秒後に停止する。電気の無駄遣いを極力少なくする良いアイデアだ。2回続けて「切/入」を押さない限り、人感センサーは解除されずに継続される。
流水音も搭載しているので、お手洗いの音が気になる方には便利だろう。操作は、連続/自動・運転に関わらず、「流水音」を押すと音が流れ、もう一度押せば止まる。人感センサーにも対応している。
人感センサーの反応は良く、トイレ、洗面所の使用にもとても快適だった。狭い空間にも収まりがとても良い。送風にすれば扇風機代わりにも使えるのも便利だ。ただ、気になる点が3つあった。
1つは、流水音の単独使用ができない。流水音は、弱・強・送風運転時にしか使えない。必ず使う機能ではないにしても、これは少々残念に思った。2つ目は、首振りは連続使用時のみに限られる。3つ目は、自動オフタイマー機能が人感センサー待機時にも機能してしまう。待機時間が3時間を超えると、人感センサー運転も解除されてしまうのだ。
人感センサー時の首振り無しと、3時間待機後のセンサー解除は、安全性を向上させるためだろう。これらは致し方ない。
場所を取らず操作性が良い
多少気になる点はあったものの、総合的にとても使いやすかった。というのも、操作部が本体上面に集中しているので、立っていても座っていても、無理のない姿勢でラクに操作できるからだ。パネルを押すだけで操作できるので、多少暗がりになってもストレスを感じずに操作できる。また、主電源が独立しているので、出かける際もコンセントを抜かずに済むのも気に入った。
フィルターの掃除は気軽にできる。背面のフィルターカバーを外し、黒いフィルターのホコリ・ゴミを吸い取るか、軽くたたいて落とす。落ちにくい時は、水洗いもできるのは良い。
消費電力は、「弱」が560W前後、「強」が1,200W前後、「送風」は14Wだった。首振り時はそれに2Wプラスされ、流水音は消費電力にほとんど反映されなかった。待機電力は、連続運転待機時も人感センサー待機時も0Wだった。
価格は必ずしも安いものではないが、付加的な機能、インテリアに合わせやすいデザイン性から考えて、十分見合っている。くつろぐ場所やデスク周りから、トイレや脱衣所まで、すんなりとスマートに活用できる。小型で部屋のコーナーにすっきりと収まるセラミックファンヒーターとして、是非検討したい一品だ。