家電製品ミニレビュー
アスカ「クロスカットシュレッダー S01」
~用紙を横から入れる、移動可能なシュレッダー
by 片岡 義明(2013/8/6 00:00)
シュレッダーというのは重くて大きいものが多いので、置く場所を一旦決めてしまうと、そのまま動かさずに使い続けるケースが多い。ところが「シュレッダーを動かしたい」と思うケースは実は意外とよくある。
筆者の場合、仕事部屋にシュレッダーを置いているが、リビングで個人情報が書かれたDMやクレジットカードの明細をシュレッダーにかけたいと思うことがたまにある。「リビングに持ってくることができれば便利なのに」とよく思う。
そこで注目したいのが、今回紹介する「クロスカットシュレッダー S01」だ。
メーカー | アスカ(Asmix) |
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製品名 | クロスカットシュレッダー S01BK |
希望小売価格 | 10,290円 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 5,581円 |
このシュレッダーの特長は、持ち運ぶことを前提にした設計になっていること。上部には持ちやすいハンドルが搭載されており、ここを掴めば簡単に持ち上げられる。給紙口は本体の前面に搭載されている“横給紙型”で、横方向から紙を入れる形となっている。
サイズは198×270×360mm(幅×奥行き×高さ)と、同スペックの据置型のシュレッダーに比べると小さめだ。重さは約3.8kgだが、ハンドルが付いていて持ちやすいので、それほど重量は感じられず、片手でも軽快に持ち上げられる。
給紙口幅はA4対応の220mmで、A4コピー用紙を6枚まで一度に細断できる。なお、給紙口は指を巻き込みにくいように奥のほうに設けられている。
電源はAC100V。電源コードは背面のインレットに差し込むプラグ式で、持ち運ぶときにコードと分離すればかさばらない。また、背面の細断くず入れは、濃いクリアスモークになっており、デザインを損なうことなく、細断クズの量を外から確認できる。
スイッチ類は、本体側面に主電源スイッチが搭載されているほか、給紙口の横に電源ボタンおよび逆転ボタンと手動細断ボタンがある。さらにその下には、オーバーヒート/用紙詰まりを知らせるランプと、細断クズの満杯を知らせるランプがある。ボタンとランプが1カ所にまとめられているため、わかりやすい。
基本的な操作は、主電源スイッチを入れてから正面の電源スイッチを入れて、紙を挿し込めば、自動的にモーターが回転して細断される。手動細断スイッチは強制的に刃を正回転させるスイッチで、逆転スイッチは逆回転させるスイッチとなる。いずれも詰まった用紙が取り出せないときに使用する。
このほか、使用時間が3分を過ぎた場合や、定格細断枚数以上の用紙を入れたり、モーターの温度が上昇して温度ブレーカーが作動したりすると、オーバーヒートランプが点灯して自動停止する。この場合は主電源スイッチを切ってモーターの温度が下がるまで待ち、給紙口から用紙を取り除く必要がある。
実際に細断してみたが、特にトラブルもなく、普通のシュレッダーと同様、スムーズに細断することができた。細断音は特にうるさすぎず、細断速度も遅くない。このクラスとしては標準的だ。
紙を上から差し込むのではなく、横から入れるというスタイルには、特に違和感は感じられなかった。ただし、“横給紙型”の良さを活かすならば、デスクやラックなど、ある程度高い場所に設置するほうがいいかもしれない。床の上など低い場所に設置する場合は、従来のような上から差し込むシュレッダーのほうが使いやすいと思った。
細断寸法については、説明書には4.0×28mmと記載されており、実際に測ってもだいたい同じだった。中には約50mmほどの長いサイズのクズも少し混ざっていたが、ほとんどは確実に細断された。
クズ入れが細断クズで満杯になると、細断満杯センサーが働いて細断クズ満杯ランプが点灯する。筆者が試してみたところ、A4用紙52枚細断した時点で満杯ランプが点灯した。説明書には約54枚と記載されているので、だいたい50枚前後というところだろう。
細断クズを廃棄する場合は、背面下のフタ開閉レバーを動かすと、フタが開く。一般的なシュレッダーは、上部のユニットを外してクズ入れを逆さにしてゴミ箱に捨てるようになっているものが多いが、この製品の場合は、ゴミ箱の上に持ち上げて、底のフタを開ければサッとクズが捨てられる。使い勝手はかなりいい。
希望小売価格は1万円以上するが、Amazonでは5,000円台で購入できる。定格細断枚数が6枚のクロスカットシュレッダーとしては標準的な価格で、それでいて持ち運び用ハンドルの搭載や横からの差し込み、細断クズを捨てやすい点など、オーソドックスなシュレッダーにはないユニークな利点がいくつもあるのは魅力だ。
用紙を横から差し込むというスタイルなので、シェルフ(棚)に置けば、場所も取らなくて良さそうだ。ただし、重量はそれなりに重く、取り出しやすさも考えると、ある程度大きくてしっかりしたシェルフを選んだ方がいい。
簡単に持ち運べるので、シュレッダーを使う頻度が少なく、使わないときは見えないところに収納するという使い方もおすすめだ。