家電製品ミニレビュー
ポケットに入れて持ち運べるワイヤレス充電パッド
by 片岡 義明(2014/9/5 07:00)
昨年末にGoogle Playで購入したNexus 5は、ワイヤレス給電技術「Qi(チー)」に対応している。
スマートフォンは毎日充電する必要のある機器だから、充電するにあたってケーブル接続の手間を省いてくれるワイヤレス給電はとても助かる。また、抜き差しによるUSBコネクターの劣化を心配しなくていいのも魅力だろう。
そんなわけで、Qiには魅力を感じていたのだが、端末だけ持っていてもワイヤレス給電はできない。そろそろ充電パッドを買わなければと思っていたところに、ちょうど編集部からサンワサプライの「ワイヤレス充電パッド WLC-PAD12BK」のレビューを打診されて、これ幸いと引き受けた次第だ。
メーカー名 | サンワサプライ |
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製品名 | ワイヤレス充電パッド WLC-PAD12BK |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 5,269円 |
WLC-PAD12BKは、サイズが89.5×108×10mm(幅×奥行き×高さ)と薄型のワイヤレス充電パッドだ。本体の重量は約100gで、ACアダプターが付属する。ケーブル長は1.5m。
Qiのワイヤレス給電は、電磁誘導で送電側と受電側のコイルを共振させることにより、電力を発生させる。コイル同士が離れると充電効率が低下するため、端末を置く際、厳密に位置を合わせずに済む「フリーポジション」を採用している。
フリーポジションには、3つの方式がある。WLC-PAD12BKが採用しているのは「コイルアレイ方式」と呼ばれるもので、複数のコイルをハニカム構造に配置し、受電側に近い位置のコイルだけを動作させて給電する。
この方式は、面積の広い充電台を作りやすいのがメリットだが、内部のコイルを移動させる「可動コイル方式」に比べると充電効率が低くなる。
パッドはシンプルな黒いデザインで、表面中央付近にQiのマークが記載されている。このマークが機器を置く位置の目安となる。裏側は金属が一部むき出しになっていて、放熱性は良さそうだ。
使用するには、ACアダプターをパッド横の端子に接続し、100Vコンセントに接続すればOK。通電したときに全面の充電表示ランプがオレンジ色に点灯し、すぐに消灯してスタンバイとなる。
充電は、本体上面のQiマークの上に対応機器を置くだけだ。機器を検知すると、充電表示ランプが一瞬だけオレンジ色に光ったあと、緑色に変わって充電が始まる。Nexus 5を置いたところ、最初に乗せた位置ですぐにランプが点灯した。
また、Qiに対応したモバイルバッテリー「QE-PL203」(パナソニック)でも試したみたところ、パッド上の「Qi」のマークがある位置の周囲に置くだけですぐにランプが点灯した。なお、充電時に異常を感知すると、充電表示ランプが赤色に点滅または点灯する。
充電が完了すると充電表示ランプが消灯する。充電時間は、Nexus 5の場合、残量10%の状態から開始して、60分後に52%、136分後に80%、190分後に90%となった。
Nexus 5をUSB-ACアダプター(5.0V/2.0A)で充電した場合は、10%の状態から50%になるまで約40分、80%になるまで約80分ですむ。それに比べると時間はかかるものの、ケーブルを接続せずに充電できるのはやはり便利だ。
QE-PL203についても充電時間を調べてみた。電池残量が残り少なく、スマートフォンに給電できないレベルからワイヤレス充電パッドに乗せて充電開始し、QE-PL203本体に付いているランプで充電状況を確認した。
充電開始時は、残量が30%以下を示す赤いランプが点灯していたが、125分後に30~60%の残量であることを示すオレンジ色に変わり、60%以上を示す緑色のランプには235分後に変わった。
QE-PL203をUSB-ACアダプター(5.0V/2.0A)で充電した場合、オレンジ色に変わったのは110分後、緑色に変わったのは220分後だった。やはりケーブル接続に比べるとWLC-PAD12BKのほうが時間がかかるが、Nexus 5のときよりは差が少なかった。
WLC-PAD12BKの価格は5千円台で、USB-ACアダプターと比較すれば高い。だが、帰宅してスマホをパッドの適当な位置に置くだけで充電できるのはとても便利だ。Qiに対応したスマホなどの対応機器を持っている人は、購入を検討してもいいだろう。